子供と磯遊びを楽しもう!

運動会が終わった翌日、「どっか連れてって~!」という近所の子供たちの声に、楽しいところはないかとあれこれ見ていたら、たまたま目に入ったのがJAFの会報についてきたイベント情報の中に、『ホタテ拾いと磯遊び』というイベントを見つけました。

子どもたちは、ホタテ拾いでたくさんホタテをゲットした後は、じっくり磯遊び。ちょっと肌寒い天気だったけど、海の生き物を見つけたら、もうやめられません。ヤドカリ、カニ、魚、いろんな貝にイソギンチャクやヒトデ、ウニの殻なんかがあって、海の中はおもしろいものだらけ。

子ども連れて、どこに行こうかな~って思った時に、磯遊びも断然面白い!

今回は夏泊半島でに磯遊びと、大島の魅力をご紹介します。

磯遊びが楽しい夏泊半島

子どもたち連れて、夏泊半島に行くことに決めて、子どもたちには「8時集合ね!」と、運動会の後にお約束。

よし、子どもたち連れて、磯遊びに行くぞ!ということで、十和田から車で1時間30分。青森の夏泊半島へ向かいました。

水着を着てきて、濡れる気満々な子と、着替えを持ってきただけの濡れてもいいや、という子。足回りはクロックスや、ウォーターシューズ。

手には小さなバケツと魚網。

ホタテ拾いのイベントは、参加費200円。受付でお父さんが並んでいる間、子どもたちはさっそく海へ。

岩と岩の間の水の中に、魚やヤドカリ、カニを見つけて大興奮の子ども達。

手づかみで魚をつかみたくって頑張るけれど、小さな魚は素早くて、なかなか捕まえられません。でも、ちっちゃいカニや、ヤドカリは、いくらでも捕まえられます。

バケツいっぱいにヤドカリを捕まえた子もいたけど、ちょっと多すぎじゃない?ってことで、一旦リリースして、今度はウニの殻拾いする子も。

そうこうしてるうちに、ホタテ拾いの時間です。ホタテはあらかじめ海にばらまいておいて、それを拾い集めるというイベント。カウントダウンでみんなで一斉にホタテ拾いをします。

我先にと海の中でホタテを拾っていく人、人、人。

子供達も負けじと拾うんだけど、だんだん見つからなくなってくると、違うものを拾い始める子ども達。

ヒトデの大、中、小。見つけたよって、私の手に。

あらかた袋いっぱいとった人たちは、早々と海から上がって、おこしておいてくれた炭火で採ったホタテを早速焼いて食べています。子どもたちは、まだまだホタテを捜し歩いています。

イベントはここまで。結構上から下まで濡れて寒くなってきた子供たちですが、ホタテ拾いを終えたら、再び磯遊びスポットへ。

海の中にはイソギンチャクがゆらゆら。触ってみると、吸い付くような触感!

魚や大きなカニは、サッと岩陰に隠れてしまいます。

魚は、どうやらゴリと呼ばれている魚らしい。手づかみに挑戦するのをあきらめて、小さな魚網ですくうと、何匹もすくえてしまうので、やみつきに。

小さいものは5センチぐらい。大きいので15センチぐらいのものを見つけました。結局、捕まえた磯の生き物たちは、逃がしてやることにして、「猫のえさに持って帰る!」という子だけ、ジップロックに入れてお持ち帰りしました。

さすがに3時間ほど海に使っていた子供たちも寒くなってきたところで、おにぎり食べながら、拾ったホタテを炭火で焼いて食べました。海の塩味がそのまんまのおいしさで、うまいうまいとおかわりする子ども達です。

陸奥湾には、八甲田山に積もった大量の雪が溶けて流れ込む。その雪解け水に栄養塩がたっぷり含まれていてホタテがすくすくと育つ。だから、おいしいホタテが育つそうです。

豊かな山があるから豊かな海があるんですね。

濡れた服を着替えて、お次は大島探検です。

大島探検

夏泊崎の端から橋を渡してあって、歩いて大島まで行くことができます。大島は、カメのように見えると子ども達。確かに!!

