子供を幸せにする大人の関わり

子供には幸せになってほしいと、親であればだれもが願うこと。ただ、様々な家庭環境、子供を取り巻く環境があり、「こうすれば必ず子供は幸せになる」と、断言できるものはありません。幸せの定義そのものが、人によって違うからです。将来安定した職業について、お金の心配がいらなければ幸せだとか、人間関係が恵まれていらば幸せだとか、結婚できれば幸せだとか、マイホームを持てたら幸せだとか・・・。それは、逆に言うと、「私が幸せじゃないのはこれがないからなんだ」という言い訳にもなってしまうものです。でも、収入や家庭環境に関係なく、幸せを感じることはできるのです。家族が笑って過ごせたら幸せだとか、毎日おいしいご飯を感謝して食べることができるとか。

子供が幸せを感じるのは、家族や友達と毎日楽しく過ごせること。自分は大切な存在なんだと認めてもらえることなのではないでしょうか。子供を幸せにするには、親の関わり方も大切になってきます。

子どもをコントロールしない

子供が幸せを感じるためには、まず、ママがにこやかにしていてくれることが一番だと思います。たとえ仕事をしていて子どもと関わる時間が少ないとしても、子どもと関わっている間、温かく自分を見守ってくれている、包み込まれる安心感があれば、子どもは幸せなんじゃないかと思うのです。

ママ自身がストレスがたまっていてちょっとしたことにイライラしてしまうようだと、子どもにとっても、あまりうれしくないですよね。散らかしっぱなしで片づけない子供にイライラして怒ったり、時間がないのにぐずぐずしてると早くしなさいと怒ってしまったり。

そうなると、自分の思った通りに行動してくれない子どもにイライラして、ママは怒りっぱなしってことにもなってしまいます。

まず一番は、ママの心の余裕が必要だということ。

そのためには、パパのサポートも必要になってくるし、時にはおばあちゃんだったり、友達だったり、子育てサポートだったり、人の手を借りる必要があります。ママ自身が、やりたいことを我慢しすぎないで、時には人の手も借りながら、自分がやりたいことを一つでもいいからやる時間をとってほしいと思います。子どもをないがしろにして、自分の好きな事だけやりなさい、ということとも違うのですが、自分を大切にする時間をとると、それだけ気持ちに余裕が生まれるので、子供をコントロールしようとしなくてすみます。

気持ちに余裕があれば、多少散らかってても、「一緒に片付けようね~」って言えるようになると思うんです。

子どもも、一人の人です。親の所有物ではありません。「片付けなさい」と言って、「今やろうと思ってたのに、言われるとやりたくなくなるんだよね」というのは、誰しも経験があるのではないでしょうか。

「宿題しなさい」「ゲームばっかりやってないで」「早くしなさい」と、ついつい言いたくなりますが、言っても変わらないのが子供です。言っても言わなくても変わらないなら、言わずに信じて見守ってみる心の余裕を持ちたいものです。

あまり口うるさく言うことは、「どうせ自分のことなんてどうでもいいと思ってるんでしょ」「どうせできないと思ってるんでしょ」「どうせやればできるなんて、信じてないんでしょ」っていう心を子どもの中に植え付けてしまうのです。

幸福は学ぶもの

幸福は学ぶものです。身近な大人が、楽しそうに日々を過ごしていたなら、自分がいることが、幸せなんだと思うことができます。自分がやりたいことを楽しそうにやっている姿を見て、自分も、こんな大人になりたいと思うことができます。親が子供のために、家庭のために自分のやりたいことを我慢して、つらそうにしている姿からは、こんな大人にはなりたくない、結婚なんてしたくない、子どもなんて生みたくない、そんな大人になってしまうかもしれません。

幸せのモデルは、一番身近な大人から学びます。

どうか、自分を犠牲にしないで、やりたかったことを一つでもいいから楽しんでください。毎日の生活を楽しんでください。

そんな姿を、子ども達に見せてほしいと思います。

子どもの作品や幸せな写真を飾ろう

子どもが保育園や学校で作った作品を、きっと皆さんおうちに一度は飾ると思います。それは、子どもが一生懸命作ったものを認めてあげる、ということです。それと同じように、子どものその時々の成長した写真や、幸せな家族の写真も飾ってほしいと思います。

写真や、作品を見るたびに、自分は大切にされてると感じることができます。

かわいい瞬間。幸せな瞬間。写真を見るたび、その時々の幸せな想いがよみがえってきます。

パパやママに大切にされてる。そんな感覚。

子どものうちに、たくさんそんな幸福感を味わってほしいと思います。

時には子どもと本気で向き合うことも

我が家に遊びに来る子ども達。6年生のある子が言いました。

「修学旅行も終わったし、あとの楽しみは、スキー教室と新藤さんとこで遊ぶことだけだな」って。

家に来て遊んでいく子供たちは、みんな楽しそうです。幸せそうです。

なぜ、うちがそんなに楽しいか。

それは、やっぱり、温かく見守っているからじゃないかと思います。よっぽどのことがない限り、あれこれ禁止することもないし、基本的に、子ども達が遊びたいように遊ばせています。ありのままの子供たちを受け入れます。

どうしても、元気が有り余って大変な時は、受け止めきれないこともあるので、時間があるときは連れ出して、広いところで自由に遊ばせます。

そして、私たち自身、子ども達と関わることを楽しんでいる姿を見せてきました。基本的には、子どもたち同士で遊ぶのをただ見守ってるだけですが、たまには、本気で子どもたちと遊ぶこともあります。子どもに、「新藤さんすげえ~!」って、言われるくらい、子どもに負けずに木登りするし、よく飛ぶ紙飛行機作るし、かけっこで、絶対負けないと、むきになって走ることもあります。腕相撲も負けません。子どもだからと手加減しません。

でも、人を傷つけるようなことをしたときは、本気で向き合います。本気で、「あなたのことが大切なんだ」と伝えます。

子ども達は、本気で自分たちのことを心配してくれているのか、大人の都合だけで怒っているのか、ちゃんとわかっています。本気で自分たちと向き合ってくれる人のことは、尊敬してくれます。

「おれも、大人になったら、こんな大人になりたいな」って、思ってもらえるように、日々、子ども達と関わっています。

子どもの幸福感は、そんな大人のかかわりの中で学んでいくんじゃないかと思うのです。