「感じることが先にある」というはなし

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小学校の理科の実験でのこと。

最近、6年生が『水溶液の性質』という単元に入りました。

最初に、A:食塩水、B:炭酸水、C:うすいアンモニア水、D:うすい塩酸の四つの無色透明な液体を、においや見た目で判別する。というのが、最初にあります。(今は、ABCDはランダムに書いています)

今までは、割と、見た目でBが炭酸水だとすぐに確定し、次に、臭いをかいで、アンモニアのきつい臭さに、おえ~!ってなりながらも、すぐに、くさいトイレの臭いみたいだから、Cはアンモニア!ってわかって、塩酸は、薄めてあるから、臭いが分かりづらいんだけど、なんとなく消毒液みたいな、病院みたいな臭いがするっていうところで、ちょっと臭いがあるから、きっとDが塩酸で、最後に残ったやつは臭いもないし、食塩じゃないか?ってことで、割と判別できたんですよね。

で、じゃあ食塩だったら蒸発すると出ることが五年生の学習で分かっているから、蒸発させてみよう!

Aだけが白い粉が出てきたから、はい!Aが食塩決定!

みたいな感じだったんですよね。

ところが、ここ数年、ちょっと様子が変わってきて、食塩水と炭酸水は、見た目と臭いと、蒸発させるという工程で判別がついてわかるんだけど、Cの臭いを嗅いだらうっ!!ってなるんだけど、「強烈な臭いがするから、これは塩酸だ!」っていう子がちらほら出てきてて、今年なんかは、クラスの半分がCは塩酸で、Dがアンモニアだって答えて、意見が割れたんですよね。

「じゃあ、答え合わせしましょうか!」

と、「食塩水と炭酸水は正解です!」ってなったんだけど、困ったのは、塩酸とアンモニアの判別。

なんでアンモニア水って、わからないのかな?と思ったときに、一人の子が、塩酸のにおいをかいで、「トイレのにおいがしたから」と言ったんですね。

最近の子達は、きれいに消毒されたトイレしか使っていないから、アンモニアのにおいが分からない子が増えてるんじゃないか?って思えたんです。

ぼっとんトイレとか、くさい公衆トイレとか、あの匂いを知っていたら、即座に、あの鼻を突くようなにおいはアンモニア水だ!となるはずが、アンモニア臭が分からないし、塩酸のにおいだって嗅いだことないから、どっちがどっちだかわからない。っていうことになっているんだな~と。

五感で感じた経験があるから、知識と結びつく、ということを実感しました。

とはいえ、あのくさいトイレのアンモニア臭を、経験させなきゃいけない、なんてことはないんですけどね(笑)。
そういう時代になって来たんだな~と思ったわけです。

今の教科書だと、もう、最初っから、食塩水、炭酸水、うすい塩酸、うすいアンモニア水って、ラベリングしてあるものを蒸発、石灰水、リトマス紙、金属を溶かす、っていう実験で進めていくんだけど、正解を言っちゃってからだとつまらなくないかな?

それとも、教科書の順番をすっ飛ばして、いきなり金属溶かしてみるか?

って思ったわけです。でも待てよ。一学期、塩酸使った実験があったぞ。

と、いうことで、答え合わせする前に、一つ、教科書にはない実験を追加することにしました。

実は、6年生の一学期に、『気体の性質』という単元の中で、演じ実験ではありましたが、「二酸化炭素と、酸素を発生させる」実験を見ていた子供たち。

「一学期、気体を発生させる実験で、塩酸と何かを混ぜたら二酸化炭素が出たんだけど、何を混ぜたか覚えてる?」

って子どもたちに聞いてみたら、覚えていた子がいました。

そう。大理石に塩酸を滴下したら、ぶくぶく泡が立って、大理石が溶けて、二酸化炭素が発生したのでした。

「そしたら、CとDに大理石を入れて、泡が出て溶けた方が塩酸ってことなんじゃない?」

っていうことで、次の実験の時に、大理石を入れてみることにしました。

次の実験が楽しみです。

たくさん感じ、体験したことが多ければ多いほどいい

何が言いたかったかというと、知識を詰め込むより先に、臭いをかいだり、見たり、聞いたり、(実験では味わうという子とはしないけれど)、自分の体で体験することがあって、初めて未知のものと出会ったときに、自分の体験と照らし合わせて予測することができる、ということなんですよね。

ちなみに、5年生の息子に、「アンモニアのにおいって言われて分かる?」って聞いたら、「アンモニアって、おしっこの臭い?トイレの臭いとか?」と、即答でした。八甲田に登ったとき、山小屋のトイレも、アンモニア臭がただよっていたのを思い出したようです。
息子には、臭いトイレの経験がありました。おそらく、6年になって、この実験をしたとき、「これ絶対アンモニア!」ってわかると思います(笑)

子供時代に、多種多様な経験をし、たくさんたくさん感じ、体験したことが多ければ多いほど、未知のものに出会ったときに柔軟に対処できるということでもあるのです。(繰り返しますが、臭いトイレの臭いを経験させなさいってことではないですよ(笑))

感じて、体験したことが知識と結びついた時、その知識は、自分の経験として、しっかり根付いていきます。
でも、一方で、頭で教科書を覚えただけ、いかに正解を書くか、だけの知識は、その習慣を過ぎれば、あっという間に記憶のかなたに飛んで行ってしまいます。