橋を渡ると、山道の登り口が見えます。

出発!

遊歩道はあるのですが、草が生い茂って、草藪をかき分けかき分け進みます。

途中、トリカブトがたくさんのスポットや、ちょっぴりトゲトゲポイントもあって、半ズボンで来た女の子は、足が擦り傷だらけになっちゃいました。ここは、長袖長ズボンで来ることをお勧めします。

でも、途中、クルマバソウの可憐な花が咲いていたり、ウグイスの声が間近に聞こえます。

子供の背丈ほどもあるエゾニュウ群落を抜けると・・・

急に開けてきて、向こうに灯台が見えます!

一本の尾根道の両脇は断崖絶壁の海!

左手にはエメラルドグリーンの美しい海!海の向こうには岩木山も見えます!

右手を望むとこれまたエメラルドグリーンの海!映画のワンシーンのような素敵な景色に、子どもたちと、「きれい~!!!」と、感動。でも、海岸沿いを見ると、ごみが漂着していて、それだけが残念。

灯台までたどり着いたけど、中に入れるわけでもなく、灯台の周りは子どもの背丈ほどの草藪。

灯台の左奥に、ふみ跡を発見した女の子。「行ってくる!!」と、どんどん先へ。

追いかけていくと、そこには鳥居が。

弁財天と書いてあります。

みんなで祠にお参りして、祠の向こうを望むと、陸奥湾に囲まれた海の向こうに北海道が見えました!

さすがにここから先は断崖絶壁。行きたがる女の子を制止して、帰路につきます。

息をのむほど美しい景色とは、このことだな~と思うような、すばらしい景色。絶景スポットでした。帰りも、あの草藪を越えなければなりません。でも、この草藪を越えた人しか見られない絶景。

行ってみる価値は十分あります。

 

夏泊半島磯遊びと大島探検の注意点

これからのシーズン、子供を連れてどこに行こう?って思った時は、おすすめです。

磯遊びには、靴は必ず履いてください。ガラスの破片が結構落ちているので、裸足は厳禁です。小さな子でも十分楽しめます。小さめの魚網とバケツは必須。海の日差しは思ったよりきついので、日焼け止めも忘れずに。

水着や、着替えも必ず持っていきましょう。肌寒くなってきたときのために、長袖も忘れずに。

大島探検は小学生以上がおすすめです。背丈より高い草藪ですから・・・。行くなら、長袖長ズボンがおすすめです。結構な山道ですから、ハイヒールなんかでは行かないように。

それと、もう一点注意点が。

大島は、遊歩道以外は立ち入り禁止で、山野草も採取しないようにお願いします。

絶景スポット、今回は快晴の素晴らしい天気の時に見てきましたが、夕焼けもきっときれいだろうな~と、思いました。ただ、山道登るのに15分から20分。真っ暗になる前に下りましょう。

帰ってから、戦利品を焼いて食します。家族6人、満足いくまで食べられるくらい拾うことができました。ホタテ拾い、また来年もチェックだな。

 

子供が生き物と出会うとき


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週末、遊びに来た子供たちを、たまには連れ出そうと、地元の施設『駒っこランド』に連れていきました。馬もいるし、大型遊具があり、長いローラー滑り台もあり、小さい子なら、一日遊べる施設です。

日曜日はお天気も良かったので、親子連れがたくさん来ていて、子どもたちの楽しそうな声が響いていました。

そんな中、うちで連れて行った子供たち、遊具で遊んだ時間はほんのわずか。ほとんどの時間を過ごしたのは、水辺でした。

なぜ、そこでそんなに熱中していたかというと、生き物がいたからです。

子どもたちが生き物と出会ったとき、目が輝くのがわかります。

何かいた!

