社会を生き抜く力は遊びを通して育っていく

これからの時代を生きていく子供たちには、これまでも、自ら課題を見つけ、考え、物事を解決していく「生きる力」が大切であると言われてきました。

そして、さらに、変化の激しいこれからの時代、いかに社会が変化しようとも、それに対応できる「社会を生き抜く力」が求められています。

「社会を生き抜く力」とは、自ら問題を解決していける力に加えて、他人と協調し、自分と違う意見を持つ他者とのディスカッションを重ねる中で、お互いの意見をどう生かしていくか、未知の問題を発見、解決していく、より、実践的な力です。

そのような力は子供時代の遊びを通して育っていくのだと思います。

答えを知らないからこそ面白い

ある日の小学校高学年の理科の実験でのこと。

その日は『物の燃え方』の単元。集気びんと呼ばれるびんの中でろうそくを燃やし、ふたをすると、火はしばらくすると消えました。さて、このびんの中で何が起こったのでしょうか?という授業。

子どもたちの中には、塾や学習教材などで、前もってやっていて、答えを知っている子が何人もいます。先生が質問すると、すかさず知ってる子は「酸素がなくなって二酸化炭素が増えたからです」と、答えます。

「じゃあ、ビンの中に空気は入ってないの?」と聞くと、

「空気はあるけど、二酸化炭素が増えたから消えたと思います。」と、答えます。

なんだか、答えをすでに知っている子は、ほかの子供たちが考える暇を与えず、どんどん先走って答えを言ってしまいます。

そんな授業風景を見て思いました。答えを知っているって、つまらないなと。

火が消えた。なんでだろう?っていう問いかけに対し、こうかもしれない、もしかしたらこうかな?って、予想を立てて考え、その考えが正しいのかどうか?自分とは違う友達の意見を聞いて、あ、そういう風に考える人もいるんだ。そうか、そうかもしれないな。でも、自分のこの考え方のほうが正しいと思うな。

ああ、早く確かめてみたい・・・

そんな面白さが、答えを知っているというだけで、なんてつまらないものになってしまうんだろうかと。

「何でだろう?」は、最高の学習意欲です。

もちろん、予習が悪いというわけではありませんが、知識として知っていることが本当に正しいのかどうか?実際に体験してみて初めて生きる力になっていくのです。

例えば、『酸素は物を燃やす気体だ』『二酸化炭素には物を燃やす力はない』と、予習していたとしましょう。

では、たき火やバーベキュー、キャンプファイヤーで、火を大きくしたいときはどうするでしょうか?

そういう体験を持ってる子は、「うちわであおぐと火は大きくなる」と、知っているでしょう。あるとき、「ふーふー息を吹きかけると火は大きくなるよ」と、答えた子がいました。

でも、知識だけの子は、「吐き出した空気は二酸化炭素だから、火は大きくならないよ」と言います。

さて、どちらが正しいでしょう?

実際にやったことがあれば、「息を吹きかけると火は大きくなる」が正解です。

ろうそくぐらいの小さな火は、風で吹き消されてしまいますが、燃えやすいものが周りにある場合、吹きかけた息の中にも酸素は含まれているし、吹きかけることにより、周りの空気も一緒に動くので、火は大きくなります。

体験を通して知っている子の話を、じゃあ、なぜそうなんだろう?って考える。知ってる知識が全てではないということを、知ることも大事なことです。

 

機械や動くものが好きな子の場合、ラジオ、ラジコン、モーター、いろんなものが、なんで動くか知りたくて、なんでも分解してしまう子がいます。その、箱の中がどうなっているのか、知りたいのです。

そういう子は、大体大人になると、エンジニアになったり、機械工学系に進むことが多いようです。好奇心が高じて、作る側になるわけです。

友達と試行錯誤すること

あるとき、庭にやってきた子供たち、たくさんの金魚をどこからか買い込んでやってきました。最初は、庭に置いてあったプールに金魚を放しました。

そのうち、「池つくろうぜ!」って、庭に穴を掘り始めました。

でも、ただ掘っただけの土では、水をいくら入れても、土にしみこんでいきます。

そこで考えた子供たち、「そうだ!なんかシートしけばいいんじゃない?」

と、言うことで、物置にあったブルーシートを引っ張り出し、土にかぶせ、水を張ります。

見事、池の出来上がり!

勝手に庭に穴掘って、池を作った子どもたちですが、その試行錯誤する姿には感心しました。友達と何人かで、やってみたけど失敗して、どうすればいいか相談して、じゃあこうすればいいんじゃないか?って、やってみる。

遊びを通して、社会を生き抜く力をつけていく子供たち。

好奇心を大事にしよう

好奇心の強い子はどこにでもいるものです。学校の中だと、好奇心がありすぎて、落ち着きのない子といわれることもあるかもしれません。

でも、好奇心が強いことは、これからの社会を生き抜くうえで、大事な力です。なぜだろう?の中に、問題を解決する糸口が見つかる場合もあります。

田んぼの中に、何か動いてる!何だろう?捕まえてみる。飼ってみる。餌は何だろう?

 

好奇心は学ぶ意欲のもと。知りたいは楽しい。知らないということは、これからたくさんのことが学べるということ。

子ども同士、たっぷり遊びこむことが、生きる力をはぐくみます。子供時代に、その土台を作っていくことが、今、子どもに必要なことだと感じます。