夏休み、身近なところを自然観察しながら地図を描いてみませんか?

夏休み、毎日友達と遊んだり、プール行ったり、図書館行ったり、子どもたちはそれぞれ楽しんでいるでしょうか?おうちで子どももたちの夏休みを支えるお母さんも、毎日大変ですよね。友達が遊びに来てくれればいいけど、そうじゃないと、「今日は何しよう?」「どっか連れてって~」と、言われると、毎日どこかに連れ歩くのも大変です。そんなとき、自由研究もかねて、一緒に身近なところを自然観察しながら地図に落としてみるのはいかがでしょうか?

身近な自然を地図に落としてみよう!

日本自然保護協会の自然観察路コンクールというのがあります。

自分の身の回りの自然を観察して、一枚の絵にする、というもの。

どんな生き物がいるか。どんな草木が生えているか。書き込むことで、自分の身の回りにどんな自然があるかを知ることができるというもの。

例えば、うちは庭にサンショウの木があるから、アゲハの幼虫がやってきます。今年は10匹ぐらいみつけました。でも、木が大きくなっているので、見えない上の方にももっといるんじゃないかと思っています。

今年は、ちょっと違う幼虫がいて、サンショウの木にいたからアゲハの幼虫だと思って育てていたら、カラスアゲハが出てきてびっくりしました。

そして、庭の物置の下には、トノサマガエルがたくさんいて、生ごみコンポストの近くにはアマガエルがよくいます。

ブドウの木にはシャチホコガの幼虫がたくさんついているし、さくらんぼの木にはこがねむしが良く来ます。

飼ってるカイコの幼虫のえさになる桑の木も、カイコを飼い始めて、散歩しながら周りを見渡すと、意外とあちこちにあったことを発見。桑の葉の特徴的な切れ込みのある葉が、目につくようになりました。

それまで何気なく通っていた道が、見る目を変えると、いろいろ見えてきます。

水路で見つけたトビケラとか、

裏の水路にはドジョウがいっぱい。

ドジョウすくいですね。

子どもの遊びと自然は切っても切れない関係ですね。

遊び地図を描いてみよう!

「遊び地図」というのを聞いたことはありますか?

写真は娘が何年か前に描いた遊び地図。小学校時代の遊びを思い出しながら描いてくれました。

子ども達が、どこでどんな遊びをしているかを、地図に落としてみるのも、面白いものです。

友達とよく遊びに行く場所や、子ども達の目線で見た地域の様子が見えてきます。

それに、生き物や、植物をプラスしていったら、面白いものができるんじゃないのかな、って思います。

 

子ども達は動くものが大好きです。学校の帰りも、寄り道しないで帰りなさいって言われても、田んぼでカエルを捕まえてみたり、田んぼの中のガムシやマツモムシなんていうものも、見つけちゃうともう、楽しくなっちゃって、なかなか帰ってきません(*^-^*)

寄り道してはいけませんと言われても、あちこち気になるのが子供です。

自分たちも、そうやって、寄り道したり、遊びながら帰ったものです。

花の蜜がおいしいお花があるから、花の蜜を吸いながら帰るとか、ちょっと裏道通って帰ったりとか。

今の時代、いろいろ心配になることはあるけれど、多少の寄り道は、大目に見てもいいんじゃないかな、と思っています。

子どもだけであちこち行きながら遊んでいると、親も知らないいろんな情報を子どもたちは知っていたりします。それを、子ども達に案内してもらいながら、「ここにはこんな生き物がいたんだよ」「ここに、こんな面白いものがあるんだよ。」なんて、教えてくれるので、それを地図に落としてみると、意外と面白いんじゃないのかな、って思います。

親が子供のころ遊んだ情景を思い出しながら、子どものころの遊び地図を描いてみるのも楽しいです。そうすると、自分の子供のころがりありと思い出されてきます。

親子で遊び地図を見ながら、お母さんは子供のころ、こんな遊びしてたんだよ、とか、こんなことして怒られたんだとか、ここのおばちゃんが優しかったんだ~なんて、話してみてもいいですね。

まとめ

子ども目線でいつも見ている身の回りの地域を、よくみてみると、意外と面白いものです。子どもたちの遊びの様子もわかるし、時間なたっぷりある夏休み、何もやることないな~なんてときにいかがですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

プレーパークで青森の夏を乗り切ろう!

夏休みに入り、子ども達は、プールに行ったり宿題したり、図書館行ったり、友達と遊んだりしながら過ごしていると思います。家族とお出かけするのは、お父さんやお母さんがお休みの日じゃないと難しいですよね。子ども達は、毎日、「今日は何しよう?」って思っています。そんなとき、助かるのがプレーパーク!青森には常設プレーパークはまだありませんが、夏休み中、青森、十和田で、プレーパークを開催しています。プレーパーク情報をチェックして、夏休み、近くのプレーパークに出かけてみませんか?

学校プレーパーク

プレーパークを開催するときは、いつもこんな感じで、車に荷物をいっぱい詰め込んで行きます。

夏休み中、十和田では、水曜の午後、ちとせ小学校のプールの横でプレーパークを開催しています。

午後のプールが始まる前にやってきた子供たちが、プールが空くのを待ちながら早速遊んで行ってくれました。

プールの前だけど、暑いから水鉄砲!「体じゃなくて!足狙いにして!」って子ども達。

プールが始まると、いったんプールに入りに行く子供たち。でも、もっとここで遊びたいから、プールもさっさと上がってきて再び遊び始めます。

ロープの綱渡りも、結構難しい。

トンカチやくぎを使った木工の他、木のホッケーゲームで対戦してみたり。縄跳び、フラフープ、けん玉、竹トンボ、シャボン玉、野球にサッカー。何をやってもいい。

校庭の遊具で遊ぶ子もいれば、セミの抜け殻探しに、カエル捕まえる子もいる。

「なんか、自然にやさしい遊びですね!」って、男の子。

そこ、わかる?そうなんだよ。そこに気が付いた君、いいとこあるね!