子どもたちの目が輝く時。それは、「いいこと考えた!」と、ひらめいた時や、友達と夢中で遊んでいる時、何かに挑戦している時、何かモノづくりや、自分の中から湧き出るものを表現している時。そして、生き物に出会った時です。

特に男の子に多いのですが、生き物に出会うと、とたんにイキイキしてきます。

この日も、水の中に何やらうごめく水生昆虫を見つけた子ども達。

捕まえるのに夢中になって、こんなに捕まえました!

誰かが水辺に裸足で入っているのを見た子どもたちは、次々水辺に集まってきます。

そうやって、水に裸足で入る子たちは、みんな生き物好きの子たちばかり。

「おれ、将来は虫の研究する人になるんだ!」と話してくれた男の子。

虫にも詳しく、「こいつ、ヒメゲンゴロウじゃないかな?」って教えてくれました。

ガムシ、ゲンゴロウ、ミズスマシ・・・この辺はみんなよく似ていて、難しい。

私たちも、うちに帰ってから調べてみたけど、おそらく大きいのはガムシ。体長1.6㎝ぐらい。お腹に空気をためています。

小さくてたくさんいたのは、やっぱりゲンゴロウの仲間じゃないかということになりました。体長1㎝ぐらいで、やたらに動きが早い。おしりに空気をためていました。

じっくり観察して、それぞれの違いを調べてみるのも面白いのです。

でも、水辺でヒメゲンゴロウやガムシを捕まえている時は、名前なんてどうでもよくって、ただただ捕まえたい。狩猟本能に目覚めた子供たちの目は、獲物を狙う目です。

あっちにもいるかな?

こっちの方がいるんじゃないか?

場所を移動しながら、たくさんいる場所を探します。

午前中いっぱい、水辺で虫探ししていた子供たち。

たまたま持ってたからのペットボトルを水槽に、ゲットした昆虫を集めるのに夢中です。

周りには遊具がたくさんあるけれど、ほんのちょっぴり遊具で遊んで、あとはずっと水辺の子ども達です。

生き物探しは面白い。動くものがいたら捕まえる。それが子供たちの本能なのかもしれません。

伝承遊び

虫探ししながらも、時々草花遊び。虫探している間に、私たちが、草笛吹いたり、タンポポの水車作ったりして見せてあげると、それも面白そう!と、やってみる子ども達。

タンポポ笛も、うまく吹けるようになって、三本の音の違う笛をトリプルで吹いてみたり。

タンポポの水車もクルクルよく回ります。

こんな小さな水面で水切りにチャレンジ!平べったい石を探して、「これ、水切りに良さそう!!」と、試してみます。水切りも、できるだけ低いところから投げる、というのがはじめなかなかできなかった子も、何度もトライしていくうちに、水切りできるようになりました。

こういった、伝承遊びも、親から子へ、おじいちゃんおばあちゃんから孫へ、友達から友達へ伝えられていく遊びです。

私たちが子供のころに遊んでいた遊びもあれば、意外と、こういう伝承遊びをしたことがないという親御さんも、結構います。でも、伝えていかなければ、どこかで途切れてしまうかもしれない、そんな遊びです。遊びの文化が途切れないように、伝えていきたいですね。

やってもいい?

