子どもの3間がない!~子どもの体力の低下を防ぐには

最近、子どもがちょっとしたことですぐ骨折することが多いと聞きます。文部科学省が行っている「体力・運動能力調査」では、年々子どもの体力が低下しています。原因として、子どものスポーツや外遊びの減少と、遊び場の減少、仲間の減少があげられています。「時間」「空間」「仲間」という子供の3間が減少しているからと言われています。

子どもの3間とは?

子どもの3間とは、「時間」「仲間」「空間」の3つの間のことを言います。

「時間がない」

今の子供たちは、とても忙しくなっています。高学年になってくると、学校が終わって帰宅すると4時から4時半。それから塾や習い事や部活。週に一回、部活や習い事がない日が唯一自由に遊べる日、というような子供も少なくありません。そして、そんな遊びの時間も、学校で決められている帰宅時間までには帰らなければならないので、遊ぶ時間が限られています。

「仲間がいない」

共働きの家庭も多い今、低学年のほとんどは学童保育に行ってしまいます。また、塾や習い事、部活をしている子供がいる一方で、学童保育にもいっていない、習い事も部活もやっていない子供は少数です。そうなると、放課後、友達と遊びたくても、遊ぶ仲間がいないのです。

「空間がない」

空き地がなくなり、子どもを狙った犯罪が多発する中、子どもが安心して遊べる居場所が失われて行っています。戸外で遊ぶ子ども達も、私たちが子供のころに比べると、ずいぶん少ないように思います。

加えて、公園でボール遊びしてはいけない、木登り禁止など、子どもの安全と責任問題などから、たくさんの禁止事項がとりまく子供の遊び場が多いのも実情です。

「放課後、暗くなるまで友達と遊びこむ」経験は、子ども達からうしなわれつつあります。

子どもの体力の低下

文部科学省が行っている「体力・運動能力調査」によると、子どもの体力は、年々低下しています。私たちの子供のころより、体格はよくなっているけれど、体力は衰えているのです。原因として3間がなくなっていることがあげられていますが、それはなぜでしょう?

子どもの体力を向上すると思うと、部活やスポーツ、スイミングなど、体を使う習い事が思い浮かぶかもしれません。もちろん、そういったスポーツをしている子供のほうが、運動能力は高くなっています。けれど、体力の向上のために、誰でもできることは、戸外で仲間と遊ぶことなのです。

先日、バスケットの指導をしている方と話す機会がありました。今の子供たちは、フェイントがうまくできないと。フェイントなんかは、鬼ごっこで、たくさん走り回っていれば、本来自然と身につく力ではないかと思うのです。

また、ある中学校では、運動会でスタートのピストルを打たせたら、握力が弱すぎて引き金が引けない子が多いと嘆いていました。

握力は、木登りやうんてい、鉄棒にぶら下がるなど、そういった遊びで自然についていくものです。

ソフトボール投げも、野球など、球技をやっている子以外は、遠くに投げられない子も多くいます。空き地で野球したり、ドッジボールしたり、ボールを投げられる環境がないため、ある意味仕方がないことかもしれません。

体を使わず、室内で、または戸外でも、ゲームに興じる子どもがたくさんいるのも、ゲーム機が問題というよりは、そういった子供たちを取り巻く環境が、そうさせているのだと思うのです。3間がないから、ちょっとした隙間時間にゲームで時間をつぶす。遊び相手がいなくてつまらないからゲームする。車通りも多く、外で走り回っていたら危ないと注意されるから、やることがなくなってゲームをするようになっていく・・・。

子ども達の体の使い方が下手で、ちょっとしたことですぐに骨折してしまう子が多くなっているのも、こういう外遊びの減少が原因ではないかと言われています。転んでも手がすぐに出ないで顔面から転ぶとか、体の使い方が外遊びによって培われていない他、骨を作るためには、カルシウムの他、ビタミンⅮがひつようですが、ビタミンⅮは、日光浴することで作られるビタミンです。室内でゲームばかりしていては、丈夫な骨は作られないのです。

3間を取り戻すには

現代において、子ども達に、3間を取り戻すことは難しいのでしょうか?塾や習い事をさせずに子どもたちを外遊びさせましょう、と言っても、遊ぶ場所がなければ仕方のないこと。

でも、プレーパークなら、3間のうち、「空間」と「仲間」は取り戻すことができそうです。

何かのイベントで、みんなで体を動かしましょうとか、何かを作りましょうといった、大人が用意しておぜん立てした遊びとは違い、プレーパークでの遊びは、そこに集まった子供たち同士で、やりたいことを自由にやることができる場所です。鬼ごっこするもよし、木登りするもよし。(場所によっては)穴を掘ってもよし。水かけ戦争してもよし。

今、青森県内でプレーパークが広がりつつありますが、戸外でできるところはまだまだ少ないのが現状です。今のところ、細々とやっている我が家のおうちプレーパークはそんな居場所だと思っていますが、住宅街では限界もあります。

今後、いろんな場所でそんな居場所を作っていけたらと思っています。