秋を感じよう!子どもの自然体験

青森も、山の紅葉が美しいシーズンになってきました。八甲田は紅葉がちょうどいいけど、渋滞気味ということで、昨日は奥入瀬渓流、十和田湖へと行ってきました。

自分たちのリフレッシュのためにでもあるのですが、末っ子に、まだまだ青森の自然の美しさをたくさん見て、味わって、触れてほしい。キレイな景色をたくさん見せてあげたい。春には春の芽吹きの美しさを、夏には川や海の美しさを、秋には紅葉の美しさを、四季折々に感じてほしくて、秋を感じる自然体験をしてきました。

奥入瀬渓流はまだちょっぴり紅葉には早かったのですが、それでも十分な美しさ。車もたくさんでしたが、渋滞というほどでもなく、比較的のんびりと見て歩くことができました。

他県ナンバーも多い十和田湖。全国からこうやって、たくさんの方が奥入瀬渓流や十和田湖の自然を堪能するために来ているのかと思うと、十和田に住んでいる私たちは、なんていい環境に暮らしているんだろうかと改めて思いました。

何度も訪れた奥入瀬渓流と十和田湖。それでも、何度来ても素晴らしいと感じ、気持ちいいと感じ、また来たいと思える。そんな自然が、こんなにも近くにあることは、ありがたいことだと感じます。

地域の自然を知る

「今日は紅葉見に行くよ!」

と、末っ子連れて家を出ました。最初は、友達と遊びたくて、「え~、行かなきゃだめ~?」って、面倒くさがっていた小学一年生の末っ子。

車で十和田市内から30分ほどで奥入瀬渓流へ。

それでも、いざ自然の中に降り立ってみると、ちゃんと、自然を楽しんでくれます。

奥入瀬渓流の清らかな流れのそばで、黄色や赤の落ち葉を拾い集めてみたり、

ツルがあればぶら下がってみたり、

シャクトリムシを見つけては遊んでみたり、

桂の落ち葉の甘い綿菓子のような香りをかいでみたり。

十和田湖に着いて、ご飯を食べてから湖に出ると、それまでいいお天気だったのに、うって変わって雨模様。パラパラ雨が降り出し、風も出てきました。龍神様の歓迎かしら(*^-^*)

長袖持ってきていて良かった♪

湖畔を歩いて開運の小道で、風の神、火の神、山の神、金の神、天の岩戸、日の神にお参りしながら十和田神社へ着くころには、再び雨は上がって、いいお天気に。

十和田神社では龍神様にご挨拶。

今年の十和田の秋祭りで、山車の後ろに作ってあった乙女の像があったので、本物の乙女の像を見たら、「あ!山車の後ろにあったやつだ!」って。そういうイメージなんだね。子どもって。高村光太郎の乙女の像がたたずんでいます。

湖で、しばし水と戯れ、遊びます。

紅葉も、まだ始まったばかり。それでも十分美しい。

「ここは大昔、おっきいお山だったんだよ。それが噴火して、大爆発でお山が吹っ飛んで湖になったんだよ。」と、話すと、

「え~~!!ここが山だったの?!」と、にわかに信じられない様子の息子。

下の写真は「恵比須大黒島」。この島は、十和田火山の活動の際の中央火口丘溶岩が露出したもの。

湖のそばの看板に、柱状節理のことが書いてありました。

恵比須大黒島と同じく溶岩(玄武岩質安山岩)で、岩肌の割れ目は溶岩が冷えて固まる時にできたものです。柱を積み重ねたように見えるところから「柱状節理」と呼ばれています。

確かに、ここは噴火があって、溶岩が残る場所だと、確認。湖には火山噴出物の軽石がたくさんありました。軽石は、チョークのように字が書けます。

ここからごみを拾いつつ、のんびりと歩いて戻ります。

途中、ブナの実拾って、小さなブナの実を食べてみたり、どんぐり拾い集めてみたり、きれいな葉っぱを集めてみたり。あっというまに宝物入れの袋は満杯。

ごみを拾う袋と、宝物拾いの袋は、いつも持ち歩かなきゃなって思いました。

十和田湖の子ノ口(ねのくち)から焼山までの14kmの奥入瀬渓流両岸の断崖もまた、十和田湖と同じような柱状節理が見られます。十和田湖にたまった水が決壊し、大洪水でできた地形と言われています。

十和田湖の成り立ちについては、ちょうど2017年9月2日のブラタモリで詳しく紹介していましたね。

十和田湖の帰りに、行きは車が混んでたから寄れなかった双竜の滝を探しに立ち寄りました。

道路わきにある雲井の滝から山道を登ったところにあるという双竜の滝。以前、友人から聞いていて、ぜひ一度行ってみたいと思っていました。でも、登り口がわかりません。

雲井の滝の写真を撮っていると、山から下りてくる若者集団が!