水辺でずっと遊んでいると、いろんな親子がやってきます。

「水に入ってもいい?」と子どもが聞けば、

「靴脱いで、ズボンまくって入っていいよ」という親御さんもいるし、

「着替えないんだから!やめて!」という親御さんもいます。

下の小さい子が、真似して入ろうとするから、「そっちいかないで」っていう場合もある。

それぞれに、親の都合もあるから仕方がないのだけど、水に入りたい気持ちを我慢している子供たちが、ちょっぴりせつない。

そんな子たちのそばで、水の中で転んじゃったお友達もいたけど、「今日は天気よくてよかったよ!すぐ乾くから大丈夫!」って、遊んで乾かす作戦に出ました。

そのぐらい、みんな図太く、汚れても平気!って、遊べたらいいのにな~って思います。

そういう意味では、子供がいつ汚してもいいように、着替えの一つや二つ、車に乗せておくといいのかもしれないですね。

水辺の遊びは、子どもにとっては本当に楽しいものですから。

プレーパーク情報

次回の駒っこランドのプレーパークは6/9(土)10:00~15:00です。

天気がよければ外で。雨天の時には交流館にて室内プレーパークにします。

水遊びの前日はあいにくの雨の中のプレーパークだったのですが、雨の場合はこんな感じで遊べます。

屋根の下でシャボン玉したり

絵の具でお絵かきしたり

新聞びりびりで遊んだり

段ボールの滑り台や、段ボールの秘密基地作ったり

対戦して遊んだり

木工したり

工作したり。

雨でも、外に飛び出し、馬を見に行ったり、雨でも遊具で遊ぶ子どもたちもいるので、やっぱり着替えがあるといいのかもしれませんね。

天気がよければ、外でプレーパークですが、温かくなってきたので、虫たちも出てきています。着替えの他に、虫捕り網や、虫かごもって、虫探しも楽しいですね。運がよければトカゲに出会えるかも。もちろん馬もいますしね。

 

十和田市立ちとせ小学校の校庭で、毎週水曜日、放課後プレーパークも5/30(水)から始めます。

雨天中止ですが、15:30~17:45まで開いています。

LINE@始めました。

プレーパーク情報など、

随時配信いたします。

友達追加して、スタンプをなにかひとつ

送ってくださいね。

友だち追加

こちらから、プレーパークで使う消耗品や、おうちプレーパークで子どもたちのおやつなど、物品支援で応援して下さる方もよろしくお願いいたします。
https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/15O2SIMUCN9EO?&sort=default
 

春の森冒険キャンプ2018~2日目~秘密基地とアドベンチャーコース

冒険キャンプ二日目、秘密基地を作り、アドベンチャーコースを歩いた子供たち。

森の生き物に出会い、山菜を採りました。普段は便利な暮らしをしているけれど、ちょっと不便な環境で、ちょっと困難にチャレンジしたり、そこに息づく命を感じたり、そういう体験が子どもの生きる力をつけていくのだと思っています。

春の森冒険キャンプ二日目の朝。

夜はぐっと冷え込み、朝も早くから起きてきた子供たちはブルブルしながら、焚き火の前へ。火って、ほんとうにありがたい。朝露に濡れた靴を乾かしながら、焚き火の前で温まる子供たち。

ダッチオーブンには酒田さん作のパスタ、スペアリブとジャガイモと玉ねぎのマーマレード煮が。

パンと、昨日の残りと、ダッチオーブン料理をいただきます!

二日目も、ここからスタートです。

秘密基地を作ろう!

高校生のお姉ちゃんの指導?の下、子どもたちが枝を集めてきて、秘密基地づくりが始まりました。

いい木、見つけたよ~!

中は、子どもが立って入れる高さです。広さも十分。

バズーカ発見!

木を一生懸命集める子、遊んでばっかりで戦力にならない子、集めてくるのに飽きちゃった子、いろんな子がいるけど、それぞれが、ちょっとづつ手伝ってだんだん形になっていきます。

その頃、大人は大人で、子どもたちとは離れた場所に大人の秘密基地を作っていました。

大人は、木を組んだり、ちょっと本気モードです。

自分たちの秘密基地づくりにちょっぴり飽きてきた子供たちが、大人チームの偵察にやってきました。

大人の秘密基地を見て、子どもたちの第一声。

「大人、ずるい!」「道具使うなんて、ずるい!俺たち、枝だけで作ってるのに!」

そう。大人は、麻ひもやナイフを使って、木を切ったり、結わえたりしていたのです。

ブーブー言いながらも、子ども達の秘密基地も、どうやら完成したようです。

アドベンチャーコースは未知の道

秘密基地作りの後は、みんなでアドベンチャーコースへ出発!