お兄ちゃんと一緒に来たかわいいお友達も、絵の具に挑戦!

女の子は、やっぱりキラキラが好きですね。

ハンモックは、やっぱり絶叫マシンになりますね~。

「一回転させる!!」って、意気込む子供たち。

ロープのブランコも、楽しい~!

木工コーナーでは、いろいろ作ってみたい子どもたちが、のこぎりやトンカチに挑戦。

「ぼく、弟に、箱作ってあげるんだ!弟、5歳で、箱が好きだから。それに、整頓上手じゃないから。」って、一生懸命箱作って、色を塗るお兄ちゃん。作り終わったら、ちょっと考えて、「お兄ちゃんにも作ってあげなくちゃ!」と言って、再び作り始めます。

 

もう一人の子は、おしりたたきマシーンを作ってるようです。

違う子は、飛行機作って、飛ばせてみたけど、全然飛ばなくって。「どうすれば飛ばせられるんだろう・・・?」って、考えてましたが、最終的に飛ばすのはあきらめ、色を塗って飾りにしたようです。

別の6年生チームは、砂鉄集めに夢中になります。穴掘って、砂遊びしだす子も。6年生でも、まだまだ砂遊びいけますね~。

十和田の学校プレーパークはこんな様子で13時から17:30まで子どもたちが入れ替わり立ち代わりやってきます。

下の写真は、青森のプレーパーク作り隊による、原別小学校での学校プレーパークの様子。

 

こんな風に、学校プレーパークは、地域の子供たちが、自分たちの足で学校まで来られるからいい。夏休みは、そんな場所がいいですね。

公園プレーパーク

地域の子供たちが、自分の足で来られる場所として、公園もいいですね。十和田では、夏休みの火曜の午後は若葉公園でプレーパークをしています。

ここは、学校プレーパークをしている場所とは学区の違う公園なので、来る子どもたちは違います。

たまたま公園に遊びに来ていた子供たちに、遊んで行っていいよ~って、声かけたら、電話で友達呼んできて、女の子がたくさん来てくれました。

ロープの綱渡りや

おなじみハンモック。

木のオセロで対戦。シャボン玉で応援?する子。

女の子たちだって、いろいろ作ってみたい。

かなり完成度の高い椅子を作って、色まで塗っていった子も。来たときは自転車で公園に来ていたので、椅子を持ち帰れず、どうしよう・・・って考えて、「わかった!一旦自転車で家に帰って、お母さんに車で椅子をとりに来てもらおう!」って、椅子は大事に持ち帰っていきました。

何やら、一生懸命考えて、黙々と作っているこの子。

出来たのは、なんと、松ぼっくり投げ入れゲーム。松ぼっくり5個投げて、何点入るか、っていうゲームができました。

こちらの作品は、大きすぎて持ち帰れませんでした。

男子チームは、剣を作って対戦したり

ホッケーゲームしたり、

水鉄砲に、鬼ごっこ。セミの抜け殻探し。

しばらく砂遊びに夢中です。

砂遊びといえば、やっぱり水ですね。靴のまんま入っちゃう子も。

この子も、椅子を作っています。去年も若葉公園のプレーパークに来ていた子で、木を切ったり、トンカチ打つのも慣れた様子です。

こんなかわいい作品を作っていった子も。女の子のセンスはいいな~。

 

そして、青森では、プレーパーク作り隊による合浦公園プレーパーク。

目の前に海水浴場があって、海でカニを捕まえたり、池でエビも捕まえられる何とも素敵な環境です。木の遊具のある八百善前広場で夏休み中開催しています。

夏休み中のプレーパーク情報

前回のブログの最後に、夏休み中のプレーパーク情報がありますので、夏休み中、お近くの方は、ぜひお出かけください。雨の日は中止です。

前回のブログのプレーパーク情報ですが、青森のプレーパークが一部変更していますので、再びカレンダーにチェックしておいてくださいね。

その他の青森にプレーパークを作り隊の情報は、子育てオーダーメード・こもものHPもご覧ください。夏休み以降の日程もあります。

 

小学生までにたくさんの外遊びを!

近頃、子ども達は部活や習い事に忙しく、遊ぶ時間がありません。それに加えて、遊ぶ環境も、ボール遊びは禁止とか、大声で騒ぐとうるさいとか、決して子どもたちにとっていい環境ばかりではありません。そんな中でも、子ども達が友達と群れて外遊びすることが、子供時代には大事なことだと思っています。一日いっぱい遊びきった経験は、宝物の記憶です。ぜひ、小学生時代に、たくさんの外遊びをさせてほしいと思います。

外遊びの効果

尾木ママも、8歳までの外遊びが大切だと言っていますが、外遊びによって育つといわれている力がとても大きいのです。

①コミュニケーション能力が育つ

②運動能力の向上(体の発達、体力がつく)