なんと、北里大学の知り合いでした!今、双竜の滝を見てきたところだと、偶然下りてきた山道を教えてもらいました。なんとついてるんでしょう♪

十和田湖でごみを拾ってきたごほうびかしらと、喜んで教えてもらった山道を登ります。

双竜の滝は、道路からは見えない場所にあって、10分ほど山登りしないといけない場所にあるのです。雨上がり、ぬかるみもあって、ハイヒールやサンダルではちょっと厳しい山道です。

途中の崖の上から眺める流れもまた、曲がりくねって龍が泳いでいるようです。

こ~んな細いふみ跡をたどりながら行くと、滝が見えてきました!

立派な柱状節理が見られる滝です。

二股に分かれているから、双竜の滝なのかな~と思いを巡らせます。

とにかく水しぶきがすごい!

数分いただけでびしょ濡れです。でも、楽しい~!!

地元の自然に触れ、何万年も前の火山の噴火に想いを馳せた一日でした。

こんなに身近に、こんな素晴らしい自然があるのって、本当に素晴らしいことです。

見たものを形に残す

さて、そうやって一日奥入瀬渓流と十和田湖をめぐってきたわけですが、滝を見て、帰るときに、息子がポツリとつぶやきました。

「帰ったら、滝の絵と、紅葉の絵描こうっと♪」

息子は、これまでもけっこう、きれいな景色を見ては、絵を描いていました。

散歩で見た、美しい夕焼けに八甲田が見える景色を見た後は、

夕焼け空と八甲田の絵を。

蔦沼に散策に行った後は、

蔦沼の絵を。

そして今回は、滝を見た後で

滝の絵を。ちゃんと、柱状節理が描かれているところがすごい。

拾い集めた落ち葉は、グラデーションに並べた後に、葉っぱのこすり絵を。

キレイだと感じたものを描きたい。そういう感性を持っていてくれることがとてもうれしい。

身近な自然を感じ、秋には秋の景色や、紅葉をキレイだと感じる。どんぐりいっぱい拾い集め、クマもこんな気持ちであっちにもある、こっちにもあるって、いっしょうけんめいどんぐりやブナの実を拾い集めてるのかなって、山の動物たちにも思いをはせる。

見たものをこうやって形に残したり、あとあと絵本で秋のお話読んだりしながら追体験する。

そういうことで、記憶が強化されて残っていくのかなって思います。

親子で体験を共有する

小さなうちは、こうやって、親子でいろんな自然体験をしていくといい。

親子で、美しい紅葉を見て、「きれいだね~!」って語り合う。

渓流のすがすがしさを、「気持ちいいね~!」って、言葉にする。

ちょっと大変な行程も、いい景色を見た後なら、「来てよかったね~!」「すごいの見れてよかったね~」って言いあえる。

キレイな夕陽を見たなら、「きれいな夕焼けだね~」

美しい虹を見たなら「虹がすごいきれいだよ!」

そうやって、一つ一つ共有していくといいんだと思います。

以前、小2の男の子が、一緒に虹を見たとき、「おれ、初めて虹見た!」って、感動していました。

小2になるまで、一度も虹が出なかったなんてことはなかったと思う。でも、きっと、虹が出てても、気づかなかったし、一緒に「きれい~~!」って、言う人がいなかったのかな~って思いました。

美しい虹も、美しい夕焼けも、実はよく見られることなんだけど、気にも留めなければあったことすら気づかないで過ぎてしまう。地域の美しい自然だって、一緒に「きれいだね!」「すごいね!」って、言ってくれる人がいなければ、ただの通りすがりの景色でしかないし、そこに感動は感じないのかもしれない。

同じ体験を共有し、一緒に感動する。

そんな関係が、小さなうちには必要なのではないのかな~と、二年生の男の子の言葉で感じたのです。

 

どうぞ、親子でたくさんきれいな景色を見に行ってください。

そして、たくさん一緒に感動してください。

今は秋。秋には秋の美しさがあります。

子どもと、秋を感じる自然体験を通じて、たくさん感動してほしい。

 

そして、最後に、引き続き、書籍化へのクラウドファウンディングの応援、よろしくお願いいたします。