原っぱから森に入るところから、すでに笹に覆われているアドベンチャーコース。

早速見つけたのはカラマツの木。

新芽の柔らかい枝先をぽきんと折って、中の髄(芯)を抜くと、ふにゃふにゃのネックレスになります。頭や首にカラマツの飾りをつけた彼は、この先「神様」と、みんなに呼ばれるようになりました。

「あなたの落としたのは、いいジャイアンですか?」っていう、池の神様みたい(笑)。

カラマツのネックレスつけて、再び笹やぶに突入。小さい子は、背丈ほどもある笹やぶ。前の子が歩いた後に行くと、顔にバシバシ当たるので、笹やぶではお姉ちゃんに抱っこされて、先へ進みます。

笹に覆われ、道がわからなくなっています。「こっちだ!」

前の人を見失うと、迷子になりそうな、そんな笹やぶをこいで進みます。

しばらく行くと、林床に笹やぶがない、開けた森に出ました。

枯葉に覆われた林床はふかふかで、森の新芽は淡い黄緑色。鳥の声を聞きながら、さわさわ枯葉を踏みしめ歩くのがとても気持ちのいい森。

森を抜け、林道を歩いて行った先に、前の晩暗闇探検行ったときに見つけた青い小屋があります。昨日は暗すぎて、青い小屋まで行けなかった子供たち。青い小屋に行くぞ!と、張り切っています。

森の先に見つけたのは、なんだか、人が管理しているような小屋と、魚が入ったいけす。

「東北ホタル愛好会」の看板が。

水車小屋まであって、何年もここのキャンプ場に来ているけど、こんなところにこんなのがあるなんて、全く知らなかった・・・。今回は大発見の多いキャンプです。

謎の小屋を確認した後は、これまた初めて通るコースで、田んぼの脇を通りながら、戻ります。きっと、こっちからも行けるはず。

途中、草笛をお姉ちゃんに伝授してもらい、みんなで草笛の練習も。

草笛、ふけるようになったよ!

「網ちょうだい!」と、何か見つけた子がすくったものは・・・

オタマジャクシ?水の中に、たくさんいました。

木を渡って歩きます。

コゴミも、ちょうどいい感じの場所がありました。

そして再びスナヤツメのいるスポットへ。

スナヤツメ探しているうちに、泥沼にすっぽりはまる神様。

助けに行くと、ミイラ取りがミイラになる、泥沼スポット。

みんな泥沼にはまっています。

ここでも再びスナヤツメを二匹ゲットし、満足して戻る子ども達。

ここまで結構な距離を歩いているのに、帰る途中で再び崖に登って粘土を採る子ども達。すごい体力です。

森の生き物、森の恵み

キャンプ場に先に戻った子ども達。何やら騒いでいます。

どうやら、トカゲを捕まえたらしい。

ところがこのトカゲ、捕まえた子が「うちに連れ帰って飼いたい」と、言い出したことで、ケンカになってしまいます。

「森に返したほうがいいよ。森の生き物なんだから、森に返さなきゃだめだよ」っていう子と

どうしても連れて帰りたい子。

とにかく、無理やり逃がしてやろうとしていた子に、まずは、かごに入れて、じっくり観察させてあげようよ。ということで、しばらくそっとしておくことに。

そうしているうちに、森の向こうでは「ヘビ!!」という声が。

草むらの中にいたのはアオダイショウ!

