春の森で冒険キャンプ!

春の森は、芽吹きのエネルギーに満ちています。そんな春の森で、自分たちで山菜を採り、火おこししてたき火をし、採った山菜を自分たちで調理して食べてみよう!

森の探検コースでは、オタマジャクシやカエルの卵を観察したり、小川で笹船流したり、崖を登ってみたり。

森の中では、秘密基地づくりや、焚き火でマシュマロ焼いて食べたり、ロープブランコ、ハンモック、ロープの綱渡り、木登りしたり。

そんな森の冒険キャンプを、子ども達に体験させてみませんか?

冒険キャンプの詳細

<日時>

2018年 5/5(土)10:00~

5/6(日)15:00

<場所> 東北町のキャンプ場

※場所の詳細につきましては、お申し込みいただいた方に後ほどお知らせいたします。

<定員>7名程度(先着順)

<参加費>

①5日のみDayキャンプ(晩御飯付き)/

      大人3000円、小学生2000円、幼児500円

②1泊2日(晩御飯、6日朝食、昼食)/

      大人6000円、小学生4000円、幼児1000円

小学生のみの参加もOK。その場合は基本的に現地までの送迎をお願いいたします。

小学生以下のお子様に関しては、保護者の付き添いが必要です。また、プログラムによっては、参加できないものもございますので、ご了承ください。その場合は、キャンプ場の広場にて、親御さんとのんびり遊んで待っていただくことになります。

参加される方は、①Dayキャンプか、②1泊2日かをお知らせください。

キャンプする場合は、朝晩の冷え込みが予想されるので、しっかり防寒対策をしてきてください。

持ち物)
長靴、長袖、長ズボン、着替え、防寒、軍手、飲み水、

大人でアルコール飲みたい方は各自持参。おやつは各自持ち込み自由。

※家族でキャンプする場合は、キャンプ用品一式(テント、テントマット、寝袋、懐中電灯等)。

(子どもだけの参加の場合は、寝袋だけでOK)

 

※水道が使えないため、お水はご持参ください。
※トイレも一応ありますが、あまりきれいなトイレではありません。

 

※参加して下さった方には、「食べられる山野草と、その食べ方・効能ガイド」、「キャンプの様子の写真」をデータにて差し上げます。

これまでのキャンプの様子

春の森キャンプでは、まずは森に親しむところからスタートします。

ハンモックや

ロープの綱渡り

ターザンロープなど、

子ども達が自由に遊べるように、ロープをかけていきます。

そのうち、木登りし始める子もいます。

森になじんできたところで、森の探検に出発します。

途中、いい香りのする葉っぱを見つけてはにおいをかいだり、山菜見つけては採ったりしながら森を歩いていきます。

運がよければ、リスやヤマネに会える時も!

下の水場に行くと、水たまりにオタマジャクシの卵がいっぱい!

小川で笹船流して遊んだり

石をめくればヤゴや、水生昆虫に出会えるかもしれません。

春のカラマツは柔らかく、カラマツのブレスレット作りながら歩いたり。

森の探検では、歩きながら、山菜を収穫していきます。

途中、粘土がとれる崖で、粘土を取ってみるときもあります。下は、危なくないところなのですが、落ちたら泥だらけになるスリルがあります。

探検コースから戻ったら、再び森遊びする子ども達。

秘密基地作ったり

弓矢作ったり

弓矢ができたら試し打ち。

焚き火を焚くためにの火おこしチーム。

薪を集めたり、燃やしやすい長さに切ったり。

焚き火ができたらマシュマロ焼いておやつタイム。

小さい子は、まったりと過ごします。

テントもたてます。

晩御飯は、みんなで調理を手伝います。

収穫した山菜は、天ぷらやお浸しに。

晩御飯のおかずの一品です。

火の番も、大事な仕事。薪がなくなったら枝を取ってきて、火にくべます。

暗くなったら、暗闇探検に出かけ、満天の星空を眺め、暗闇の森がもつ怖さやドキドキ感を味わいます。

そうして、夜も更け、子ども達は夢の中へ。

そして迎える朝。

クロモジのお茶もさわやかな香りです。

森の朝は、鳥の声と、朝の凛とした空気に包まれて、特別な時間です。

子ども達に生き抜く力を!

自分たちで焚き木を集め、燃やしやすい長さに木を伐り、自分達で火おこしして、焚き火をつけ、森の恵みである山菜をとって、自分たちで調理して食べる。そんな、自然の中でもたくましく生き抜く力を子ども達に経験させておきたい。そんな想いもあります。

ここは水の出ないキャンプ場なので、持ってきた分の水しか使えません。

だから、水を無駄にじゃぶじゃぶ使うようなことはしません。

水を無駄にせず、環境を汚さないような食器の洗い方もあります。

箸がなければ、枝を削って、自分で箸を作ることもできます。

そんな、ちょっとした知恵やは、体験して身につくものです。

ある途上国で、災害があったとき、まず、小さな子から亡くなっていった、という話を聞いたことがあります。何かあったときに、最低3日は生き抜ける力を、つけていきたい。3日乗り越えられれば、何かしら、助けが来る可能性があるからです。

実際、震災後、電気が止まり、スーパーから食料品が消えていったとき、私たち家族が慌てずにいられたのは、キャンプ用品の備えがあったことと、こんな知恵があったからだと思っています。いざという時役立つように、体験しておくことは、知識で知っているだけの何倍もの力を発揮します。

 

お問い合わせ、お申込み、スタッフ募集

お問い合わせ、お申し込みは、ブログ上記にあるお問い合わせフォーム、またはFBのメッセージにてお願いいたします。

①Dayキャンプか、②1泊二日キャンプかと、参加者氏名と年齢、食べられないものなどありましたら合わせてお知らせください。

先着10名程度で締め切らせていただきます。

また、当日、ボランティアでお手伝いいただけるスタッフも募集しています。お手伝いいただける方にはお食事を無料で提供いたします。

子どもが好きな方、子どもの自然体験に興味がある方、自然での子どもの遊び、自然の中にあるリスクなどを学びたい方、は、ぜひ、お声がけください。

 