③想像力や創造性がつく。自分で考えられる子に。

④前頭前野が発達し、感情が安定し、集中力がつく

といった効果があると言われています。

ただ、こういった効果も、個人差があることで、必ずしも外遊びいっぱいしたからこうなると、言えるものではありません。

子供時代、外遊びしなかった子が大人になってコミュニケーション能力のない子になっているかといえば、必ずしもそうではないように、外遊びした子が優秀になるということではありません。

ただ、友達と暗くなるまで外で遊んでいたというような経験を持っている子の方が、より自由な生き方をしているように思うのです。

自分の好きなことを仕事にしていたり、人生を楽しんでいる人は、幼少期、当たり前のように暗くなるまで外でたっぷり遊んできたり、大人に怒られるようないたずらしてきていたり、必ずしもいい子ではない子供時代を過ごしてきた人が多いように思います。

今の子供たちを見ていて思うのは、答えのある問題は解けるけど、自分でどうすればいいか考えなさい、という問いに対してはとても弱いように思うのです。加えて、人の気持ちを思いやることがあまりできない子も多くいます。

それが、私には外遊びの減少とも関係があるように思えるのです。はっきりとしたデータは、私は持っていませんが、たくさんの子供たちを見ていて感じることです。

群れて遊ぶ経験の少ない子供たちは、ケンカしてはいけませんと育てられていることも多いのか、ケンカして、許して許されてという経験も少ない。相手がこんなことを言ったら傷つくだろうなとか、相手の気持ちを考えることができない子も多くいるように感じます。

平気で傷つくことを口にするし、それが悪いことだという感覚もない。

子ども達が関わりながら遊ぶ経験は、大事な学びの場なのだと思うのです。

夏休みの子供たち

夏休みが始まったばかりですが、暑い中、時間いっぱい、子ども達はよく外で遊びます。

興奮して、水の掛け合いしてるうちに、大声で騒ぎすぎて、ご近所さんに怒られてしまいました。

それからは「おい、おまえ、大きい声出すなよ!」

「やめろよ!大声出させんなよ」

と、こそこそと、気をつかいつつ、ちょっぴりテンション下がった子ども達ですが、それでも遊びは続きます。

テンション下がってきたら寒くなってきたのか、駐車場で寝転んであったまる二人。アリンコ見つけて「ヒアリじゃない?!」とか言いながら、暖をとります。

こそこそ話しているのも、楽しそうです。

今の時代、子ども達が遊ぶ環境も、決していいわけではありません。怒られると、そんなことで何で?子どもの声が騒音と言われる世の中は悲しいものだと思ったり、いろんな気持ちになりますが、住宅街ですから、静かに過ごされたい方もいるのも、仕方のないこと。

怒られたことで、いろんな方が世の中に入るのだと、ほかの人の気持ちを知るきっかけになったかもしれませんね。

子ども達には、「静かに過ごしたいと思ってる人もいるからね~。」「ちょっと大きい声出しすぎちゃったね。」って、嫌な思いだけで終わらないようにと思います。

 

寒くなったので、玄関で着替えていたら、ちょこちょこ歩いてる虫が。「ん??」

「ホタル!」

なんと、ゲンジボタルでした。この辺にはあまりホタルが出ることはありません。田んぼが多いいから、ヘイケボタルはいたとしても、ゲンジがいることはありません。

昨日までの雨で、どっかから流されてきたのか、迷いホタルですね、きっと。

夜になったら、ちゃんと光りました。

発光器が二本線なので、オスです。

遊びきる子供時代を

いろんな子供たちが、入れ代わり立ち代わり、遊びに来る夏休み。

水で遊び、びしょ濡れになって、カエルを捕まえ、虫を見つけ、走って別の友達の家に行き、バカ言って笑いあい、泥まみれの汚い足になり、たまにケンカして、仲直りして、怒られて、泣いて笑って、いっぱい遊んで成長するんだよね。

遊び疲れて寝落ちする。それほどに走り回って。お腹ペコペコで食べるご飯はおいしくて、「ああ~、おいしかったぁ!」って、完食して。

「ああ~、今日も楽しかったぁ!」って、夢の中へ。

そんな子供時代を、子ども達には過ごしてほしいですね。

自由な遊び場・プレーパーク~夏休みの予定

夏休み中も、青森県内、あちこちでプレーパークを開催します。

はぴちるでは、十和田市内にてプレーパークを開催します。

7/25㈫若葉公園
7/26㈬ちとせ小学校校庭(プール横)
8/1㈫若葉公園
8/5㈯駒っこランド
8/8㈫若葉公園
8/9㈬ちとせ小学校校庭(プール横)
8/16㈬ちとせ小学校校庭(プール横)

若葉公園とちとせ小学校は午後13時から17:30まで
駒っこランドは10時から15時までです。

 

「あおもりにプレーパーク作り隊」では、

7/30㈰青森県総合社会教育センター(夏のキッズフェア・3F・9:45~15:00)

<合浦公園プレーパーク>

10:00~15:00合浦公園(八百善前広場、木のアスレチック前にて)

7/27㈭

3㈭

6㈰

7㈪

8㈫

12㈯

22㈫

23㈬

で、開催します。子どもと一緒に、ぜひ遊びに来てくださいね♪

その他

8/19(土)プレーパーク@平内

8/20(日)プレーパーク@あおもりマルシェ

8/27(日)プレーパーク@八戸ホコテン

 

 

 

 

 

森のようちえんは雨の日でも

月一回、「おいらせもりのようちえん」でのHappy Childrenが担当している森遊びの7月。森のようちえんでの初の雨の日となりました。集合したときには、ワイパーをフル稼働させなきゃならないくらいの豪雨で、時折雷までなる天気。今回は、カワヨグリーン牧場の施設をお借りして、雨の様子を見ながら、カイコの糸引き体験と、小雨になってからは森へお散歩にでかけました。