スナヤツメも、子どもたちは最後の最後まで「うちに連れて帰って飼うんだ」と意気込んでいた子供たちですが、迎えに来た親御さんの説得の元、トカゲもスナヤツメも、森に帰してやることを了承した子供たち。

飼いたい気持ちが大きかったのに、お世話する難しさや、本来、森の生き物たちは森にいたほうがいいんだということや、絶滅危惧種で、数が少なくなっていて貴重なものであるということや、いろんなことを考えて、最終的には逃がしてやるという決断ができた子ども達。いっぱい心の中で葛藤したんだと思います。

「バイバイ」小さな声が聞こえます。

森の中には、生き物の他、森の恵みがたくさんありました。タラの芽や、ヨモギ、コゴミ、タケノコ、おいしく食べられるものの他、クロモジの葉っぱはお茶に。

クロモジは、柑橘系のさわやかな香りがします。枝は和菓子のつまようじに使われます。その香りにはリラックス効果があります。

症状によってさまざまな使い方ができる植物で、お茶として飲むと、胃腸やのどの荒れを改善し、濃く煎じた汁を肌に直接塗ると肌荒れを鎮め、入浴剤として使うと冷え性の改善につながります。

樹皮や葉に含まれるテルピネオールとシネオールには抗炎症作用があり、これらの成分が胃腸やのどの炎症に効くとされています。

テルピネオールには抗アレルギー作用もあり、抗菌・殺菌作用のあるリモネンとの相乗効果で、煎じ汁で肌を直接洗うと水虫などの症状が改善するとされています。

また、森の中には、食べられるもののほかに、毒草もあります。

左の白い花のニリンソウは、山菜として美味しく食べられるものですが、同じ場所に生えている右のトリカブトは猛毒です。葉っぱの形がとても似ていて、しかも、生えてきたころの若葉はそっくりなので、間違える方も多いようです。ニリンソウをとるなら、花のついたものを採るなら、間違いはなさそうです。

また、ウルシとタラの芽も、春先芽吹いた若芽はよく似ていますが、タラの木にはトゲトゲがあり、トゲトゲのないのはウルシですので間違えないように。

上はウルシ。下はタラの芽。

見分け方は、トゲがあるのがタラの木。

タラの木によく似ているもので、ハリギリというのもあります。ハリギリもおいしく食べられます。そして、トゲはタラの木よりも大きく鋭い。下はハリギリ。

タラの芽には、葉酸やカリウムが多く含まれているため、妊婦さんにおすすめです。高血圧、むくみ予防、疲労回復などの効果もあります。

ハリギリには、関節炎、できもの、皮膚病などの炎症疾患に優れた効能があり、肝臓疾患、鎮痛作用にも優れていて、腎機能の強化にも。

コゴミは、アクが少なくくせもないので、とても食べやすい山菜です。茹でて胡麻和えにするとおいしくいただけます。

とびぬけて多い栄養素はないのですが、ビタミンA、ビタミンB群(ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維などを含みます。βカロテンやビタミンEには、抗酸化作用により病気や老化の原因となる活性酸素の発生を抑える作用、免疫活性作用、発がん抑制作用があります。ビタミンCにも抗酸化作用の他、コラーゲンの合成を助け皮膚のシミやシワを防ぐ作用、ストレスに対抗するホルモンの生成を助ける作用があります。

自然にインパクトを与えず、自然を楽しむこと

春芽吹く様々な植物の新芽には、たくさんのエネルギーが詰まっています。

来年もまたとれるように、採りすぎない程度に山の恵みを少しいただくことで、体にもエネルギーを取り入れることができます。

タラの芽なんかは、欲張って脇芽も全部取ってしまうと立ち枯れてしまうので、脇芽はちゃんと残してあげなければいけません。

森の生き物は観察したら森に返し、山の恵みは採りすぎない程度に美味しくいただく。

そうやって、山の命の循環を人間の手で断ち切らないようにするということも、伝えていかなければならないことだと、改めて感じます。

ここのキャンプ場は水が出ません。

だから、持ってきたお水は、とても貴重です。無駄に流しっぱなしにしない。森にインパクトを与えないために、食器は一度トイレットペーパーで汚れをふき取り、軽くお湯や水でゆすぐ。自然の中で、謙虚であること。そういうことも、体験してほしかったことでもあります。

