十和田市の秋祭りも、連日30度を超す暑さの中終わりました。
この日まで、夏休み中から1か月間、ほぼ毎日練習してきた子供たち。
本当によく頑張りました。
こうやって参加してきた子供たちは、お祭りの高揚感から、また来年も参加したいと思うようになり、中高生になっても参加してくれる子がたくさんいます。
また、地元を離れて就職した子も、秋祭りの時に顔を出しに来てくれる子もいます。
こうやって、子ども達の心の中に、「ここがふるさとだ」というふるさと感が根付いていくのだと思います。
厳しい練習
お祭りが始まる一か月前から、お囃子の練習が始まります。
夜19時から20時半までの1時間半。お盆休みをのぞいて、毎日練習します。
野球やバスケ、サッカーなどの部活を終えてからお囃子の練習に駆け付ける子もいます。
暑いし、へとへとだし、お腹もぺこぺこのはずです。
それでもやりたくて練習に参加するのです。
指導者は、優しくもあるけど、厳しいです。あいさつや礼儀には特に厳しい。
中高生には、小学生の面倒を見るように指導するし、小学生のお手本となるようにしっかりしろと、中高生には特に厳しい。
でも、そうやって一か月間やってくると、子ども達も練習中はびしっとしています。
そうやって迎える本番は、みんなにとっての晴れ舞台です。
いよいよお披露目!
秋祭り前夜祭。この日はだし小屋で、小さなお祭りがあります。地域の子供会や、町内会の方たちが焼きソバや焼き鳥などの出店を出してくれます。そして、一か月間練習を重ねた私たちは、ここで地域の方にお披露目します。
市長さんや、議員さん、小、中学校の校長先生、たくさんの来賓と、お父さんお母さんたちの前でお披露目します。
お披露目が終わると、だし小屋で参加者の子ども達は焼きソバやジュースをもらいます。
いよいよお祭り!!
お祭りの日の朝。
女の子たちや、お母さんたちは、髪をセットするため、集会所に早くから集まります。
お団子にしたり、編み込みしたり、お化粧したり。手の空いたお母さんや、上手な中高生が、やいやいと祭り支度をしています。
そして、祭りの待機場所まで、小学生を並ばせて、その前後と間に中高生の太鼓や笛の子たちがはさまって、安全に気を配りながら引率していきます。
待機場所についたら、トイレに行きたい子を順番に中高生が連れていきます。
子供たちに鼻白塗ったり、女の子たちに口紅塗ってあげたり、小学生の世話をするのは中高生。
こんな時の中高生は、とても頼もしいお兄さんお姉さんなのです。
そんな娘と笛で一緒に出られるのも実はうれしい。笛の腕前は娘の方が上です。
母たちと、もう働いているお姉さんの笛チーム。
夜間運行の前に、小学生の小太鼓の子たちを連れて、出店を回って、買い物させたりもします。
一回りしたら、薄暮運行の始まりです。
夜間運行は、テンションがひときわ上がります。
十和田の祭りは、雨の祭りと言われるくらい、毎年雨が降るのですが、今年は真夏のような暑さ!
暑すぎて、みんな体力を奪われていきます。
水分補給に気を配ったり、とにかくみんなの体調を気遣う大人たち。
3日間、無事に終わり、本当に良かった。
実は末っ子、一ヵ月頑張って練習したのに、二日目の午前中に友達と炎天下遊んでいて熱中症に。残念ながら、3日のうち、初日しかお祭りに参加できませんでした。
何があるかわからないのが子ども達です。
ここがふるさと
よく、お祭りに参加してみないと、その良さはわからないと言います。
それはその通りだなと思うのです。
まだ、祭りに参加していなかった頃は、出店を見て歩くのだけが楽しみで、山車なんか、ちょっとしか見なかったものです。
でも、今は、祭りにがっつり参加してみて、指導者の方や、山車を作っている人たち、地域の方たち、その他のたくさんの人たちが関わって、子ども達を楽しませようとしてくれていたり、子供たちに怪我がないように気をつかってくれていたりしてくれているのが見えて、祭りというものが、大人にとってもふるさとの誇りであるし、祭りを通して、ここが好きなんだなって言うのをすごく感じます。
ここに戻ってきたい。そう思わせてくれるのは、やっぱり、こういうお祭りや、お祭りを通したつながり何だろうなって思います。
学校ではうまくいっていない子も、ここで活躍する子もたくさんいるし、ここが居場所になっている子もいるんだろうな~と思うこともあります。
ここは、誰もがお祭りという一つのことに対して平等で、誰もが、必要とされる存在。
そんなことも感じたお祭りでした。
お祭りの後の帰り道。
八甲田に沈む夕日を眺めながら、ああ、ここが、今の私にとっての故郷になったんだな~って思いつつ、自転車をこいで帰りました。
お祭りが終わって、灰のようになり、体にはどっと疲れが出ていますが、来年も出ようと心に誓うのでした。