カイコの糸引き体験

今回、家で飼っていたカイコがまゆを作りました。一部は成虫となって交尾して、卵を産んで、さらにその卵から、幼虫が生まれていました。

ちょうど、卵から、カイコの幼虫、成虫、繭まで見られる状態だったので、外は豪雨ということもあり、せっかくなので、糸引きをしてもらうことにしました。

こちらはカイコの幼虫。

真っ白で美しい繭。

カイコの成虫と卵。黒くぷつぷつなってる卵は休眠卵で、冬越しして、来年出てくる卵です。

白い卵が今回生まれた卵。

カイコは、家畜として、人間が利用するために改良されてきた虫です。だから、成虫になっても、羽があっても飛ぶことはできません。交尾して、卵を産んでしまえば、その一生は終わります。でも、成虫になれるのはごく一部で、その多くは、繭を作ってさなぎになったら、お湯でゆでたり、冷凍したりしてしまうので、さなぎは死んでしまい、その繭の糸をとるために利用されています。

ちょっぴり残酷でもあります。

でも、そうやってとれた絹糸は、つやつやして、とても美しいのです。

繭は、周りのふわふわを取り除いて茹でて、繭をちょっとつまんで糸はじを出して、3っつくらいの繭の糸を一緒にしながら糸巻きに巻き取っていきます。

クルクルと巻き取っていきますが、その糸は長くて、1000メートルほどにもなるそうです。

一匹のカイコが吐き出す糸はすごいんですね。

はじめにみんなでカイコの幼虫を観察。「ちっちゃ~い!」

ちょうど、ここ、カワヨグリーン牧場の施設にも、繭から取り出した後の糸をよりながら糸にしていく座繰り機(左)が置いてありました。この牧場でも、昔は養蚕をやっていたので、牧場内に桑の木がたくさんあります。ちなみに、右は羊の毛から毛糸を作るための道具。

茹でたまゆから、糸巻きに実際糸を引いていきます。

かわりばんこに、クルクルクルクル。

カイコの糸引き体験の後は、ヒツジのたくさんいる牧場なので、羊の絵本を読みます。糸引きを続けたい子は糸引きしながら。

外を見ると、雨も少し小降りになってきたようです。カッパ着て、外に出てみたい子は、雨の中、お散歩に行くことに。牧場に、ヒツジを見に行ってみようかと、外に出たら、「虫探したい」という子がいたので、それならキャンプ場でセミの抜け殻探ししようかと、キャンプ場へ行くことにしました。

雨のお散歩

雨の中歩く子供たち。

キャンプ場に行くと、セミの抜け殻がたくさんありました。あっちにも。こっちにも。葉っぱの裏にも。

セミの抜け殻をお洋服にくっつけてみたり。

途中、こんなキノコがありました。

このきのこ、実は前日下見にこのキャンプ場を見に来たときは、こんな妖精の国のキノコの様に、真っ赤なかわいいキノコでした。一日で、開いてしまったんですね。

お散歩コースにはアジサイが花盛りです。

「持っていきたい!」と、子ども達。

お散歩していると、森の中に隠れ家が。

でも、そこまでは草ぼうぼうの中をやぶこぎしなければ行けません。

草をかき分けかき分け、小さい子もついてきます。

「森のかくれが」です。

二階があったりして、中を探検。

帰るころには雨もだいぶ小降りに。

雨の森の探検を終えて帰ってくる子ども達。

雨の探検に行かない子は、お料理のお手伝い

この日は、お昼にミネストローネスープを用意していましたが、雨の中のお散歩に行きたくない子は、中でお料理のお手伝いをしてもらいました。

小さな女の子にお願いしたのはジャガイモのニョッキ。茹でたジャガイモをつぶして、小麦粉と混ぜてこねこね。途中、何度も味見をしながら作ってくれました。

お散歩隊から、一人先に戻ってきた女の子には、お昼ご飯のテーブルセットを頼みます。取ってきてくれたアジサイを食卓に飾り、お椀を並べてくれます。

スープには茹でたニョッキと、枝豆を入れて、冷たい冷製スープで。

お散歩隊も戻ってきて、みんなでお昼ごはんです。持ってきたおにぎりと、スープを、いただきま~す!

お散歩隊が集めてきてくれたセミの抜け殻は、何のセミか、抜け殻で調べられます。

 

アジサイに、カミキリムシがついてました。カミキリムシも、お食事中だったかな?

雨の日も楽しむ

今回は、はじめのうち雷雨だったので、外に出られないかとも思っていましたが、雷も止んで、雨が小降りになってきたこともあって、雨でもカッパ着てお散歩に行きました。

ここのところ毎日猛暑でしたが、久しぶりの雨で、外も過ごしやすくなっていました。カッパ着て、雨のお散歩もなかなか楽しいものです。

実は、子ども達がお散歩に出発してしばらくすると、雨が強くなっていました。でも、お散歩隊は、雨はそんなに気にならなかったと言っていました。

森の中を歩いていると、木の葉が森の中の大きな傘になって、雨を多少防いでくれます。森の木々のおかげだったかな?