 

春の森で冒険キャンプ2018(一日目)

ゴールデンウィーク後半の子どもの日は、春の森冒険キャンプでした。

森で遊び、木に登り、秘密基地を作り、芽吹いたばかりの山菜を採る。崖を登り、笹やぶをこいで、川に入り、生き物を見つけては捕まえる。火おこししてたき火をし、夜の暗闇探検に、満天の星空を見る。そんな体験をした子ども達。

今年はどんな様子だったのか、紹介していきます。

森に親しむ

キャンプ場に到着後、自己紹介の後は、しばらく森で遊びます。

ロープの綱渡り

ロープのブランコ

ハンモック

綱渡りも、はじめは「できない」って言ってた女の子も、みんながやってるのを見て、やっぱり挑戦!ちゃんと、一人で渡れるようになりました!

みんなが森で遊びながら仲良くなったところで、みんなでお昼ご飯を食べてから森の探検へ。

森の探検で見つけたもの

キャンプ場から下の森へ降りていく途中のツルにぶら下がったりしながら、どんどん下りていきます。

粘土のとれる崖に、みんなでよじ登ります。落ちると泥だらけ間違いなしのその崖に、子どもたちは全員チャレンジします。

おしりが泥だらけになろうが滑り降りる子も。

そうこうしてると、崖の横の草地から上に登って、上から雄たけびを上げる子も。

しばらく崖登りにチャレンジした後は、さらに下へ。

水たまりの池に着くと、カエルの卵がいないか、探す子供たち。長靴の子も、靴の子も、靴の中が水没していきます。

カエルの卵発見!!と、思ったけど、なんか違う?

後で調べたところ、これは、トウホクサンショウウオの卵のようです。準絶滅危惧種です。

手に取って、「うへ~~!!」ってしていると、後ろで「ここにも卵あるよ!!」という子供の声。

振り返ってみると、そこには確かに卵が!

普通の卵!?なんでこんなとこに?何の卵?

「オレ、この卵あっためる!!」そういう彼は、ずっと大事そうにお腹に卵を抱て歩くことに。「卵からかえって、初めて見た人をお母さんだって思うんでしょ?」そう言いながら。

流れている川に入ってみると、「なんかいた!ドジョウ!!」生き物を見つけた子供たちは、獲物を捕らえるハンターです。

「捕まえた!!早く入れ物ちょうだい!!」

捕まえて、入れ物に入れて観察してみると、なんかドジョウと違う。顔の横に黒い穴が七つ。尾ひれもひらひらしている。ヤツメウナギかな?

調べてみると、ヤツメウナギの仲間のスナヤツメらしい。絶滅危惧種になっています。

水が足りないかな~と、お水を足してあげる子ども達。

口が吸盤のように吸い付いています。調べてみると、スナヤツメは、一生のほとんどを目を開けずに過ごしていて、目を開けた状態でいるのは、生後4年目の秋から初夏の産卵の時期までのほんの半年程度だそう。目の空いているスナヤツメを見られるのは貴重なんだそうです。見て見ると、ばっちり眼を開いています!

捕まえたら、子どもたちは「家に持って帰る!」と、張り切っています。「こっちのでかいのはオレ捕まえたやつな。」「こっちはオレのだ!」って話していましたが、最終的にはリリースしました。

みんなが川に入ってスナヤツメ探しに夢中になっている時、川に入りたくないという子は、お兄さんと一緒に、竹の子採りをしていました。

深みにはまって、腰まで水に浸かった子もいました。みんな長靴の中は水がガッポガポです。

靴もズボンもみんな濡れてしまったので、キャンプ場に戻って着替えることにします。

火おこし体験

キャンプ場に戻り、着替えも済んだところで、遊び始める子ども達。広~い原っぱで、野球にキャッチボール。

野球が初めての子も、みんなでキャッチボールしていくうちに、だんだん上手になっていきます。今は、遊びの中で野球できるような空き地も少なく、クラブチームに入っているような子じゃないと、野球ができない環境なのかもしれません。今は、スポーツテストで、ソフトボール投げでボールを遠くに飛ばすことができない子も結構いるようです。ボールを投げる。そんな経験も、ここなら思う存分できます。