 

 

マタギ舎ガイドでゆく白神山地~その2(生き物たちの物語)

前回に引き続き、マタギ舎のガイドであり、探検部の長年の友人でもある小池夫妻に案内を頼み、二日目は白神の巨木をめぐるコースを歩きました。推定樹齢500年を超えるであろう桂の巨木の他、ブナの巨木、ミズナラの巨木と、どれも樹齢300年ほどもありそうな巨木の森。それほども長い間生きてきた森は、豊富な水をたたえ、生き物たちのすみかとなっています。今回は、白神に生きる、植物を含めた生き物たちを紹介していきます。

白神の生き物たち

<ヤマカガシ>

白神で、まず最初に出会ったのはヤマカガシ。オレンジ色で猛毒を持っています。ヤマカガシの毒牙は奥の方にあるため、軽くかまれたくらいでは何ともないことが多く、毒がないと思われてきましたが、1972年中学生がかまれて死亡した事故から、毒があることが知られることになりました。その毒性はマムシの3倍にもなるそうです。

むやみに捕まえて遊んだりしない限りは、臆病なヘビなので、危険度は少ないのですが、出会ったときは、そっと見守ってくださいね。

<マムシ>

実は、うちの次男、白神ではありませんが、キャンプに行って夜の草むらで指をマムシに咬まれたことがありました。

その時は、ヘビの姿を誰もちゃんと見なかったので、何にかまれたかわからなかったけれど、指にくっきり2つの牙の咬み跡があり、みるみる腫れてきたことから、毒蛇と判断して、すぐに救急車を呼びました。到着するまで、患部より心臓側をギュッと縛り、患部を水で洗い流して様子をみましたが、ほんとうにみるみる毒が回っていくのがわかりました。手はグローブのように腫れあがり、腫れはだんだん肘の方まで上がっていきました。

救急車に乗って近くの病院に到着したものの、血清をそこで打つことができず、そこからさらに1時間半の大きな病院に再搬送。そこで初めて血清を注射することになりましたが、そこで、「血清は馬の血からできているので、馬の血が体に合わないと、アナフィラキシーショックで命に危険が及ぶ場合がある」と説明を受けました。でも、治療方法がそれしかないということで、血清を打つことを承諾しました。

幸い、ショックは起こらず、次男は一週間の入院で無事退院することができました。最終的に、血清が効いてくるまで腫れは上に上がり続け、肩まで腫れあがっていったので、毒が心臓まで行かないかとハラハラしました。

今回出会ったのはヤマカガシですが、そんなマムシも、この白神にはいます。マタギは、マムシも焼いて食べます。先が二股になった枝先でマムシの頭を押さえ、頭さえ落としてしまえば、あとはもう、皮をはいで焼いて食べるのだと言います。また、一般に、マムシは精が出るといわれていますが、串に刺して干物にして、よく庭先に干してあったそうです。

<バンドリ(ムササビ)>

山を登っていくと、大きなトチの木が。トチの木の巨木には、洞(穴)がありました。この洞に、以前バンドリとマタギが呼ぶムササビが巣を作っていたこともあるようです。晩に空を飛ぶからバンドリだそうです。ムササビはテンに襲われることも多く、マタギたちは、ときにいたずらして、カリカリと木肌を爪でやってみると、テンが来たかと思ってバンドリがひょっこり顔を出して下を覗くんだそうです。今回もカリカリしてみたけれど、残念ながらバンドリはいませんでした。

<二ホンカモシカ>

途中、変わった樹形のトチの木がありました。

これは、カモシカがトチの木の冬芽を食害することから、わきから新しく萌芽していってこんな姿になったようです。冬、雪深い中、木の上の方にある冬芽は、カモシカや、サルにとって最高の餌になるようです。トチの木の冬芽は他の木の冬芽より大きく、食べごたえがありそうです。雪解けとともに、下の方の冬芽も食べることができて、カモシカに一度目をつけられたトチの木は、ず~っと食べられ続けるそうです。ニホンザルなんかもこの冬芽が大好きで、バナナのようにむいて食べているんだそうです。ちなみにニホンカモシカは国の特別天然記念物に指定されています。

今回は、沢の砂地にカモシカの足跡を見つけました。

<ニホンザル>

今回、カモシカの足跡と同じ場所に、サルの足跡も発見しました。近くには、イタドリの芽の食痕がありました。

学生時代、林道を歩いていて、サルに囲まれた、なんてこともよくあったものです。

<ブナの巨木>

こちらは、大人が3人は入れるような大きな樹洞のブナの巨木。木は、中心が腐っても、樹皮に近い水や栄養が通るところがつながっていれば生きていられるんですね。逆に、樹皮を一回り全部はいでしまうと、木は立ち枯れてしまいます。

<イワナ>

沢では、深みがあちこちにあります。こういった深みに、イワナがいたりします。小池さん夫妻も、数人で追い込んで手づかみでイワナを捕ったりするそうです。ヤスでついたりもしますが、マタギ舎の工藤茂樹さんは、俊敏で、クマが魚を捕まえるように、片手でさっと水の中からイワナを捕まえることができるそうです。

今回は、なかなかイワナを見つけることができず、かろうじて一匹、魚影をみかけたぐらいでした。

イワナは山では大事な食糧です。たくさんとれたら串刺しにして陰干しにして、必要な時にたき火で焼いて食べます。

かぶりつくイワナの美味しいこと!頭と骨はとっておいて、集めてだしをとると、これまたおいしいのでした。

<サンショウウオ>

今回は沢を歩いていたら、ハコネサンショウウオに出会いました。白神には、このほか、トウホクサンショウウオ、クロサンショウウオもいるそうです。トウホクサンショウウオと黒サンショウウオは準絶滅危惧種になっています。

ハコネサンショウウオは、流れのあるところにいるので、簡単に流されてしまわないように、何かにしがみつくための爪がついているのが特徴です。渓流に住むハコネサンショウウオには肺がありません。また、前足は4本、後足は5本の指を持っています。