そんなことも、感じた雨のお散歩でした。

 

夏に子供は成長する!~はぴちる通信7月号発行しました

はぴちる通信7月号、発行しました。今回は、子どもの夏の過ごし方や、青森県内のウォータースライダーのある温水プール情報、今後のはぴちるプレーパーク情報など、お役立ち情報もありますので、要チェックです。夏に子供は成長します。いろんなことにチャレンジする夏を過ごしてみてほしいと思います。

目次

<特集記事>

1.夏休み、どう過ごす?                      1p

2.子どもを台所に立たせよう                1p

3.生き物を飼ってみよう!                   2p

4.いろんなことにチャレンジする夏             2p

<今号のトピック>

川遊びとホタルキャンプ                     3p

青森県内ウォータースライダーのある温水プール  3p

学校プレーパーク                             4p

今後のプレーパーク情報                    4p

という内容で記事を書いています。ホタルキャンプについては、7月8,9で行ったキャンプの様子をレポートしています。

子どもは夏に成長する。いろんなことにチャレンジしてみよう!

子どもが夏休み、楽しみにしていることといえば、

・お盆におじいちゃんおばあちゃんのおうちに帰省する

・旅行に行く

・海やプールなどに行く

・レジャー施設に行く

というアンケート結果があるようです。

でも、子どもが楽しみにしていることは、意外とお金もかかるものです。

そんな楽しみにしていることの他に、夏休みは、たくさん時間があるからこそ、子ども達には、普段できないことや、今までできなかったこと、いろんなことにチャレンジさせたいですよね。

例えば、

・25メートル泳げるように練習する

・木登りできなかったから、木登りに挑戦する

・一人でご飯を作ってみる

・逆上がりや、けん玉など、今までできなかったことに挑戦する

など、それぞれ、挑戦してみたいことがあると思います。

おうちでも、子どものそんなチャレンジを応援してあげてほしいと思います。

特に、夏休みの毎日のお昼ごはんは、意外とおうちの方の負担になるものです。毎日そうめんばっかり、ということもよくあります。

クックパットや、料理本で、一緒に調べてみて、簡単にできる料理を子どもに作ってもらうとか、任せてみてもいいかもしれませんね。

普段できない体験を!

夏は、なかなか普段できない体験をするチャンスです。

海へ行けば、泳ぐほかに、貝殻を集めてみたり、砂を掘ってみたり、砂で何かを作ってみるのも楽しい。

川に行くなら、川の生き物を探してみたり、石を積んでダムを作ってみるのもいい。

それとも魚釣りをする?

湖でカヌーを漕いでみる?

シジミ採りや魚をすくう?

暑いけど、畑で芋ほりなんていうのもいいね。

草木染にチャレンジしてみる?

夏といえば、お祭りに参加したいよね♪

それともやっぱり虫捕りかな?

友達と、水かけ会って遊ぶのもいいな♪

それともがんばって山登りかな?

青森県内、海も、山も、川も、湖も、自然には恵まれています。こんな恵まれた環境、子どものうちから、たくさん触れておかなきゃもったいない!

レジャー施設に行くのもいいけど、いろんな経験を子どもたちにさせて、成長させてあげたいですよね。

はぴちる通信

はぴちる通信を読んでみたい方は、プレーパークやおいらせもりのようちえんなどの時に持っていきますので、無料で手に入れることができます。

なかなかプレーパークに行けない、という方で、毎号読んでみたいという方は、通信費500円を指定口座にお振込みいただければ、年6回発行予定ですので、その都度お送りいたします。

ご希望の方は上のメールフォームにてお問い合わせください。

 

 

 

 

 

日野原重明さんの言葉に想う~子どもたちに伝えたい想い

医師として、長年尽力し、子ども達に対する講演活動を精力的にこなし、著書も多数の日野原重明さんが105歳で亡くなりました。つい先日も、『子どもへのまなざし』の著者でもあり、児童精神科医である佐々木正美さんが亡くなったばかり。子ども達や、子どもを育てていく人に伝えたい想いは、同じであると思います。今日は、日野原さんの言葉から、これからの子供たちへ伝えていきたい想いをつづります。

日野原重明さんの言葉

「これまでの教育は、出来あがったデータを記憶させる教育であった。困難な問題にぶつかったときに、問題解決が出来るような能力を与えられていない。

本当に学ぶべきなのは、問題とどう取り組むか、どういう戦略を立てるべきかということである。学校を出てからも自分で出来るような頭の仕組みを作る。そして、その仕組みに従って生活をし、行動することが必要なのである。」

大切なことは、答えがわかっている問題に正しく答えることではなく、その問題をどう解決するか、考える力であると言います。

プレーパークで、子ども達のことを見ていると、答えのない問題に対し、何とかそれを解決しよう、乗り越えようと試行錯誤する姿を目にします。

例えば、上の写真、のみを使って板をくり抜こうとしている子ですが、作ろうとしているのは、どうやら額縁のようです。普通に考えたら、細い板を4枚くぎで打ち付けて枠を作ればできそうなものです。でも、この子は、板を見て、額を作りたいと思い、のみでくり抜くという選択をしました。板をくり抜く労力は大変なもので、絶対、細い板を4枚くぎで打ち付けたほうが早い。

でも、この子は、そうしたいと思った。そして、大変であっても、やり遂げました。

遠回りでも、簡単じゃないやり方だったとしても、自分で考えてやってみる。そして、やり通す経験は、日野原先生の言う、『学校出てからも自分でできるような頭の仕組みを作っている』ということだと思うのです。

答えのない問いに、挑戦し続ける子どもたちを見守り、たくさんの子ども達に、そういう機会をたくさん与えてあげたいと思います。問題を乗り越え、自分で解決できる、そんな大人に育てていかなければと思います。

