来年11月ごろをめどに、本を出版することを決意し、今は、クラウドファウンディングで皆さんに応援をお願いしています。10/20日現在、62000円(プラス手渡しで6000円)の応援をいただいています。快く応援して下さった皆様、ありがとうございます。
ただ単に、悪たれ達のひどいいたずらの数々を面白おかしく本にしたかったわけではありません。彼らとの関りから気づいた、子どもの心と、そんな子供たちに大人たちがどう関わっていったらいいのか、私たちの短い経験の中から学んだことを、皆さんの子育てに生かしてもらいたい。そう思ったからです。そして、本を出版することで、こんな風になったらいいなという未来像があります。それは、人が人を信頼できる社会にすることです。
本を出版しようと思ったわけ
本を出版しようと思ったのにはわけがあります。
今の子ども達の遊びの環境に3間がなくなったと言われています。
遊びの空間、遊ぶ仲間、遊ぶ時間。
空き地はないし、家の前もすぐ道路。ボール遊びはできない。
塾や部活、習い事に行ってる子も多いし、両親共働きが多くて、みんな学童保育や仲良し会に行ってる。遊びたくても遊ぶ仲間がいない。
そもそも、子ども達が忙しすぎて自由な時間が極端に少ない。
子どもは、人と関わり合う中で、社会力をつけていく言います。「社会力とは、人と人とがつながり、社会を作る力である」と、門脇厚司(筑波大学名誉教授)の本にあります。
社会力とは、よりよい社会を作っていくために、自分で考え、行動できる力です。
社会力は、生まれたばかりの赤ちゃんにも備わっている力で、母親と関わり、まねることで、社会力をつけていきます。その後も、大人と関りながら様々な体験をしていく中で育ち、強化されていく力です。
結果として、他人の気持ちを理解できるようになったり、社会に役立つ力をつけていくのですが、そこには、友達だけじゃなく、大人の関りが必要だというのです。
近所の子が、なんだか今日は元気なさそうだなとか、いつも挨拶したり、話をしたり、目にしているからこそ変化に気づける、そんな大人がそばにいたなら、もしかしたら、いじめや、自殺、少年犯罪も防げるのかもしれないと思うのです。
本を出そうと思った背景についてはこちらの記事でも書いているので合わせてご覧ください↓
人は信頼できるという社会
10/20放送の世界一受けたい授業で、幸福先進国、デンマークのことをやっていました。その最後に、デンマークは人に対する信頼度が高いという話がありました。ちょっと買い物に行ったり、食事をしている間、赤ちゃんをベビーカーで店の外に置いておく、ということも普通のようで、驚きました。
「誰かに赤ちゃんを取られるかなんて、そんな心配はしないよ。だって人を信頼してるから」と、当たり前のように話す夫婦の笑顔が印象的でした。
ところで、デンマークといえば、冒険遊び場(プレーパーク)の発祥の地でもあります。そして、森の幼稚園も実はデンマーク発祥の地なのです。
また、デンマークの育児の手段をPARENT呼んでいます。ここでいうParentは英語の意味「両親」ではなく、下記に見る通りそれぞれ別な意味をなしています。
PARENT: (カッコ内はデンマーク語)
P= play (Leg)遊ぶこと
A=Authenticity (Autencitet) 信頼するに値すること
R=Reframing (デンマーク語訳?) 視点を変えること(楽観的にとらえる)
E=Empathy (Empati) 共感、感情移入(正直である)
N=No Ultimatums (ingen Ultimatummer) 決定的ではない(法律やルールは絶対ではない・・・疑問を挟む余地がある)
T=Togetherness ( Hygge) いっしょに楽しく過ごすこと(家族団らんなど)
子供のおもちゃでレゴは皆さんも知っていますよね?Lego社の名前は良く遊ぶ( leg遊ぶgodt良く)からきたものです。デンマークの7週間ある夏休みには宿題はなく、クラブ活動もありません。デンマークでは子どもたちは遊びを通して夢を育て、それを持って新たな社会を創る、そのためには遊ばせることが大事だという考えが根付いています。