<オオミズアオ(大水青)>

沢に、羽がボロボロになったオオミズアオがいました。羽がうすい青色で、とてもきれいなガです。夜、たき火をしていると、たき火の中に飛び込んで焼け死んでしまいます。飛んで火にいるなんとやらです。

旧学名がActias artemisといって、ギリシャ神話の月の女神「アルテミス」からきているようです。写真ではわかりにくいですが、それくらい美しい羽根でした。

<ショウキラン>

葉緑体を持たず、菌類に寄生して栄養をとりこんでいる腐生植物で、ランの仲間です。菌根を作り、菌根菌から養分を略奪して生きています。一週間ほどで黒くしおれてしまいます。今回はジャストタイミングで見ることができました。

<ギンリョウソウ(銀竜草)>

こちらも腐生植物の植物です。幽霊の様にまっしろなことから、別名ユウレイタケとも呼ばれます。ショウキランの様に、菌類から栄養を得ているため、葉緑素を持っていません。

周囲の樹木と共生するベニタケ属の菌類に寄生し、養分を奪い取ることで生きています。やや湿り気のある腐葉土壌に咲いています。

<ササバギンラン(笹葉銀蘭)>

笹の葉のような葉っぱのランです。白神には、こんな野生のランが所々に見られます。

<サルメンエビネ(猿面海老根)>

唇弁が赤みを帯びてしわが寄っているのをサルの顔に見立ててこんな名前になったそうです。残念ながら、今年は花が終わった後でしたので、サルの顔に似ているというお花は、見られませんでした。どんなお花かは、サルメンエビネで画像検索してみてくださいね。

こちらも、白神で見られるランの仲間です。

<その他の生き物たち>

トカゲ

クワガタ

ゾウムシ

ヤゴの抜け殻

尺をとってるシャクトリムシ

コブヤハズカミキリ

ツガルミセバヤ

ウリノキ

フタリシズカ

サワグルミ

写真には取れなかったけど、ミヤマカラスアゲハに、カジカガエルもいて、

アカゲラ、オオルリ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、アオバト、キビタキ、カケスの鳴き声が聞こえていました。

他にも天然記念物のイヌワシや、クマゲラも住んでいる森です。

様々な動植物を生かしている森です。

森が命を育んでいる

二日目は、たくさんの巨木に会ってきました。200~400年も生きてきた巨木。

その周りには、朽ちて倒れている倒木もあります。木がたくさんの種を落とし、次の世代へと命をつないでいきますが、落ちた種が全部生き残るわけではありません。動物に食害されるもの、ほかの植物たちの陰となり、成長できなかったものなど、様々です。

それでも大きく育っていくには、寿命で倒れた木があると、そこに新たに光が入り、小さかった幼木が大きく育っていくことができるのです。朽ちては菌類が共生し、多くの虫たちのすみかとなり、最後は土へとかえって次の世代への養分となっていきます。

森の中の土はふかふかで、落ちた葉っぱが堆積し、厚い腐葉土の層をつくります。

命を育む森が、そこにありました。

 

命を感じる体験を

今回、白神山地に子どもたちを連れていき、たくさんの命をそこに見てきました。実際に見て、触って、感じ、においをかぎ、山の恵みをいただき、楽しく、とても幸せな時間を過ごしました。

命を育む森や、森のたたえる水の清らかさを体感してきました。

今回、20代の若者たちがたくさん参加してくれました。水に飛び込み、語り合い、笑いあいました。彼らはどんなことを感じ、どんなことを次に引き継いでいくんだろうか?

バトンは渡せただろうか?

私たち夫婦も、小池夫妻も、探検部時代、多くの時間をこの白神山地で過ごしました。ここで過ごした楽しすぎる時間は、のちの私たちの生き方のベースになっていきました。そして今、私たちが受け取ったバトンを、若い世代へとつないでいく年齢になってきたのかと思っています。

命を育む森の様に、若い人たちの知識となり、生きる力となる、その種を蒔くことができたのではないかな、と思っています。

 

 

 

 

 

 

 

マタギ舎ガイドでゆく白神山地~その1

世界遺産となった白神山地。世界遺産登録地域の外ではあるけど、岩木川の源流をマタギ舎の小池夫妻によるガイドで歩いてきました。今回はドイツエコツアーを主催している松本英揮さんの希望で、ツアー参加者での山歩き。山の奥深い懐の中、そのまま足元の沢水を飲めるほどの清流と、様々な生きものに出会い、多様な植物群を見て、たき火を囲み、山の恵みの山菜をいただき、自然の雄大さと、すばらしさ、自然の前では謙虚であらねばと改めて感じたツアー。太古から続く白神山地の魅力と、マタギの知恵を初日の沢歩きの様子から二回に分けてちょっぴり紹介していきます。

いろんな想いがあるので、かなり長文になります。

世界遺産になった森

白神山地は、秋田県北西部と青森県南西部にまたがる約13万haに及ぶ広大な山地帯の総称です。
ここには人の影響をほとんど受けていない世界最大級の原生的なブナ林が分布し、この中に多種多様な動植物が生息・自生するなど貴重な生態系が保たれています。1993年に世界遺産(自然遺産)に登録されました。

私達夫婦と白神マタギ舎の小池夫妻は弘前大学探検部の先輩後輩。学生時代はまだ、世界遺産には登録されておらず、白神山地をフィールドに、合宿しながら山深い白神の森を歩いてきました。

小池夫妻はその後、白神に魅了され、マタギの工藤光治さんに弟子入りし、伝統的な生活文化とその基盤となる自然を保存・伝承することを目的として2000年、代表であるマタギの工藤光治さん、工藤茂樹さん、牧田肇さん、工藤ひと江さんとともに白神マタギ舎を立ち上げました。