「未知の世界に自ら飛び込んで、やったことのないことをやることによって、使ったことのない脳が働き出す。」

やったことないことに挑戦しようとする子供たちは、道具を前に、しばし考え込みます。まっさらなところから、何を作り出していこうかと。初めて使う道具も、使ううちに、だんだんコツをつかんでうまくなります。

試行錯誤をくりかえしながらも、新しいことに挑戦するわくわく感で、子ども達は夢中になります。

「自分を相手に置き換える想像力を、身につけたいものである。」

絵本や、本は、子ども達を物語の世界へと連れて行ってくれます。そして、その中で、主人公や、相手の気持ちを疑似体験できます。読み聞かせは、子ども達に、そういった相手の気持ちを想像するための手助けになります。

でも、相手の気持ちを想像できるようになるためには、やはり、リアルにかかわるのが一番です。ケンカして、謝って、相手の気持ちを知って、仲直りして。そういう生身の体験が絶対必要です。

でも、今、子ども達の置かれている環境は、ゲームやメディアにさらされる時間が長く、リアルにかかわることが面倒だと、LINEやツイッターのようなSNSで会話する中高生も多くなっています。顔の見えないやり取りをするは、相手の気持ちを想いやることが難しいので、そういったSNSでのトラブルが問題になっています。

子ども達が、子ども達同士で遊びこむ経験が、やっぱり必要なのだと思います。

「何事も、今ある規則のとおりにやっていたのでは進歩はない。規則を破るようなことをやらないと、現状はなかなか変わらない。

規則を破ったとしても、皆が応援するような破り方をすればよい。

そうすれば、新しい良い規則がずっと早く出来る。」

今、それが当たり前であると言われてることを、ただただ規則を守ってやっていたとしても、そこから新しいものは生まれてきません。

日々、技術は進歩しています。歴史的事実と思われていたことも、日々変わっています。そこには必ず、規則を破った人がいて、みんなが当たり前と思っていたことに対して、「いや、そうじゃないんじゃないか?」「違うやり方で、もっとよりよくなる方法があるはずだ」と、人と違うことをした人がいたからです。

炊飯器に入ってはいけないなどという規則は、破っていいのです。面白いからやってみる。なんでだろうと思うから、実験、検証してみる。やってみて、やっぱりこれはダメだと思えば、もっと面白いことはないかと探せばいい。

みんなと同じことをしなくていい。

歴史はそうやって新しく塗り替えられていく。

 

「生きがいとは、自分を徹底的に大事にすることから始まる。」

「生きがいとは、自分を徹底的に大事にすることから始まる」

自分の人生を自分が精いっぱい楽しむこと。今ある幸せに感謝して、家族との時間を大切にし、自分の時間も大切にする。

自分の心に正直に、自分がやりたいことをやる。でも、家族のことも愛してやまないのなら、自分を大切にするのと同じくらい、家族との時間を大切にする。

精一杯、今ある生を楽しむこと。

大人も、子どもと同じくらい、無邪気に楽しんだっていいのです。子ども心を思い出せばいいのです。ワクワクすることをやってみたらいいんです。

おうちの人が、そうやってワクワクと人生を楽しむ姿を子どもたちに見せてあげることは、子ども達にとって、未来への希望になります。

大人になるって、楽しそう。私も早くこんな大人になりたい。

そう思ってもらえるように。

身近な大人は、子どもの一番のモデルです。

一番身近な大人が、「今日も疲れた」「また今日も、こんな大変なことがあった。」と、嫌な事ばかり話すうち、子どものまっさらな脳に、『大人になるのは大変で、つまらないこと』ということをインプットしてしまいますから。

「人生とは未知の自分に挑戦することだよ」

やったことないことで、使ったことのない脳が働き始めるのなら、どんどん未知のことに挑戦して行きたい。

そんな姿を、子ども達に見せられる大人でありたい。

自分の命をどう使うか

 

「多くの人々は自分の財産や名声や地位を得るために全力投球している。

それなのに、財産やお金よりも大切な、自分の命のために全力投球している人は少ない。

なぜ、その大切な命のために、時間と財産を提供しないのか、そうして安全に確保された命を
思いきり有効に使おうとしないのか。

自分の命を自分で格調高く保つための勉強を、めいめいがもっとしなければならない。」

この世に生を受けた、たった一つの命。

何億分の一の軌跡ともいわれるその命を、何のために使うか。先祖代々から受け継がれて、一つも途切れるところなく、今の自分までつながってきた命。

大変な時代を乗り越えてきた先祖たちから未来への希望を託されてきた命。

日野原さんも、戦争時代を乗り越え、その悲惨な時代を生き抜いてこられました。だからこそ、子ども達に、命の大切さを話して歩き、たくさんの本を残されました。

命とは時間であると日野原先生はおっしゃいました。与えられた時間を、どう使うか?何のために使うか?無駄な時間を過ごしてはいないか?

3・11の震災から6年。今もなお、あちこちで災害でたくさんの方が命を落としています。明日は必ず来るという保証はだれにも、どこにもないのです。

ああ、楽しい人生だった。幸せな人生だったと最後に言える生き方をしていますか?

悔いのない人生を生きていますか?

誰かに、命のバトンをつないでいますか?

子ども達に伝えたい想いは何ですか?

大切なことを子どもたちに伝えていますか?

日野原さんの死から、そんなことを自分にも問いかけています。

 

 

 

 

理科好きの子どもにするためには、どうしたらいい?

