子どもたちの幸せとは


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子どもにとっての幸せとは何でしょうか。

①衣食住が保証されていること

②安心できる居場所があること

この二つは最低限必要なことではないでしょうか。これらが満たされたうえで、

③自分で意思決定ができること(やりたいことを自分で決めてやれること)

④自由であること

そして、

⑤生きている実感を持てること

なのではないかと思っています。

子供の幸福度の調査

ユニセフによる子どもの幸福度の調査によると、

「身体的健康」は1位

一方、「精神的健康」は、37位と調査対象国中ワースト2位でした。

ユニセフレポートカード16

データを詳しく見ていくと、

15~24歳の自殺率は、先進国ワースト1位だし、殺人による死亡率が最も低いわりに、「困った時に頼れる人がいる」と答えた成人の割合は、下から10番目でした。

そして、子どもの自殺の原因について、文科省の調査によると、いじめよりも、家庭の不和、精神障害、進路問題が多く、一番多いのは理由が「不明」という、これといった理由が見つからないケースが半数を超えています。

子どもの自殺 初の400人超 不登校は19万人以上で過去最多

児童生徒の自殺の現状と予防のための方向性

自宅で安心感が得られないと答えた子の幸福度は低く、すべての国で、「サポートしてくれる家族関係である」と答えた子どもは情緒的幸福度がより高い傾向が見られた。

これには貧困も大きく関わってくるようです。

貧困の解決が子どもたちの幸福度を上げることにもつながることは確かですが、助けてと言える人がそばにいるか。そういう関係性が周りにあるか。困ったときに相談できる人、サポートしてくれる人が周りにいるかどうかも大きいと思います。

生きている価値を見出せない

「人生が空っぽに感じ、生きている価値を見出せない」というような、無力感、未来への漠然とした不安を抱えている子も少なくない。

不安という意味では、コロナによる未来への不安、環境悪化による未来への不安を感じている子もいると思う。

気候変動が改善されない限り、子どもを産みたくないという若者が出てきているというのも、未来への不安から。

そういう漠然とした不安を抱えながら、人との関わりが希薄になり、必要とされる実感が得られにくい現代の社会が背景としてあるのではないでしょうか?

自分は生きている価値がある。生きてていいんだ。そう思える時って、どんな時でしょう?

誰かに必要とされたとき。誰かにありがとうと言ってもらえた時。そういう、他者によって自分の価値を認める時。

もう一つは、自己肯定感や自己効力感のように、ありのままの自分を認めているときや、自分はやれるんだ!というような感覚を持てる時。つまり、自分が自分の存在を認める時の二つあります。

自分がやりたいことにチャレンジして、小さくても、成功体験があるとき。何かしらやった結果が見えた時や、誰が何と言おうと、これをやりたい!やってよかった!というような、自分の内側から沸き上がる、心のコンパスに従って行動した時に自分の存在を認められます。

感動すること、歓喜すること

自分なんて何の役にも立ってないし、別に特別何かできることがあるわけでもない、やりたいこともないし、という自分に、「生きてる価値がない」と感じてしまう人がいるのも事実です。

自分に何ができるとか、何ができないとかそういうことよりも、足りないのは「歓喜する気持ち、感動すること」なのではないかと思っています。

感動したり、歓喜するのは、自分の心が大きく動くことです。

すごくきれいな景色を見て心動かされるとか、おいしいものを食べて感動するとか、知らなかった世界を知って感動して喜ぶこと。

小さな子どもは、なんにでも歓喜します。

見るもの、触るものすべてが面白くて、新鮮で、日々、成長し、天井ばかりだった世界が寝返りしたり、ハイハイしたり、たっちすることで見える世界が変わってくることに歓喜し、遊びの中で新たな発見、新たな世界の広がりに歓喜します。

触りたいものを触り、やりたいことをやり、そのたびに歓喜するのですが、だんだんに、それは触ってはいけない、それはやっちゃダメと、目の前から歓喜できるはずの対象が取り除かれていきます。危ないからダメ、というのは、子どもをリスクから守るためにはある意味仕方のないことですが・・・。

でも、必要以上に取り除かれ、これはダメだけど、こっちは触っていい。これはやっちゃだめだけど、これはやっていい。そのうち、あれこれ触られると面倒だし、あれこれやられると面倒だから、これさえやってればいいのよと、やっていいことだけを目の前に並べられる。余計なことはしないでと怒られる。そんなの無駄なことだと言われる。

でも、子どもの世界って、無駄で無意味に思えることばかりで、なんでそんなこと!って思うこともたくさんあって。

でも、そういう一見無駄で無意味なことが、すごく大事なことだったりするのです。

安全に守られすぎた世界には子どもの選択の余地はなくて、だんだんに、安全で安心だけど、何事も変わったことは起こらない、予測できることしか起こらない、歓喜の少ない世界の中に子どもたちは押し込められて行っていないでしょうか?