世界遺産になったことで、その中で営まれてきた様々な文化が途絶えてしまわないように、ただの山岳ガイドではなく、山の神さまを敬い白神山地に生かされてきたマタギの智恵や生き方、白神の意味を伝え続けている、他にはいないとてもすばらしいガイドさんであり、私達の20数年来の友人です。

山に入るときは、山の神様に畏敬の念を込めつつ、これからの山行の安全を願い、感謝して山に入ります。マタギといえば、春先、熊撃ちを生業としていますが、マタギはクマを授かると言います。山の神様からの頂き物です。山菜でもキノコでも、山からとれる恵みは、神様から分けていただくもので、決して取りすぎることはしません。

沢を歩く

ここがマタギ小屋。下の写真の右の眼鏡をかけているのが小池さん。

10時。マタギ小屋を出発して沢へ下りると、広い沢の向こうに山深い森が望めます。

出発してすぐにオオルリの鳴き声。双眼鏡でのぞいて姿を確認します。

こんなきれいな鳥で、とても美しい声で鳴きます。

岩木川の源流でもあるこの川の水の、清らかなこと。このまま沢水を飲めるほどです。

澄んだ川の流れが続きます。

途中、ジョウトク沢と言われる沢と合流します。ジョウトク沢には山の神様がいて、マタギたちは、必ずジョウトク様の前で手を合わせます。今でこそ女性も沢に入りますが、昔はジョウトク沢から先は女人禁制でした。

時々、動物のいた形跡を見つけては解説してくれます。

この時は、かじりかけのトチの実を発見。ネズミが、秋に、時にはかじりつきながら蓄えていくのだけれど、自分が隠した場所を忘れて、置き去りにされたこういった木の実が、そこで芽を出し、次世代へと命をつなぐ、木の実とネズミとの共生関係をお話ししてくれています。

大人はスパイク地下足袋で、末っ子はウォーターシューズでついてきます。スパイク付きの足回りは、沢でもすべりにくく、歩きやすいのです。

だんだん深いところも出てきます。この日は暑かったけれど、沢水はまだ冷たい!

息子も濡れながらついてきます。

途中、川の少し先にシノリガモを発見しました。オスのほうがきれいな色をしています。メスに選ばれるためにです。シノリガモは、メスだけ子育てして、オスは子育てをしないという説明に、「耳が痛い」という参加者も。でも、シノリガモは、子どもが早いうちから自立して自分で餌をとれるようになるから、メスは、危険な場所を教えたりするだけでいいから、子育てにオスは必要ないんだそうです。それはそれで、お父さんとしてはちょっと悲しくなるお話しです。

 

2時間半ほど歩いて、お昼ごはんの休憩です。小池さん夫婦は、ホオの木の葉に包んだ梅干しおむすびを食べていました。山を汚さぬよう、ごみを出さぬよう、それもマタギの知恵です。

マタギはいったん山に入ると何日も山で過ごします。その日一日、何があるかわからないので、ご飯は全部食べ切ることはしません。必ず残すそうです。翌日にその残したご飯を食べることもありますが、殺菌力の強い梅干しおむすびをノリでくるんでホオ葉でくるんだおむすびは、翌日でも腐ることはありません。

うちは、ゆかりご飯のおむすびです。普通にラップで包んでいるので、ごみが出ちゃいますね。

お昼を食べている場所で川の中をのぞくと、子どものハコネサンショウウオを発見!カギづめがあり、流れのある所でもしっかり石に張り付いていられるように進化してきました。

再び歩き始め、しばらく行くと滝がありました。その横の岩場には『鳥獣保護区』の看板があります。

だんだんにゴルジュと言われる岩場の多い地形が出てきました。

雪渓がまだあります。山には、こうしてところどころに7月でも雪が残っています。山菜も、雪渓の周りはまだ早春にとれる山菜もあるので、沢では長い間山菜が楽しめます。

まるで龍のような滝もでてきました。

しばらく行くと、ゴルジュの向こうから、何やら冷気が流れ込んできます。きっとこの奥に雪があるんでしょう。

ありました。大きな雪渓です。

ここはタカヘグリと言われる岩場で、ここがこの日の終点です。

霧雨が降ってきたけれど、雨すら差し込んだ光に反射して、何とも言えず美しく、思わず息をのみます。

雪渓のあるところに行くには、深みを越えなければいけません。岩場のわずかな手がかり、足がかりを頼りに、雪渓の下へ渡ります。

手掛かりを探し、先に行った人が、「そこの下に足場があるよ」と教えます。足場がななめになってるので、ちょっと足を滑らせると深みにドボンです。この日も、一人ドボンと落ちました(*^-^*)。

深みに入ってみたい人はあえて深みを行きます。

深いところでは首ほどもあります。

帰りは水に入ってみたいというので、お兄ちゃんに背負われて深みに入る末っ子。まだ雪渓の残る沢水は、冷たいです!

帰りに、来るときも通ったもう一つの難所を行きます。左は深みにはまらないように、岩場をへつっていくコース。右は岩場を高まくコース。どちらも足を滑らすとドボンです。

滑り落ちるかもしれないスリルがたまりません。

 

帰りはもう濡れてもいいやと、若者たちは泳ぎます。

末っ子も、ここは足がつかない場所なので、ライフジャケットつけて泳いでいきます。優しくサポートしてくれる方がちゃんといます。

朝の10時に出て、テン場に戻ったのは5時ごろか。末っ子も、小学一年生で、最後まで一人でよく歩きました。濡れた服を着替え、たき火をします。

人間のエゴ

沢を歩いている途中で捨てられているごみを発見しました。おそらく山菜とりや釣り人が置いていったものです。ひどいときは、土に埋めたり、隠したりする人もいます。

山歩きをしていると、こういう光景に出会うことがよくあり、とても腹が立ちます。持ってきたごみをなぜ持って帰れないのかと思います。山菜とりや釣り人は、根こそぎ奪うだけ奪って山を汚していく人が多く、私はあまり好きではありません。もちろん、みんながみんなそうだという訳ではありませんが、一部のマナーの悪い人のために神聖な山が汚されていくのが、悲しいのです。もちろん、拾って行きます。