子どもの理科離れが進んでいるという話を時々耳にします。なぜ、理科離れが進むと困るのか?実は、理科は、日本を支える様々な技術のもとになるものです。生物、微生物の世界は、農業や医療に役立ち、電気の世界は電気、電子工学、宇宙開発、ロボットなど、私たちの生活には欠かせない技術となり、地震、地質、気象は、災害に対する備えにも役立ちます。これからの日本を支えていくのは今の子供たちです。日本の未来のためにも、私たちの生活の中で欠かせない理科が大好きな子供に育てたいものです。

 いつから理科が嫌いになるか?

「理科の勉強が好き」と答えた小6は83・5%。小学校で理科は人気教科ですが、中3になると61・9%まで減少します。小学校では観察や実験などの体験的学習が中心ですが、中学になると理論的な授業が増え内容理解が難しくなるためだといいます。

先日、中2の娘の理科のテスト問題を見て思いました。難しい!応用問題が多く、計算したり、時間をかけて考えなければ解けない問題が多かったのです。このテストじゃ、理科が面倒で嫌いになるのも無理ないな~と、思いました。

私は、もともと理系です。理科がとっても好きだったし、今も大好きです。生き物を飼ってみては、その生態に感動し、命のつながりに感動し、今でも、わからないことがあれば調べて、その都度、そうだったんだ~!って、感心することが多いのですが、知らないことを知るのは面白く、小学生の息子と何かを観察していて、ちょっとしたことで、「何でだろう?」って不思議に思うことが、日常茶飯事です。

でも、あの、中学生のテスト問題は嫌いです。正直、やりたくないです。

それまで、好きだった理科が、嫌いになるのは、テストのための勉強をしているからなんだと思うのです。高校受験、大学受験のためのテスト対策。この問題が出るからと、覚えさせられる。

そうやって、覚えさせられたものは、理科であれ、ほかの教科であれ、「好きだからやる」ということからは程遠い物です。

学校は、教えた内容が定着しているかどうか、テストで確認します。優劣をつけます。どの程度身についているかどうかで、ふるいにかけられるので、高校、大学と、その網の目になんとかかかるように、知識を身にまとっていくのです。

でも、果たしてそれが、理科好き、勉強好きな子供を育てていると言えるのだろうかと、疑問に思います。

発展途上国の子供など、満足に学校に通うことができないような地域の子供たちは、「学校に行きたい」「新しいことをたくさん勉強したい」「勉強したことを地域に役立てられる人になりたい」という子がほとんどです。

新しいことを学ぶのが楽しくて、それを家族や地域のために役立てたい。だから頑張っている。

方や、教育環境が整っている日本では、勉強は面倒くさいものでしかない。ましてや、テストの点数をとるための勉強なんて、何のために勉強しているかという意識すら奪っていってしまいます。何のために学ぶかの、その根底が違います。

本来、学ぶことは楽しいことのはずです。

今、私は、テストでいい点数をとらなきゃいけない環境にはないため、単純に新しいことを学ぶのが楽しいです。身につけた知識を、子ども達にも知ってもらいたいな~と、日々思います。

生命は、こんなに神秘的で、素晴らしい不思議なメカニズムでできていて、この世に存在するあらゆる自然の形は美しく、自然にできたとは思えないほどの美しい幾何学模様があったりします。そんな、一つ一つに感動する心を、子ども達にも知ってもらいたい、味わってほしいと思うようになりました。

観察し、学ぶ感動と楽しさがありさえすれば、好きになるんだと思うのです。

実体験の不足

そして、理科離れの原因の一つとして言われているのが、実体験の不足です。塾も行ってる、勉強もできるし、知識はある。でも、実体験を伴っていない、という子が、非常に多い。

外遊びは減っている、テレビやゲーム、ネットにさらされる時間が長い、習い事で忙しく、時間がない。そういった、遊ぶ時間や環境がだんだんなくなっている子ども達。遊びで培われる力が、今は意識して作ってあげないとできない状況になってきています。

 

残酷な話ですが、例えば、ナメクジに、塩をかけたことがありますか?

私達親の世代は、比較的やった経験がある方も多いのではないかと思います。やったことがなくても、ナメクジに塩をかけると、とけるって、聞いたことはありますよね?

実際は、とけるのじゃなく、体液が外に出てきて、しぼんでしまうのです。それは、「浸透圧」という働きによるもの。細胞膜は、水は通すけど、それより分子の大きなものは通しません。塩をかけると、液体を同じ濃度にしようという力が働いて、半透膜を通して、塩分濃度の濃い方に、水分が流れ込んでいき、塩分を薄めるような働きをします。つまり、ナメクジの体の水分が、外の濃い塩分濃度を薄めようと流れ出てきてしまい、ミイラ化してしまうのです。

醤油を大量に飲むと死ぬと言いますが、それも、同じことで、胃の中に大量の塩分が入り込むと、塩分濃度を一定にしようと、体の中の水分が一気に胃に集まり、脱水を引き起こします。海水を飲んではいけない理由もそういうことです。

一度にたくさんの塩分をとってはいけない理由はそこにあります。最近、子どもに塩水を飲ませて子どもが亡くなったニュースがありましたが、そういうことです。おそらく、暑くてたくさん汗をかいたので、水分だけじゃなく、塩分もいっしょに取らせようとしたのではないかと思うのですが、幼児は体も小さいので、大人よりも、塩分濃度を薄くしなければいけません。一度に小さじ一杯(4グラム程度)で、致死量に至ると言いますから。子どもには薄味で、というのもうなずけます。