各国において50ユーロと持ち主の名前と住所を入れた100個の財布を道路に捨て、何個財布がその持ち主に戻るか、実践したところ、全体として100個の内、戻った数が56個(56%)で国別でみるとアメリカ67%、イタリア35%、デンマーク100%持ち主に帰ってきた、という調査結果があるそうです。
子どもは遊びを大事にされ、大人からは世界は信頼できるものだと教わって育つ。だから、デンマークの国民の幸福度は高い。
税金も消費税25%と高いが、その分教育費は大学まで無料。医療費も無料。そして、出産費も無料。保育施設利用料の2/3は国がまかないます。さらに介護も行政がおこなうため、まさに”死ぬまで無料”が続きます。貧困率は先進国で一番低い。
デンマークの教育の特徴は、”小さい頃から親や先生に「あなたはどうしたいの?」と問われながら育つ”といいます。
特に、どの文献にも書いてあるわけではないのですが、その根っこにあるのが、森の幼稚園や、冒険遊び場のような気がするのです。
冒険遊び場や森の幼稚園は、子どもの自主性を尊重します。自分がやりたいことを見つけ、失敗しながらも、自分はどうしたいか、あきらめずにチャレンジしていくことができる遊び場です。そこには信頼できる大人がいて、子どもの可能性を信じ、見守ります。そこに、人への大きな信頼感が育まれていきます。
森の幼稚園は1950年にデンマークで始まり、冒険遊び場は1943年。今から74年から67年前。
人と信頼関係を築いて育った子供たちが、今は大人になっています。
人は信頼できるものだという感覚は、大人とのかかわりの中で育っていくものだと思うのです。
今の日本人の幸福度はというと、世界155か国のうち51位という低さ。自殺率はワースト6位。自己肯定感は先進国7か国中最下位。
ある、中学生の先生の話では、自己肯定感の低い子供たちの共通点があって、「全部、親が決めて、ことごとく手を出しているので、子ども自身の考えがまるでありません。何を聞いても、『親がそうしろって言ったので』と答えます。」と。
逆に、自己肯定感が高く、とりわけ明朗活発なある学生は、「うちの親は、『あなたはどうしたい?』といつも聞いてきました。『友達が塾に行くから、私も行ったほうがいいかな?』と聞いたら、逆に、『あなたはどうしたい?』と聞くし、小学生の頃、学校に着ていく服も、1年生の頃から、『あなたはどうしたい?』と私に選ばせていました」
子どもの頃から、自分で考え、自分で決めて、行動してきた人は、気持ちよいほど、前向きです。「自分で考え、自分でできた」体験を積み重ねていますので、何か困難なことに出合っても、「きっと、自分ならなんとか乗り越えられる」と考えます。これは、すばらしい「自己肯定感」です。
そして、この、「あなたはどうしたい?」は、相手を信頼しているからこそ出る言葉です。「あなたはどうしたい?」は、「あなたの決めたようにしていいんだよ。私はあなたを信頼してるから。」というメッセージなのです。信頼されることが、自己肯定感を育むことにつながります。
人を見たら泥棒と思え、知らない人に声をかけられたら不審者だと思え、人は人、自分は自分、そんな社会の中では人は信頼できるという信頼感が育つとは思えません。
プレーパークでは、「自分で考え、自分でできた」経験を積むことや、失敗を恐れず挑戦することを応援します。「で、あなたはどうしたいの?」と、子どもにゆだねます。子どもの可能性を信頼しているから。
私が望むのは、そんな、人が人を信頼できる社会。
本を出すことで未来は変わるか?
自分で関われる子供たちのことは全力で信頼してあげられる。でも、全ての子供に目をかけてはあげられない。
だから、本を出すことで、子育ての中、「あなたはどうしたいの?」って聞いてくれるような、子どものことを信頼してくれるような、そんな大人が、地域に増えることを願っています。
若者の自殺率を下げるとか、自己肯定感を上げるとか、特に考えてはいません。ただただ、子どもを信じて見守る。その中で、子どもの中にある可能性は伸ばしてあげたい。もしかしたら、結果として自己肯定感があがったらうれしいですけどね。
すでに応援くださってる方、クラウドファウンディングの応援、ありがとうございます!
そして、残り二か月を切りました。引き続き応援よろしくお願いいたします!