そして、しばらく行った先のゴルジュで、釣り人を発見しました。

小池さんは白神の巡視員でもあります。釣り人に声をかけ、さっきごみを捨てなかったか尋ねます。釣り人はうつむいてそそくさと行ってしまいました。

釣りを楽しむ人だって、山の恵みをいただいて、楽しんでいるわけで、その魚が住むこのきれいな沢を汚すことをなぜ平気でできるのだろうかと思います。

川をたどれば必ず源流の一滴があります。山の中、小さなちょろちょろと湧きだした湧水や雪解け水が、あちこちから集まり、大きな流れとなって、枯れることなくいつまでも流れ続けます。その水を蓄えているのは、この豊かな森です。森がなければ、水を貯えることはできません。この森があるからきれいな流れができ、そこにイワナが住み、森にはクマやカモシカ、ニホンザルやテン、アナグマやタヌキ、ムササビやネズミ、クマゲラやイヌワシ、たくさんの鳥たちが、森の恵みで生きています。

人間は、その森の生き物たちの住みかにちょっとお邪魔してるだけ。決して人間が奪いつくして、汚していいものではないはずです。人間は、自然に対してもっと謙虚であらねばなりません。山に行けばただで手に入る山菜やイワナがいて、そのことに感謝することもなく、ただ自分のエゴのために奪っていく人は、そこにいる、山の神の存在など、気にも留めないことでしょう。

森をがっぱり切って、太陽光パネルを設置しているところを、最近あちこちで見かけますが、これも、エコではなく、ただの人間のエゴでしかないと私は思っています。森に住まう生き物たちは、森を追われてどこへ行くのか?クマが里に下りるのはなぜ?水不足が多くなっているのはどうしてなのか?土砂災害が多くなっているのはなぜなのか

様々な問題が、実は人間のエゴが引き起こした結果でないと言えるでしょうか?

次へ残していくこと

 

かつて、うちに遊びに来ていた子供の一人が、とても釣り好きな子でした。お父さんが良く釣りにつれて行ってくれると言っていました。その子は、ある時、水をきれいにする人になりたいと思ったそうです。海で釣りをしていて、ごみで汚れた海を見て、こんなところで泳ぐ魚は食べたくないと思ったそうです。自分は海を汚さない。そう思ったと教えてくれました。

環境教育とは、そういうことではないでしょうか。自然が楽しい。自然の恵みをおいしくいただき、感謝する。そんな自然が好き。だから汚したくない。そう思うのが自然なことかもしれません。

今いる困った大人たちに何を言っても聞かないのかもしれません。

でも、子ども達になら、若いうちなら、そんなことを体感したなら、そういうことを考える大人になってくれるはずです。自然を大切にしたいと思う大人になってくれるはずです。少なくとも、ごみをポイ捨てする大人にはならないでしょう。

私たち夫婦が、子ども達に自然体験をさせたいと思ったのは、探検部時代のこういう経験からです。自分たちが楽しんできた自然を、子ども達にも味あわせたい。次の世代まで、美しいまま残していかなければ。そのためには、遠回りかもしれないけど、そういう子ども達を育てていこうと思ったからです。

大きなことはできないかもしれない。でも、少しずつでも、自分たちが伝えられることは伝えていきたい。次の世代へと美しい自然は残していきたい。

小池さん夫婦も、大好きな白神山地。山の神に感謝し、山の文化を次の世代へ伝えていくために、美しいままの白神山地を後世に残していくために、こうしてガイドをしてくれています。

山の恵みをいただきながら山で食べるごはんは最高に美味しく、ぜいたくなことですが、その、山菜のとりかたひとつとっても、マタギの知恵があるのです。

マタギにとって、山菜のほとんどは自給用ですが、ゼンマイだけは商品価値が高く山で暮らす人の重要な現金収入でした。彼らは、決して採り尽くしたりはしません。ゼンマイは胞子葉と栄養葉を持ちますが、栄養葉の芽だけを採ります。それも、1株に3本芽があれば1本だけ、5本なら2本だけというように、採りきらず、残して採ります。それは森に生かされた彼らの知恵でもあります。

山の神様のご機嫌が悪ければたくさん採ることはできない。神様のご機嫌を損ねないように、採りつくすことなく、株を傷めないように、そっと採ります。ふきを採るときも、一つの株から3本出てれば、左の一本をナタで切り取ります。沢沿いのフキは、切った瞬間水がしたたり落ちてきます。それがいいフキの証拠。切り取った後の根元をナタでつぶしておくそうです。そうしないと、切り取ったところから水が入り込んで株ごと腐ってしまうからだそうです。

本当に必要な分だけ採ります。

キノコも、手でちぎることなく、切れ味のいいナイフで、根元を残してとってあげると、ちゃんとまた来年または翌々年、同じ場所からいいキノコを採ることができます。

ちゃんと、次に来た時に、同じ場所で収穫ができるようにという知恵がそこにあります。

山菜採りでも、次に残すことを考える人は少ないでしょう。今、そこにあるからたくさん採りたいと欲をかくと遭難したりします。

こういった森で生きる知恵は、こうして次の世代へと伝えていかなければ、途絶えてしまうでしょう。マタギ舎は、そういう知恵を伝えてくれる数少ないガイドです。

この日、沢でぬれた体を温めたり、調理したりするのに、火をおこし、たき火をします。マタギにとっては、火もまた大切な火の神様。かまどの神様なので、たき火にごみを投げ入れて燃やすようなことはしません。とても神聖なものだからです。

たき火で焼いたイワナの美味しいこと!

末っ子も、お腹が膨れ、気づいたらたき火のそばで眠り込んでいました。大人について歩いて約7時間。よく頑張って歩きました。

この子達に、次の世代を作っていく若者たちに、こうして白神の自然を見せてあげることができて、マタギの知恵を伝えることができました。彼らは何を感じ、何を思っただろうか?