歓喜は、変化の中に起こります。

いつもと違う風景。いつもと違う結果。いつもと違う、予想外の展開。

そして、歓喜は、自分で選択した結果によって起こります。

きれいな景色を見て歓喜した場合、誰かに連れて行ってもらったとしても、一緒に行くと決めたのはあなたです。そこに行くと決めたのはあなたです。

おいいしいものを食べて感動したとき、それを食べようと思ったのはあなたです。

知らなかった世界を知って驚き、感動し、歓喜したとき、そんな世界を知ろうとしたのはあなたです。

例えば、道端のコンクリートの割れ目から生えてくるタンポポに対して、日常的に見ていて何とも思っていなかったのに、ふと、このタンポポってすごいな。こんな何にもないところでも花を咲かせるなんてと感動する瞬間があったりします。そんなとき、道端の花に目を向けたのはあなたです。

自分が選択し、その選択によっていつもとは違うことが体験出来て、心が動くのです。

歓喜している状態を、子どもの感覚で簡単に言うと、

めっちゃ楽しい!!

すっご〜い!!

めっちゃ面白い!!

ってことです。

それが生きてる実感ではないでしょうか?

せっかくこの地球という美しい星に生を受けたんです。生きてる実感を、感動を、歓喜を、たくさんたくさん味わってほしい。

自由と束縛

自由と束縛、どっちがいいかと言われると、みんな自由がいいと答えるのではないでしょうか?

だけど、砂漠、あるいは森、海の大海原に一人放り出され、自由にしてもいいよと言われても、不安になって困ってしまうのではないでしょうか?

何をするのも自由というのは、良くも悪くも選択した結果が自分に返ってくるので、選択に責任が伴ってくるからです。

そういう意味で、誰かに決めてもらった方が楽だし、枠があったほうが安全だし、危険もない。ということで、人は自由を求めながらも、ある程度束縛があった方が安心という側面はあるようです。

例えば、いつもリードにつながれている犬は、何もしなくてもエサはもらえるし、散歩にも連れて行ってもらえる。その時はしっぽ振ってうれしい。でも、それ以外は寝て過ごす毎日。

でも、ある時リードが外れて、自分が自由であることに気が付いたその時、犬はものすごい勢いで走り回り、自由を謳歌します。それはそれは体全体で歓喜します。

でも、満足するまで走りまわると、また、餌をもらえる飼い主のもとに戻ってくるのです。

以前、割と親が厳しい家のA君が遊びに来た時に、お昼は必ず帰ってきなさいと言われていた。それは、学校でもきめられてるルールだし、守って当たり前なルールですが、その子の家はちょっと遠い。いったん家に帰ってまた来るのは面倒くさい。「よかったらうちでご飯食べていく?」という言葉に、他の子は、家に帰らずにご飯を頂くと決めました。迷った挙句、その子はお昼は自分の家に帰らず、我が家のご飯を食べることにしたのです。

その子は、親の言いつけを守らなかったのは初めて。

最初は怒られるかもしれないと、ドキドキしていた。

でも、一緒にご飯を食べ始めた瞬間、A君は

「やった~!!俺は自由だ~!!自由だ~!!」と叫んだのです。

怒られるかもしれない。でも、怒られてもいい。ここに残る!

自分で、自分がどうするかを選択したのは彼自身。

自分が選択した結果であれば、その結果を受け入れる覚悟ができた。

そのとき、彼は自由を感じた。大きく心が動き、自由を感じ、歓喜したわけです。

子どもたちは、日々、いろんな小さな束縛の中にいます。

それでも自由を求め、自由でいられたときに歓喜します。

歓喜する子どもたちの笑顔は最高です。

ちょっぴり、束縛の鎖を緩めて、子どもを信じて自由にさせて見てほしいと思います。

学校からの束縛。家庭の中での束縛。人に迷惑をかけてはいけないという束縛。

近頃の子どもたちには、束縛が強すぎますから。

 

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