余白が大事


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子ども達を見ていて思います。

みんな、忙しそうだな~、と。

プレーパークやってたオンシーズン。

一週間に一度の校庭のプレーパークめがけて、

走ってランドセル家に置いてきて、

走って校庭にやってくる子もたくさんいました。

中には、プレーパークに集まる子を横目に、

「いいな~。オレ、今日塾・・・」

と言いながら、とぼとぼ帰っていく子もいました。

ああ、子どもたちに選ぶ自由があったらな。

『ほぼ日の学校』というアプリで、『不便益』の川上浩司さんのお話を聞きました。

ちょっと面白い発想だったので、息子に話したら、

中学の国語の教科書で『不便益』をやったよというのでびっくり!

今の教科書に、そういうことが載ってるんだ~!なかなかやるな~と思ったのでした。

不便益とは、不便の益 (benefit of inconvenience) 。
便利とは,手間がかからず,頭を使わなくても良いことだとします。そうすると、不便で良かった事や、不便じゃなくちゃダメなことが、色々と見えてきます。

ということで、不便なことの方が実は人間にとっていいことって、結構あるのではないか?と思ったわけです。

一見無駄に見えることや、無駄に思える時間にこそ、私たちの心を豊かにしたり、生き生きと生きるヒントが隠されて言うのではないかと思ったのです。

そのためには、一見、無駄な時間を過ごすための、余白が必要なんだと思うのです。

子どもの権利条約

余白の話の前に、子どもの権利について、ちょっとだけ。

子どもの権利条約の一部を見てみましょう。

3条

国やおとなから、その子どもにとって最も良いことを優先ゆうせんして考えてもらう権利けんりがあります。

12条

自分に関わるすべてのことについて意見をかれ、その意思いしを大切にされる権利けんりがあります。

31条

子どもには、休む権利けんり、自由な時間を持つ権利、遊ぶ権利があり、文化的・芸術的げいじゅつてきな活動に十分に参加する権利があります。

42条

おとなだけでなく子どもも、「子どもの権利条約けんりじょうやく」を知る権利があります。

こちらのサイトが比較的わかりやすいので、ぜひ、目を通してみてくださいね。

子どもの権利条約 | こどものケンリ | おやこのミカタ (savechildren.or.jp)

子どもたちは、遊ぶ自由を保障されてますか?

子どもたちは、ゆっくり休むことができてるでしょうか?

大人が与えたプログラムを、必死にこなす毎日になっていないでしょうか?

高校生や、大学生になって、進路の選択を迫られたときに、

自分の好きなこと、やりたいことが分からない、という子が多くいます。

そもそも、それまでに、好きなことに好きなだけ打ち込める時間はあったでしょうか?

3条の「その子どもにとって最も良いこと」は、果たして子どもの意見を聞いているでしょうか?

子どものためにと、次々と積み上げられた「その子のために良いこと」で、

その子の時間は、いっぱいいっぱいになっていないでしょうか?

子どもの時間に、余白はあるでしょうか?

自由に過ごす時間はあるでしょうか?

余白が必要です

車を運転する方は知っていると思いますが、車のブレーキには、「あそび」があります。

ブレーキを踏んだ時にガクンと急に効きすぎることがないように、ゆとりがあることで、より安全性が高まると言われています。

でも、あそびが多すぎると、ブレーキが利かなくて困るのですが。

人や、仕事も、同じことが言えるのではないかと思っています。

仕事をスケジュールいっぱいに詰め込んで、余裕がない生活、

分刻みの忙しさで休みがない日が続くと、

そのうち、体が悲鳴を上げて急停止してしまうということを

経験したことのある方もいるのではないでしょうか。

時間的、精神的にゆとりがないと、イライラしたり、

自分のやらなければならないことで頭がいっぱいで、人の話を聞けなくなったり、

その結果、そのイライラを周りにいる人、特に弱い存在に向けてしまうということが

往々にしてあると思うのです。

人も、車も、あそびが必要です。

ある程度のすき間があるから、違う考えを受け入れる余裕があるだろうし、

違う人の意見を取り入れて、よりよい方に、新しい道を見つけることもできると思うのです。

余白を楽しむ

そんな私も、いろんな方から、忙しそうよね~と、よく言われるのですが、

実は、ちゃんとスケジュールを入れない日や、何もない時間を作っています。

余白の時間に、本を読んだり、ドラマを見たり、

コツコツ作りたいものを作ったりしています。

今年もいろいろ作りましたよ。

夏に飼っていた蚕の繭から糸を紡いで

庭に自生していた茜の根っこを掘り上げ、紡いだ糸を茜染め。

うちにあるのは簡易な卓上織機ですが、機織りして

一枚の布に仕上がりました。

秋口には、種をまいて育てた藍の生葉でも染めてみました。

今年ハマったのは刺し子。急にやりたくなって、南部菱刺しに挑戦。

おにぎりを入れる籠の角に穴があいてしまったので、こちらはこぎん刺しで補強。

ちょっと不格好ですが、初めてなので、自分では満足。

今年の夏は暑すぎて、台所で足元を冷やしたくて、簡単な冷風機も作ってみました。

これは、モバイルバッテリーをミニソーラーパネルで充電した電気をためて使うので、電気代はゼロ円!そして、冷たい風がでて、今年一番作ってよかったものです。

何にもない休日は、焚火でゆっくり調理する時間も大好きな時間です。

紫根を漬け込んだオイルがたくさん余っていたので、クリームを作ったり。

暇な時間さえあれば、今日は何しようかな~と考える時間も楽しくて。

でも、それにはやっぱり、余白の時間がないとダメなんですよね。

やらなきゃいけないこともいっぱいあったりはするのですが、

そんな時に、今やらなくてもいいのに!というようなことが

やりたくなっちゃうものです。

現実逃避とも言います(笑)

ただ、そうやって、自分を満たす時間があれば、

ちゃんと、気分を新たに、やらなければならなかったことに取り組めたり、

ボーっとしていた、ふとした瞬間に、いいアイディアが浮かんだりするものです。

いっぱいいっぱいになってるときは、生産性が上がりませんよね。

子どもたちも同じで、余白があったら、いろんなことを考えます。

何をしようかな。

いいこと考えた!

子どもたちの、この、『いいこと考えた!』の瞬間に出あえることは、

とっても幸せな瞬間です。

『いいこと考えた!』って子どもが言えるような、

そんな時間が、すべての子どもたちにありますように。