次に何かを残していくことはできただろうかと、考えます。

 

 

子どもの自然体験が減少している?子どもを育む森での遊び

自然で遊ばせたいけど、どう遊ばせたらいいかわからない。親自身が自然で遊んだ経験があまりないので、何をしたらいいのかわからない、そんな家庭も最近は増えているようです。

私自身、小学校の理科の実験をアシストしていますが、自然体験の減少を感じています。川で遊んだことがない。たき火など、火を扱ったことがない。虫を触れない。そんな子供たちがクラスの1/3以上います。勉強はできても、実体験を伴わない子が増えているのが現状です。

子どもの日、私たちはぴちるでは、子ども達との一日を、春の森で過ごしてきました。森で遊び、森を探検し、川で遊び、生き物に触れ、たき火する。食べられる山菜を取り、食べる。

子どもたちに、伝えたいのは、そんな生きる力です。

初めての森で遊ぶ

 

春の森は、いろんな植物たちが芽生える季節です。

まだ山桜が咲いていて、新緑のきれいな黄緑色が目にまぶしい季節です。

森に来て、何をしたらいいかわからない、そんなとき、なくてもいいけど、あると楽しいのがハンモックとロープのブランコ。森に対して、感じているちょっぴり不安な気持ちを、遊びの力で森を楽しいものにしてくれます。森との距離が一気に縮まります。

初めて出会った子と、すぐに友達になれちゃうのも、こんなちょっとした道具があるから。

一緒におにぎり食べたり、

ロープのブランコはスリル満点!

小さい子だって、しっかりつかまって!

初めての森になじんてきたところで、森の奥に探検に出発!

水の生き物探しと、川遊び

探検に出るとすぐに、クロモジの木を発見。

クロモジの葉っぱの匂いをかいでみます。

「ミカンみたいなにおい!」

クロモジの木は、和菓子のつまようじにも使われています。さわやかな柑橘系の香りがします。「ほら、いいにおいがするよ!」

森の奥へ入っていきますよ。

子どもの背丈ほどもある笹やぶを越えながら、小さな子にはちょっぴりハードなコース。

足元に気を付けて、どんどん下りていきます。

やっと沼地に下りると、カエルの卵がいっぱい!

まだ卵からかえったばかりの小さなオタマジャクシもいっぱい!おそるおそる触ってみます。

ゼリーみたい!

沼の周りには、きれいな白いお花のニリンソウと、そのお隣に生えているのは猛毒のトリカブト!

ニリンソウは山菜として食べられますが、トリカブトは猛毒です。出たばかりの葉っぱ、どちらも似ています。だいたい、同じ場所に生えています。

他にも、春の山野草がいろいろ花をつけています。

エンレイソウや、

ツクバネソウ。

黒い実がなり、羽根つきの羽根に似ていることから、こんな名前が付けられたそうです。

ヒトリシズカは、可憐なたたずまい。

川に下りたら、水遊び!

川遊びしようと子どもたちが持ってきた遊び道具が大活躍です。

笹船作りも、みんな初めてですが、作り方を覚えたら、この通り!お花ものせてみます。

「ママも笹船作ったことない」と、みんなで真剣に笹船づくり。

競争だ!どっちが早いか!

「僕のは壊れたけど、早いよ!」

川の石をめくってみたら、ヤゴ発見!

川遊びにも満足して、元来た山道を上ります。笹やぶは、ママに抱っこ♪ママガンバ!

途中、大きいフキの葉っぱ見つけたよ!トトロみたいだね。

ぬれたら着替えて焚き火しよう!

ぬれた服を着替えたら、焚き火をしよう!まずは、小枝を集めて、燃えやすいものを下に入れて焚き付けにします。着火したらうちわであおいであおいで・・・火がついた!!

私も火の番する!

みんなでマシュマロ焼いて食べよう♪こんがり、とろっと、たまらないおいしさ!

焦げた!

火遊びも、今はなかなかできない経験かもしれませんね。

森や原っぱでのんびり過ごそう

ひと遊びして、お腹も膨れて、満足した子供たちは、再び遊び始めます。

パパと森へ。ハンモックゆらゆらしたり、

「ブランコしよう!」

お姉ちゃんの真似してうちわをもって・・・

パパ達で協力してテントを立てたら、中で遊びたい!

「パパ、野球しよう!」

タンポポで指輪♪お母さんにプレゼント♪

男の子は、弓矢作りに挑戦!

すっごくよく飛ぶよ!

上に向けて矢を射るのは技名「スカイツリー」

三本同時に矢を射る新技「トリプルアロー」

男の子たちが弓矢づくりに夢中になってる間、ちびっこさんたちはパパと遊ぼう!

