4/20,21はアースデイ。青森でもアースデイ青森のイベントを、今年は小川原湖湖畔で行います。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が近頃使われはじめ、地球環境と、地球で暮らす私たちの幸せのためにできることを具体的に行動しよう!という流れができはじめています。
SDGsのために私たち一人一人に、どんなことができるでしょうか?
私達Happy Childrenは、今年もゴールデンウィークに、春の森冒険キャンプを開催します。
山菜を見つけて、調理して食べたり、小川に入って生き物探したり、草笛吹いたり、木登りしたり、崖登りしたり、火おこししたリ、焚き火したリ、暗闇探検行ったり、森で秘密基地作ったり。
自然度の高い豊かな森の中では、いろんな生き物もいて、食べられる山野草から、毒草まで、様々なものに出会うことができます。自然度の違いで、そこに生きる動植物の種類が変わってきます。
でも、例え自然に触れるのが、庭先であろうと、公園であろうと、ちょっと緑のある散歩コースであろうと、そこには自然があります。豊かさが違うので、出会えるものはぐっと少なくなりますが、それでも、小さな自然に触れ、楽しむことを、子ども時代に経験して欲しいと思っています。
お日様にあたり、風を感じ、鳥の声を聞き、時には草花を摘み、小さなその手で虫をつまんでみたり、時には殺してしまうこともあるかもしれない。でも、そのすべてが、子ども時代の一つ一つの自然体験が、よりよい地球の未来につながっていくのだと思っています。
SDGsのために、子どもたちに自然の中で遊ぶ時間をぜひ作ってほしいと思います。
SDGs(持続可能な開発目標)
SDGsには17の目標があります。
1 貧困、2飢餓、3健康、4教育、5ジェンダーの平等、6安全な水とトイレ、7クリーンなエネルギー、8働き甲斐と経済成長、9産業技術とインフラ、10不平等、11住み続けられるまちづくり、12作る責任使う責任、13気候変動、14海の豊かさ、15陸の豊かさ、16平和と公正、17パートナーシップで目標達成、という持続可能な開発目標です。
その中で、私たち一人一人にできることを考えたとき、Happy Childrenでは、やはり、子ども時代に自然に触れあう体験をしてもらうことが、SDGsの中の、6安全な水とトイレ、11住み続けられるまちづくり 、14海の豊かさ、15森の豊かさ、17パートナーシップで目標達成につながることだと思っています。
【6安全な水とトイレ】
今の日本の日常では、水道の蛇口をひねると安全な水が飲め、トイレはどこでもだいたい水洗で、衛生的な暮らしが当たり前になっています。
でも、世界を見たとき、そうでない国がまだまだたくさんあります。
今回の冒険キャンプで使うキャンプ場は、トイレは一応あるけどぼっとんトイレ、水も出ないキャンプ場です。だから、飲み水や調理用の水は水タンクに汲んでいきます。水道をひねっても水は出なくて、タンクの水を流しっぱなしで使ってしまうと、水がなくなってしまいます。
また、洗い物に洗剤を使って洗うと、周りの自然に影響を与えてしまいます。
だから、食器などの洗い物をするときも、汚れをトイレットペーパーなどでふき取ってからたき火で温めたお湯にちょっとくぐらせてふき取りして終わることで、最小限の水で、環境を汚さずに済みます。
今回はぼっとんトイレですが、山奥でトイレのないところでキャンプするときは、穴を掘って用を足し、土をかけて埋めることもあります。
最終的に土に還るように、垂れ流して近くに流れる川を汚さないように考える必要があります。
【14,15海の豊かさ、陸の豊かさ】
森と海はつながっています。きれいな海は、豊かな森で作られます。
近頃、生分解する素材でできたお皿やストローも話題になっています。いい流れだと思います 海に流れてしまうようなプラスチックの物をできるだけ使わない、ポイ捨てしないことや、マイクロプラスチックの問題もありますから、普段、買い物するにも考える必要があります。環境中のプラスチックは数百年から数千年は分解されないといわれています。
豊かな森を守ることは、地域の水を守ることです。山の木を伐り払い、大量の太陽光パネルを設置しているところもみられますが、木を切って再生可能エネルギーをと言うのは本末転倒です。
まずは、豊かな森を、そのまま残すことが大切だと考えます。森が大切だと考える人を増やしていく必要があります。
森を守りたいと思う大人を増やすには、子どものころから自然に親しむのが一番です。自然で遊んで、楽しかった。気持ちよかった。自然は美しかった。そこに住む生き物に興奮した。そんな体験が、森を守る大人を育てます。
かつて、我が家に遊びに来ていた悪ガキの一人ジャイアンが、「おれ、水をきれいにする仕事したいと思ったんだ」と話してくれたことがありました。
「お父さんと海に釣りに行くの好きなんだけど、海がゴミだらけで、おれ、こんな海の魚食いたくねえんだよ。だから、水をきれいにする仕事したいと思ったんだ。」と。
100回環境教育をするより、身近な人と自然と触れ合う方が、きっと子供たちの心の中に、この美しい自然を汚しちゃいけないんだって、心の根っこができるんじゃないかと思った出来事でした。
私達も、学生時代探検部でたくさん自然の中でキャンプしてきました。その中で、自然にインパクトを与えない山行を学びました。自分が楽しんだ自然を、子どもや、孫の代まで残しておいてやりたいと思いました。
自然体験してきた人は、きっと自然を汚す人にはならない。自分だけで生きているのではないと体感しているから。
道端にごみが落ちていたら拾いたくなる。それが海に流れていくのを知っているから。汚れた海を見て、残念な気持ちになったから。ゴミが不法投棄されて、汚れた残念な山をみて、嫌な気持ちになるから。そこに住む生き物たちの姿を見ているから。
本当に美しい海を、本当に美しい森を知っていると、きっと汚す人にはならない。
【住み続けられるまちづくり】
そういう自然体験があると、大人になり、どこか街に住むとき、そこに自然を求めたくなるでしょう。みんなが憩える公園があるか、街路樹はあるか。街づくりをしていくときに、きっと自然を取り入れたまちづくりができるようになる。
災害に強いまちづくりには、森が必要だと考えるでしょう。
山を削り、開発したことで起きる土砂災害も後を絶ちません。風が強い地域には防風林が必要です。自然と共存したまちづくりを考えられる人を育てるには、今の子どもたちに自然に触れあってもらうことが土台になっていくんじゃないかと思っています。
【17パートナーシップで目標達成】
子供たちが自然の中で遊ぶとき、たった一人でいても、実はちっとも楽しくありません。大人は、きれいだな~、気持ちがいいな~と、リフレッシュすることはできるのですが、子どもたちにとって、自然もまた全て遊びの1つです。
だから、一人じゃつまらないのです。
でも、友達がいれば、協力して何かを作り上げることもできるし、誰かがチャレンジするのを見て、できなかった子ができるようになる場面もたくさん見てきました。
子供たちが仲間同士自然で遊ぶとき、何かしら誰かと協力して遊ぶものです。
それは、一人じゃできないけど、誰かと一緒にやったらできるし、楽しいという、パートナーシップで目標を達成する小さな体験です。