女の子の育て方

男の子であろうと、女の子であろうと、基本的に、子供時代に五感を使ってしっかり遊ばせてあげることが大事っていうところは変わりありません。ただ、女の子の場合、母として、将来母になるであろう娘に(たとえ、母にならなくとも、女として)伝えておきたいことがたくさんあるのです。

気性の激しい女の子

前回は男の子の育て方についてでしたね。まだの方はことらもあわせてお読みください。

さて、今日は女の子の育て方なんですが、我が家には娘がいます。4人兄弟の中でただ一人の女の子。そのせいなのか、持って生まれたものなのか、小さい時から気が強い子でした。

火のような子で、怒るとかっかかっかと周りに当たり散らし、一日いっぱい怒ってるような子でした。こんな性質が激しかったたのが5歳から3年生までの5年間。

朝起きるなり、お兄ちゃんが先に起きたのが気に食わないと、どしどし怒って降りてきて、帰ってくると帰ってくるとで、保育園で先生にああ言われたと怒り、

小学校では宿題○付けするときに、間違いを指摘すると怒って手が付けられなくなり、一番手を焼いたのが娘。

で、その時、虫歯がすごかった。治しても治しても、すぐ虫歯が出来ちゃう。歯医者さんには、「ドリルが途中で変えなきゃならなくなるくらい、歯の質は堅いんだけどねっ」て、言われたけど、なんで、虫歯になりやすかったのか?

思い当たるのは怒りっぽいこと。で、気が付いた。怒ったり、ストレスたまった状態だと、体が酸性になるらしい。ってことは、口の中も酸性になる。→虫歯ができやすい口内環境になる。きっと、怒ってたから虫歯になりやすかったのですね。

きっとこの頃、精神と体のバランスがうまく取れていなかったんだと思います。

なんとなくバランスが取れてきた4年生くらいから、気性の激しさもすっかり落ち着きました。そうすると、虫歯が出来にくくなるんですね~、これが。

6年生になって、「いい歯のコンクールに出ませんか?」って言われるくらいになったのは驚きです。

この、怒りんぼうと向き合った5年間の大変だったこと!

その間、こっちもかっかとなるし、頭ごなしに怒るともっとひどくなるから、どうしたらこの子に伝わるんだろうかと、頭を悩ませました。

娘が怒りを振りまく度に、膝をつきあわせて、言い聞かせた日々。

「幸せになるためには、人にいい言葉をかけていかなくちゃならないんだよ。自分が出したものが自分に帰ってくるんだよ。あなたが怒るから、お母さんだって怒るし、あなたが笑えば、お母さんだって笑うんだよ。人に好かれたいと思ったら、自分から人が気持ちよくなる言葉をかけなさい。怒ってる人のそばには誰も近寄りたくないんだから。」

何度も何度も言いました。食事を作る手伝いもよくやらせましたが、

「怒ってる時には台所に入らないで!」

と、怒りながら台所に入ってくる娘によく言いました。

「料理には、作ってる人の気持ちが入るんだよ。食べてもらう人に、おいしいって食べて欲しいな、喜んでほしいな、っていう気持ちで作ると、おいしいものが出来るし、怒りながら作った料理は、まずくなるから、だめなんだよ」と。

母として娘に伝えたいこと

そんな娘に、母として、いつか母になるであろう娘に、伝えたいことがたくさんありました。

健康を守るための食のこと。自分でご飯をつくれるようになること。出汁がとれるようになること。

 

子どもが安心して家に帰ってこられるように、お母さんは、どっしりかまえて、笑顔でいること。楽しそうにしていること。

家族が気持ち良く過ごせるように、家をきれいにすること。

完璧じゃないけど、どっか抜けてるけど、それでも暮らすことを子どもと共に楽しんでいる、自分の人生も楽しんでいる、そういう後ろ姿を子どもに見せたいと思っています。

娘は、中学生になり、自分でお弁当を作るときもあります。

美しい物をたくさん見せてあげたい

女の子に限ったことではないけれど、子ども達には、美しいものをたくさん見せてあげたいと思っています。

美しい夕焼け

すがすがしい森の朝

満天の星空

満開の桜

抜けるような青空・・・。

一緒に、ため息をつくようにきれいだね~って、過ごしてきました。

美しい物を美しいと思えることが、ほんとうに幸せなことだと話してきました。

自分の時間を持つことで、心のバランスが取れる

幼い頃は、男の子より、どこか、女の子の方が、ファンタジーの世界を見ているような所があって、娘にもファンタジーのお話しをよく話して聞かせました。

そのうち、自分で空想のお話しを書いたり、ファンタジックな絵を描いたりするようになりました。

そんな時間を大切にしたいと思いました。そのための画材は準備してあげました。

娘は、体を動かすことも、もともと大好きだけど、家にいるときは、本を読みふけり、絵を描き、時にはお話しを書くようになりました。

カラダを動かし、発散することと、自分の内面からわき出る物を表現することで、肉体と精神のバランスがとれ、思春期の今はとても良い状態でいます。時々、激しい気性が顔をのぞかせますが、それも思春期だから仕方ないことだと、思うようにしています。イライラしている時は、たいてい部活で忙しすぎて休みがないとき。自分の時間が取れないときが続くと、イライラ八つ当たりが始まります。

バランスが取れている時は、ころころと良く笑い、時には母にくっつきちょっかい出して甘え、冗談を言い合っては笑う。

でも、彼女を理解しないような、頭ごなしにいった言葉には、火のように怒って反応してくる。そのへんは、持って生まれたものなんでしょうね。

 

男の子だから、女の子だから・・・

「男の子だから泣かないの」「女の子なんだから優しくしなさい」

そんな言葉がけはしないほうがいいと思いますが、男の子には男の子なりの放任の仕方、

女の子には女の子なりの関わり方はあるように思います。

ジェンダーフリーだと、よく言われますが、でも、子を産む母の役割と、家族を守るお父さんの役割は、違っていて当然と思うのです。男の人の脳と女の人の脳は違うと言います。

家庭の中では、母は母性で包み込み、父は父性で頼りがいのある存在としてあることの方が多いでしょう。

どちらか1人の場合は、その両方の役割を1人でこなさなければならないので、それはまた、大変なことと思います。時には母として包み込み、時には父のように厳しく、でもまっすぐに受け止める、そんな場面もあると思います。

児童精神科医の佐々木正美先生の著書に、こんなことが書いてありました。

「幼いころ、お母さんの匂いの記憶はありますか?」という質問に、日中の学生にアンケートをとったそうです。その回答が、「しっかりと記憶に残っている」と答えた学生ほど、自己肯定感が強く、夢や希望を持っているということがわかりました。ところが、中国のほうが圧倒的に、お母さんの匂いや声を覚えている学生が多く、夢や希望を抱いている学生が多かったのです。

日本の学生は、お母さんとの愛着関係が深い人が少なくて、自尊心や自己肯定感、夢や希望を抱けなかったのです。

この研究から、お母さんへの愛着の感情がある子供ほど、夢や希望を抱くことができることがわかります。

子どもに前向きに生きる力を身につけさせたいと思ったら、まずたっぷり甘えさせてあげて下さい。

お母さんは、母性で包み込む。温かく見守る存在であってほしいと思うのです。