私がそうでしたから。昔、あれほど勉強した(暗記した)様々なこと、あれもこれも、全然おぼえていない。

いろんな経験と結びついて、「あ~!あれってそういうことだったのか!」って腑に落ちたとき、はじめて学ぶことが楽しくなってきます。記憶に残ります。

ってことは、あれを溶かしたら溶けるんじゃないのかな?とか、どんどん違う興味がわいてくるようになる。で、試したくなるんですよね。

で、思った通りの結果だったら、やっぱりそうか!ってなるし、思ってたのと違う結果だったら、なんでだろう?じゃ、こっちだったらどうなるのかな?って、違うやり方を考えたりする。

そういうトライ&エラーを繰り返し試せると、学ぶ意欲に火がついていくんです。

子どもたちの、そういうトライ&エラーは、普段は、遊びの中で発揮されます。

庭に子どもたちが掘った穴も、気がつけば、水路ができ、植物を周りに植えて・・・

最後は火山を作ったようですが、こんな状態(笑)

何をしようとしたのかはわかりませんが、何かきっと、面白いことひらめいて、やってみた結果、最後、こうなったんだと思うと、おかしくてしかたありません。

こうするともっと面白くなるかもしれないと、チャレンジして、失敗して、違う方法でまたチャレンジして成功して、筋トレのように、チャレンジと失敗と小さな成功体験をどれだけ繰り返してきたかが、大人になってからの人生の選択に柔軟性が出てくるんだと思っています。

今の子供たちは、わりとすぐに正解を求めたがります。

失敗しないやり方を、ユーチューブで先にみてからやってみるから、失敗もしない。

正解を先にみて、失敗しないように失敗しないように育っています。

なんなら、親も、つい、子どもに失敗してほしくないから、
「あ、ほら、そんなやり方じゃだめよ。こうした方がうまくいくよ」って、手出し口出ししがちです。

私だって、つい、口出ししちゃうこともやっぱりあります。

でもね、子どものうちは、正解を先に教えて成功させるよりも、失敗して見て学ばせることの方が100倍も大事なんだと思います。

口を出したい気持ちを、ぐっとこらえる大人の忍耐が試されますが。

人生は、これが正解の人生だ!なんてことはないんです。

やってみてダメだったら、違うことをすればいい。違うやり方を試してみたらいい。

正解かどうかなんて、もどうでもいいんです。

その、「こうやったらどうなるんだろう?」っていうワクワクが、人生を作っていくんだと思っています。その積み重ねが、結果として、面白い人生になっていく。ただそれだけなんだと思います。
すごいことを成し遂げる人もいれば、はたから見たら、何も成し遂げていないような人生だったとしても、毎日を幸せに暮らしている人もいるわけです。

人生楽しもうよ

理科の実験から思った、「感じることが先だよ」というお話から、人生の話に展開しちゃいましたが、

こうして書いてる文章も、最初は、「感じることが先だよ」って言いたかったから書き始めたのですが、書いているうちに、私の感情が、「人生楽しもうよ」という話を書けと言っているから、こういう流れになってしまいました。

達成感、幸福感、喜び、悲しみ、怒り、いろんな感情を味わい尽くし、この地球に生まれたことを楽しもうよと、私は言いたい。

正解なんてどうでもいい。正解にたどり着くまでのその過程を楽しみたい。

子供時代、私は算数が好きでした。

問題を解く、その過程が楽しくて仕方なかった。算数は正解があるから、それはそれで、正解にたどり着くまでの「こうすれば解けるんじゃないか?」というひらめきと、解いていったその先の達成感が好きだった。

でも、今は、正解かどうかよりも、答えのない問いに、どうアプローチしたらいいんだろうか?っていうことを試行錯誤して、これのやり方がいいんじゃないか?と、手探りながらやってきた、その過程を楽しんでいます。そして、やってみて、どうやらこのやり方は間違ってなさそうだぞ、思う時もあったりしています。

でも、いや、もっと違うやり方だったら、もっともっと、いろんな子供たちを幸せにできるんじゃないか?と考えたりもします。

結局のところ、いつまでたっても正解にはたどり着けそうにありません。

だけど、子どもたちの未来に、美しい地球が残っていて、やさしい世界が広がっていることを願っているので、ただただ、愚直に、目の前の私にできる精一杯のことをやるのみの毎日です。

理科の実験の話から、まさかの人生の話への展開。

思ってもない方向に転がるのも、また、楽しいものです。

理科の実験の話で始まったので、最後に再び実験室のお話。

最近の中休みの理科室には、3年生の子達がよく遊びに来ます。そう、ただ、遊びに来るんです。

人気なのは段ボールの空気砲。ひたすら紙コップ飛ばしています。

こちら、砂鉄をとるのに夢中の子ども達。

磁石をビニール袋に入れて、砂に近づけて、砂鉄とっています。(もちろん砂だらけになるので、チャイムなる前に砂をきれいに片付けてもらいます)

砂は、5年生の川の流れの実験用に実験室にあるやつです。

砂鉄、ちょうだいちょうだい言うので、「こうやって、集められるから、うちに磁石があったら、公園でも校庭でも、どこでも砂鉄、集められるよ~」と言っています。

3年生はまだ、実験が本格的に始まっていないので、実験って、なんか楽しい!理科って面白そう!実験するの楽しみ!!そう思ってもらえたらいいな、と思っています。

まずは、感じてもらいたい。

「感じることが先にある」というはなし
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