キャッチボールも様になってきました。

こんな、野球の最中、森で拾った卵を、お腹にくくりつけて温めていた男の子がいましたが、遊んでいたら、案の定、卵を割ってしまいました・・・。

「中身は普通の卵だった・・・」と、男の子。でも、そんなハプニングも、想定内(笑)。

そんな中、焚き火でマシュマロを焼いて食べるため、火おこしに挑戦です。使うのはファイヤースターター。火花を出して、燃えやすいものに火をつけていくものなんですが、これがまた、なかなか難しいのです。火花は出せるんだけど、なかなか火を起こすところまでできないのです。

もうちょっと!!

それぞれ、みんな挑戦したんだけど、なかなか火をおこせなくって、もう無理じゃない?って思い始めたとき、お父さんの登場。

ここからにわかに子どもたちのやる気にも火が付き、とうとう、この後、子どもたちだけで火をおこすことに成功しました。

火種の上に小枝を乗せて、ちょっとづつ太い枝も乗せて、せっかく作った火種が消えないように仰ぎながら、だんだんいい火になってきましたよ。

火がおこせたら、マシュマロ焼きです。

子どもたちの間から、長い枝で焼くお父さん(笑)。

晩御飯の支度も子どもたちで

お腹もちょっぴり満たされて、デイキャンプで帰る子もいるので、早めに晩御飯の支度にとりかかります。

焚き木を切る子。

火の番をしてくれる子がいるので、焚き火の方はお任せして、調理を始めます。

一人手伝い始めると・・・

次々お手伝いしたい子が集まってきます。ゴボウはナイフで削ってもらいます。

一年生で、ナイフが初めてだって、コツを覚えたら、上手に削れます。

こちらはナイフの扱いに慣れている二年生。鉛筆削りのようにゴボウを削っています。

「もっと切るものない?」と、みんな積極的です。

焚き火の上ではダッチオーブンの中でタケノコの蒸し焼きができています。細いタケノコなので、むいてしまえば、食べられるところはほんの少しなんですけどね。

ダッチオーブンでみんなが刻んだお野菜を煮込んでいる間に、採ってきた山菜を天ぷらにしていくのはお母さんチーム。

タラの芽、ヨモギ、山ぶどうの芽、ボンナ。

揚げたてに塩を振って、つまみ食いに来るこもチラホラ。

もう一つのダッチオーブンの中では、ハーブチキンがいい感じに火が通っています。

おみんなでお野菜刻んだお鍋は、せんべい汁に。そして、みんなでいただきま~す!

後で合流したキャンプの達人、酒田家のお姉ちゃん。なんと食後のデザートにクレープを焼いてくれました。フライパンはダッチオーブンのふた。

美味しいクレープ、自分でトッピングして、子どもたちも大満足♪

夜の暗闇、満天の星空、焚き火の温かさ

食事の後は、夜の暗闇探検にでかけます。暗闇探検なので、写真はありません。みんなドキドキしながら、懐中電灯片手に一回り歩いて、戻ってくると、そこにキャンプ場の焚き火の灯りが見えて、なんだかホッとします。焚き火は、冷えてきた体も温めてくれます。星も出てきました。

ちょっぴり眠いんだけど、まだ寝たくない子供たち。

たまたま、「車に花火がついてるよ」というママがいて、季節外れの花火を楽しむことができた子ども達。

最後は線香花火対決!

でも、ここらで子どもたちも限界です。みんなでテントに潜り込み、おやすみなさいの時間です。うまく写真にとれなかったのですが、満天の星空。放射冷却でぐっと冷え込んできました。