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アフガニスタンで医師でありながら、現地の人とともに水路を作り、農業支援をしてきた中村哲さんが亡くなりました。とても残念なことです。
「平和を取り戻すためには水が必要」と、土木工学を独学で学び、自分たちの手で補修できるようにと、あえて人力による工法で砂漠まで長い長い年月をかけて水路を引きました。そして、さらに下流に村を作り、用水路の管理、補修、治水をその村の人々に託しました。
武器ではなく、つるはしでアフガニスタン人の暮らしを立て直すことに挑戦し続けました。
2008年に伊藤和也さんが銃撃されてなくなったのを機に、日本人スタッフの現地入りを制限し、一人、用水路づくりの指揮を執るため現場に立ち続けた中村さんの言葉をかみしめます。
「決して戦車や武器では解決しない」「必要なのは、水と食料だ」と中村さんは生前話していました。
「緑が戻ってきたのでここに一族で戻ってきます。お腹いっぱいになれば、みんな、戦争のことなど考えませんよ」そう話すアフガニスタンの人の言葉が心に残ります。
本当の平和とは、こういうことではないでしょうか。
武力では平和は手に入れられない。必要なのは水と、食料、そして緑の大地です。
いのちの天秤
先日、小学校でのお話し会で、楽しいお話しの後に、日野原重明さんの「明日をつくる十歳のきみへ~103歳のわたしから」という本の紹介をしました。
日野原さんは105歳で亡くなっていますが、103歳の時に出した本です。
いのちの授業でいつも子どもたちに伝えるのは、「いのちは、自分が使える時間」であるということ。
子どものうちは、自分の時間は自分のために使っていいのです。ご飯を食べるのは自分の体のためだし、勉強するのは、自分の頭のため。
でも、成長して大人になった時、自分の時間を、自分のためだけでなく、人のためにも使ってほしいと日野原さんは言います。
そして、10歳の君たちには、二つのことを知っておいて欲しい。
1つは「ゆるしの心を持つこと」と、
二つ目は「大人になったら、自分の時間を人のために使うこと」だと。
世界中で戦争はある、平和なはずの日本では自殺者が後を絶たない。学校や会社ではいじめがあり、どこかで争いごとが起こっている。
でも、この二つのことをできる人が増えたなら、世界から戦争はなくなるんじゃないかと言っています。
アフガニスタンで亡くなった中村さんも、2008年に日本人スタッフの伊藤和也さんが銃撃されてなくなった時に、こんなコメントをしていました。
「憤りと悲しみを友好と平和への意志に変え、今後も力を尽くすことを誓う」と。
まさに、「ゆるしの心を持つこと」と、「人のために自分の時間を使うこと」を全力でされてきた方だと思います。
争いは憎しみしか生まない。ゆるしは世界を動かす力がある、そう思います。中村さんは残念ながら志半ばで旅立たれましたが、その志は、多くの人の心に深く残っています。そういうやり方に、平和への道はつながっているのだと。
そして、日野原さんのお話しの中に、もう一つ、いのちの天秤のお話がありました。
日野原さん、子どもの頃に、お寺の住職さんなどに、閻魔様のお話を聞いていたそうです。
人は死ぬと、閻魔様の前に立たされます。その時、閻魔様に聞かれます。
「あなたは生きている間、自分のために使った時間が多いですか?人のために使った時間が多いですか?」と。
そして、時間を天秤にかけられるんだそうです。
自分のための時間が多い人は、そのまま地獄に落とされる、そんなお話しだったそうです。
日野原さんも、子ども心に、自分の時間を自分のためにばっかり時間を使っちゃいけないんだと思ったそうです。
日野原さんは、こんなことも言っています。
人のために科学の力を使ってほしいと。
科学を、戦争のための武器のために使うのではなく、人を助けるためのロボットを作ったり、人の助けになるために使ってほしいと。
3,4年生の子どもたちに、そんなお話をしてきました。お話しした子たちの中にもものづくりが好きな子たちが、たくさんいました。
この中から、そういう人の役に立つものを作る人が出てくれたらいいな~と思います。
皆さんのいのちの天秤は、どちらに傾いているでしょうか?
故郷で家族と毎日3度のメシを食べること
アフガニスタンで活動していた中村さん、初めは医師として医療活動をしていました。
人の命を助けるのが医師の務めなのに、大干ばつが起きたとき、救えなかった命がたくさんありました。
飢えによって亡くなったというよりも、水がないことで、不衛生な水を飲んで、赤痢や下痢によって亡くなっていったと言います。
何よりも、水と食料が必要なのだと、聴診器を置き、つるはしを片手に水路を作り、農地を作ることに尽力したのです。
現地の方々の願いは、『故郷で家族と毎日三度のメシを食べること』。
その願いは、世界に共通しているのかもしれない。
私達だって、そうじゃないでしょうか?
そういうひと時が、どれほど幸せなことでしょう。
中村さんが水路を作るにあたり、『自然をねじ伏せることではなく、自然とケンカしないこと』として、柳工法や蛇篭工法といった、昔ながらの日本の石積み工法や、江戸時代の技術としての斜め堰などを取り入れ、壊れても、現地の人が、自分たちの力で補修できるようにと考えられてあります。
自然にはあらがえない。だからこそ、自然と折り合いをつけて生きていく。そういう生き方も示してくれています。
争うよりも許すこと。
力でねじ伏せるより共存すること。
武器を持つより、信じあうこと。
それが、中村哲さんの生き方でもあり、日本人としての私たちの生き方なのではないでしょうか。
あらためて、いのちの使い方を考えさせられた、そんな出来事でした。
中村哲さんのご冥福をお祈りいたします。
最後に、ある記事の中にあった中村哲さんの言葉を添えたいと思います。
中村哲さんの言葉
「医師として1人1人を救うことは大いなる喜びだった。でも、灌漑事業で数千人を一気に助けられるのは存外の喜び。これ以上の幸せはない」
「実はアフガンでの活動に集中していて、自分の実の子どもが亡くなる瞬間に立ち会えなかった経験がある。でもその時も、自分のやっている事業によってアフガンの子どもたちの命が数千人救えているという実感があったので、それでいいと思えた」
「これからの時代、どんな人を育てていくべきか。誰か泣いている人がいたら、『どうして泣いているの?』と駆け寄ることができる気立ての良い子どもが増えてほしい」
「誰かに裏切られたと思っても、すべてを憎まないことが大切。その部分だけではなく、良い面もあると信じて、クヨクヨしないということが何よりも大切」
「ちょっと悪いことをした人がいても、それを罰しては駄目。それを見逃して、信じる。罰する以外の解決方法があると考え抜いて、諦めないことが大切。決めつけない『素直な心』を持とう」
「無理やりやってもダメ。悲壮感は十分な原動力にはならない。好きなことや、やめられないようなことを思い切ってやってほしい」
YouTubeで動画配信はじめました
講座では、ごく一部の人にしか伝えることができません。
私のブログは、想いがあるので、文章が長いです(笑)。
忙しい方は読むことすらしないかもしれません。
と、いうことで、試しに、YouTubeで動画配信してみることにしました。
とはいっても、初回は30分ちょっとと長めです。
家事の合間に、耳だけでイヤホンしながら聞いてもいいですし、隙間時間に聞いてくれればと思います。
これからも、ちょこちょこアップしていきたいな~と思うので、良かったら、チャンネル登録お願いいたします。