「みててね!」って、パパに高い高いしてもらって大喜び!パパ、エンドレスで限界が・・・

ちびっこさんたちは、たくさん遊んで、早めにバイバイ。

たくさん遊んだね♪きっと、車の中で寝落ちしちゃうね。

晩御飯は焚き火で

晩御飯を作るそばで、再びたき火で火を大きくしようとしています。

長い焚き木はのこぎりで自分で切ります。

ダッチオーブンで火にかけるだけの料理は、仕込んでしまえば、あとはほっとくだけでおいしい料理が味わえます。

鶏肉にオリーブオイルとニンニク、塩だけのシンプルな味付けでもごちそうです。

お肉が焼けたら、お肉だけ取り出して、ダッチオーブンに豚汁を作ります。

今回は、ご飯は炊かずに豚汁にうどんを入れていただきます。

お散歩で採った山菜も、天ぷらに。塩を振っていただきます。

タラの芽、ボンナ、クロモジも天ぷらで食べてみます。

うどんが終わったら余った汁にせんべい入れてせんべい汁に。

「せんべい汁食べたいけど、うどんで腹いっぱいだ~!でも、せんべいは別腹だから食う!」

ご飯も食べて、日が落ちて、徐々に暗くなってきます。

今回は、参加してくれたお友達はデイキャンプのみで、帰らなければいけません。

「すっごい楽しかった!僕もテントに泊まりたい!今度は泊まろう!」

「帰ったら、また明日も来ようよ!」

「今回のは、今まで楽しかったことのベスト3に入るな。」

そんな名残惜しい言葉を残して、帰っていきました。

夜も更けて、焚き火の灯りで過ごす夜

今日初めて出会って友達になって、いっぱい遊んで楽しかった息子も、お友達が帰ってしまったら、急に寂しくなって、テンションが下がります。

星空を眺めながら、ちょっぴり夜のお散歩して、戻ってきて、焚き火を囲みます。

「なんかつまんないな・・・」

焚き火を眺めながらぽつりとつぶやく息子。

火を眺めているうちに、うとうと・・・

そのままおやすみなさい・・・。

息子をテントに寝かせた後は、しばらく大人の時間。焚き火を囲んで星空を眺めます。

月明かりのとても明るい夜でした。

森の朝、鳥の鳴き声と共に起きる

森の朝は、鳥の鳴き声と共に目覚めます。

火を起こして、森のハンモックへ。

ハンモックに寝っ転がって空を眺めると、山桜の花がきれいでした。

木々の枝は、お互い重ならないように、譲り合いながら伸びているのがわかります。

森にロープの綱渡りもつけて、ひと遊び。

朝ご飯は、夕べの残りのせんべいうどん汁をたき火で温めただけ。

目玉焼き焼いて、朝日の中いただきます♪

パーコレーターで淹れた朝のコーヒー。贅沢な時間です。

これから雨の予報なので、早めにテントを片付けて、

朝ご飯の後は犬のお散歩!

桜の倒木の下になんか見つけた?!

森の妖精か?

キイチゴの花を見つけました。

散歩から帰ってくると、予報通り雨が降ってきました。

焚き火して、雨音聞きながら、しばらくまったりします。

クロモジ摘んできて、クロモジ茶を淹れます。

とっても贅沢な、しっとりした時間です。

焚き火のそばで、ダンゴムシ発見!

雨音聞いているうちに、眠ってしまいました。

ひと眠りしている間に、雨も上がりました。

お昼ご飯に、焼いたパン食べて、

最後に野球しよう!

思いっきり打っても大丈夫!

森での子供たちは、本当に楽しそうで、ウグイスが鳴きかわす森に響く子供たちの笑い声を聞くのは、とても幸せな時間です。

たくさんの子供たちに、こういう時間を過ごさせてあげたいと思います。

一日森で遊び疲れるまで遊びきる。楽しかった!また来たい!そう思えるように、森の楽しさを知ってほしいので、これからも、こんなキャンプを企画していきます。

 

子どもと春の野草を摘もう!食べてみよう!

芽吹きの春、温かくなってくるとともに、緑がまぶしくなってきましたね。東北の春は遅く、3月末にフキノトウが出始め、桜のつぼみも、ようやく膨らみ始めてきたころです。

この季節の植物は、エネルギーにあふれています。

春に縮こまった細胞を緩めていくのに、この、植物のエネルギーはとても助けになります。春の野草を食べて、体を整えましょう。

ぜひ、子どもと一緒に野草を摘んで、食べて、春の味を楽しんでください。

春の野草に含まれるポリフェノール

 

春の味といえば、フキノトウやヨモギがよく知られるところです。

その他に、タラの芽やウド、ゼンマイ、ワラビなどの山菜もここ東北では好んで食べられます。

こうした山野草は、苦みがあったり、アクが強いものもありますが、昔から、アクの強いものは、アク抜きをして食べてきました。

では、なぜ、春にそういった山野菜を食べるのでしょうか?

山野草の苦みの成分は、ポリフェノールやアルカロイドの一種です。ポリフェノールは、抗酸化作用が高いことで有名ですが、アルカロイドは、例えば、トリカブトの毒素もアルカロイドの一種です。トリカブトのように強い毒性のものもあれば、弱い毒性のものもあって、弱い毒性のものは、アク抜きすることにより、食べられるようになり、薬草として使われることもあります。でも、おいしいから、体にいいからと言って食べすぎは禁物です。少量なら薬となっても、多すぎるものは毒となります。

それらの成分は、冬の間、私たちが身体に溜め込んでしまった余分な毒素を体の外に出してくれて、また身体に刺激を与えて目覚めさせてくれる成分です。

そういう中でも、比較的苦み(アク)の少ないのは、春の野草です。フキノトウは、そのほろ苦さが春の野草の代表格で、天ぷらや、フキノトウ味噌として食べられます。春先、ほんの少量いただくのがおいしい。

フキノトウは、フキノール酸というポリフェノールを含み、血中のヒスタミンを減らし、抗アレルギー作用があるため花粉症への効果が期待されているようです。気管支、喘息、健胃に効果があるといわれています。

フキノトウも、ちょっと山のほうに行けば、まだありそうです。

そのまま天ぷらでもおいしいのですが、フキノトウ味噌にして、ごはんのお供にするのもいいですよね。

<フキノトウ味噌のつくり方>

材料・・・

フキノトウ5個に対して、味噌大さじ2、みりん大さじ1、砂糖大さじ1/2~1

作り方・・・

①みりんと味噌はあらかじめあわせておきます。

②フキノトウはよく水洗いして汚れを落とします。細かくみじん切りにしてフライパンにごま油を入れて、フキノトウをよく炒めます。

③①の合わせみそを入れて、弱火で混ぜながら練ります。水分が少し飛んだぐらいで砂糖を入れて、好みの甘さに調節しながら練っていきます。

ヨモギはビタミンミネラルの宝庫

ヨモギにはビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維、精油、フラボノイド、ポリフェノール類などが多く含まれています。

ビタミンB群は神経伝達や精神状態の維持に深く関係している栄養成分です。神経伝達物質の合成に関わるマグネシウム、神経の興奮を鎮めるカルシウムなどのミネラルも含まれています。

また、シネオールは鎮静作用、ピネンは“森林浴の香り”とも言われリフレッシュ・強壮効果があると考えられています。ストレスを和らげてリラックス状態を作る・気持ちを安定させる働きをもたらすと考えられます。

中国では2000年以上前から「蓬枕」が利用されてきたそうで、リラックスと安眠に効果がありそうです。

また、ヨモギにはクロロフィルが含まれているほか、ヘモグロビンに必要とされる鉄分もホウレンソウの3倍以上と非常に多く含まれています。

体を温め、整腸作用があり、血液を浄化してくれます。リラックス、安眠、貧血に、コレステロール値を下げ、切り傷の止血、殺菌にと、様々な効果があると言われています。

よもぎ蒸しや、お灸のもぐさ、夏の干し葉をお風呂に入れる入浴剤としても使われるほか、草餅や、ヨモギの天ぷら、ヨモギ茶などでおいしくいただきましょう。

春の出はじめのヨモギは、やわらかく、アクも少ないので、食べるのは春のヨモギです。田んぼの脇や、空き地に生えていることが多いのですが、裏に白く毛が生えているのがヨモギ。菊と似ている葉っぱですが、菊には裏に毛がないので、見分けがつきます。

子どもにも手伝ってもらってよもぎを摘むと、あっというまにいっぱいに。日当りのいいところがよく伸びています。生えている場所で、日当りの良さがわかります。根っこごと引き抜かないように、若芽のところだけ爪できゅっと摘むように教えてあげてくださいね。根こそぎ取ってしまうと、来年から生えてこなくなりますからね。山野草は全部そうです。たくさん採りたいけれど、来年も楽しみたいから、根っこはちゃんと残してあげて下さいね。

摘んだヨモギはよく洗って、いらない草やごみ、土を取り除いいてから、硬い茎を取り除き、熱湯でさっと茹でて、ざるにあけ、水けを絞ったら、キッチンバサミなどで短くカットしたものをフリーザーバックなどに少量ずつ小分けしておくと、使いたいときにいつでも使えて便利です。

草餅にするときなどは、カットしたヨモギをすり鉢ですって、繊維を細かくします。繊維質が強いので、よ~くすってくださいね。

すったヨモギを団子粉に混ぜて、あんこを入れて草餅にしてもいいけれど、子どもと一緒にちぎってまるめて、草団子にするのもたのしいですね。

きな粉やあんこ、お好みのトッピングで。

 

道端に生えている雑草も!

ナズナやハコベは春の七草でもおなじみですが、ナズナやハコベ、タンポポの葉っぱも、実は食べられます。どこにでも生えている雑草ですが、その効能は様々です。

<ナズナ>

ナズナはぺんぺん草とも呼ばれています。ナズナに含有される成分では、ビタミンA、B2、ビタミンCが多く、コリン、アセチルコリン、ブルミン酸、サポニン、シトステロール、チラミン、フマル酸、アミノアルコール、フラボノイド、ヒスタミンといったものがあります。

自律神経を整え、整腸、生理不順など婦人科系に、気管支、高血圧、止血としても効果があるようです。

<ハコベ>

ハコベは、ビタミンA、B、ビタミンCが多く、たんぱく質、カルシウム、鉄、ミネラル、ビタミン類、サポニン、葉緑素、酵素が多く含まれています。

浄血作用があり、健胃、催乳にも効果があり、産後の母乳の出をよくするのにも食べるといいでしょう。貧血や利尿にも。

<タンポポ>

ビタミンA,ビタミンB群、ビタミンC、鉄、カルシウムが豊富で、苦み成分であるタラキサシンは、母乳の分泌の促進に、コリン(神経細胞に)、イヌリン(整腸、血糖値を抑える)、フラボノイド(肝機能を高める)も含まれています。

不妊改善、母乳不足の改善、冷え症の緩和など、女性にとって重要な効能もあり、タンポポの根から作ったタンポポコーヒーは、カフェインもなく、催乳作用があるので産後の女性に勧められます。
その他にも便秘の改善や、むくみの改善、疲労の回復、解毒作用を含む利尿作用など、多くの効能があります。

タンポポの根は、主に、胆汁分泌の補助、肝臓系の機能促進や食欲不振の回復、便秘や消化不良の改善など、
タンポポの葉は、主に、胆石の解消、利尿作用、むくみの改善、痛風や関節炎の改善などに効果があります。

 

それぞれ、いろんな薬効がありますが、そのほかの山野草同様、たくさん食べすぎることなく、サラダにちょっとプラスしたり、天ぷらにしてみたり、お茶として飲んだり、上手に取り入れてみるといいでしょう。

 

野草を摘むときの注意点

道端の雑草が食べられるなんて!しかも、そんなにビタミンやミネラルが豊富だったなんて!さっそくお散歩ついでに採ってこよう!そう思った方も、ちょっと気を付けてほしいのが摘む場所です。

道端は犬の散歩コースになったりしているため、散歩コースで摘むのはやめたほうがよさそうです。また、田んぼの畔なども、除草剤をまいていたりする場合もあるので、日頃から、ここなら大丈夫かな~っていうところをチェックしておくといいですね。

お庭があれば、意外と雑草で生えていたりするものです。空き地や河原、畑でも、農薬や除草剤を使っていないところ、放射能汚染が気になる地域では、基本的に山野草をとるのはやめましょう。

 

そして、今週末、おいらせもりのようちえんの「もりのはるふぇす」にて、Happy Childrenでは『ばばばあちゃんのよもぎだんごと、よもぎ蒸しパン』を作ります。子どもと一緒によもぎを摺ったり、混ぜたり、ちぎったり。お好みのトッピングで楽しんでみませんか?まだ定員に余裕があるので、気になる方はお問い合わせください。11:20~12:20の一時間です。

よもぎ茶を飲みながら、よもぎのお話しのほか、野草のお話、自然療法のお話しもできたらと思っています。

お申込み、問い合わせは080-6099-3704(おいらせもりのようちえん外井)まで。

この日は青森こももから出張プレーパークも来るので、お腹がふくれたら、たっぷり遊んで帰ってくださいね♪