漬物を付けたことがある方ならわかりますよね。野菜に塩をかけると、野菜の水分が外に出てきます。塩分濃度の濃い方へと、水分が移動するのがわかります。

そういった、生活の中での実体験や、遊びの中での実体験がなければ、テストでいくら「塩分濃度の薄い方から濃い方へ水分が流れる」って覚えたところで、そのうち、あれ?どっちからどっちだっけ?って、なりかねません。なかなか理解しづらいことかもしれませんね。

焚き火や、薪ストーブ、お盆の送り火なんかでも、火を燃やしたことのある経験のある子なら、炎は、上へあがっていくのを体感していると思います。でも、実際に理科の実験でマッチを擦ったとき、マッチの軸を上に持たずに、下に向けたために、炎が指に上がってきて、「あっちっち!」という子がたくさんいます。それも、実体験の不足から。実験室の中では、まだ指がちょっと暑かった、という程度で済みますが、実体験の不足が、時として、命に関わることもあるのです。

面白い!なんでだろう?が学びの原動力

最近では、いろんなところで、科学実験教室なんかも開催されるようになってきて、科学への興味を持ってもらおう、理科離れを防ごう、という動きがでてきています。

好きになるには、「面白い!」って、思ってもらうことが一番ですから。

私も、子ども達に、よく台所での実験をやってみせます。

こちらはブルーマロウというハーブ。のどの痛みや気管支炎、皮膚の炎症を鎮める効果もあります。特徴は、なんといっても、この青い色。アントシアニンが含まれています。

お湯を注ぐと、きれいなブルーに。

ギュッとしぼると、きれいな紫色に。

レモンを加えると、きれいなピンク色へと変わります。

アントシアニンは、アルカリ性だと緑色に、酸性になるとピンクになる性質があります。試しに、重曹を入れたら緑色になりました。

こんな実験、アントシアニンがあるものなら、何でもできます。紫キャベツの汁とか、紫いもの粉とか、紫玉ねぎとか、ブルーベリージュースとか、山ぶどうジュースでもできます。

「うわ~~!!、色変わった~!」って、子どもと一緒に感動してみてくださいね。

紫いもの粉を使えば、色の変わるホットケーキも楽しめちゃうので、夏休み、親子クッキングで楽しんでみてもいいですね。こちらは、紫いもの粉を入れたホットケーキ。重曹に反応して、緑色になってます。これに、レモン汁を垂らすと、ピンクになります。

 

工作に、100均素材でミニロケットストーブを作ってみると、効率よく燃え続けるには、どうすればいいか、その構造を知ることができます。

夏なので熱いけど、せっかくなので、作ったら、キャンプに持って行って、マシュマロ焼いて食べてみると楽しいですよね。美味しいのが一番ですから。

 

アゲハの幼虫を見つけたら、餌となるサンショウの枝ごと家に持ってきて、さなぎになって、蝶になるところまで観察してみたいですよね。

完全変態する昆虫は、とっても不思議です。さなぎになって、いったんその中で、どろどろになってから羽の生えた成虫の形に体が作り替えられると聞くけど、それが不思議でたまりません。いったん溶けて、再合成される?

トンボも、今年ヤゴから始めて羽化するのを見ることができました。

もうね、感動です。水の中の生き物が、陸に上がって空を飛ぶなんて、すごいことです。どう進化したらこんなことになるんだろうかと、不思議でたまりません。

だから生き物は好きです。観察していて、とても面白い。羽化する瞬間を目にした感動は、忘れられません。

理科好きな子供にするには、まず、おうちの人が、面白がってみることが一番かもしれません。学校では、どうしても、テストテストで、だんだん嫌なもの、面倒なことになっていくので、せめて、これ面白い!なんでだろう?の種は、おうちで植え付けてあげたいものですね。

自然の中に、学びはあります。遊びの中で、科学の芽が芽生えます。

どうか、たくさんの体験をさせてください。

これからの未来を作っていくのは子ども達です。できた技術を消費することばかりに興味がいって、自分で開発する人にはなりたくない、なんてことになったら、大変ですからね。

 

2017年ホタルキャンプと川遊び~2日目

ホタルキャンプと川遊びの2日目。朝からじりじりと照り付ける太陽に、この日も気温がぐんぐん上がっていきます。二日目はどうしても大きい魚を捕まえたい。そんな男子の創意工夫が素晴らしかった。女子も泳ぐのが楽しくって、なかなか水から上がらない子ども達でした。

川は生き物の宝庫

二日目の朝。起きたときから、もう、じりじりと熱くなる予感のする朝。

朝ご飯ができるまで、子ども達はダムの上まで朝のお散歩。

お散歩から帰ってきたら、朝食のカレーうどん。前日の残りのカレーを片付けます。

お腹がいっぱいになったところで、早速川へ!!

昨日、小さな女の子がパパと作ったダムの続きを作っている小学生チーム。

どんどん石を積んでいきます。

石を動かしていると、やっぱり生き物に目が行く子供たち。気が付けば、いろんな生き物をすくっていました。

みてみると、トンボのヤゴも入っています。おそらくハグロトンボのヤゴ。

こちらもヤゴ。オニヤンマのヤゴかな?

生き物探しに夢中です。

みんなで頑張って、ダムも完成!

ダムを作ってるそばを、オニヤンマやハグロトンボが飛んでいきます。一足早く羽化したのが飛んでるんでしょうね。この川には、たくさんの生き物がいます。石をめくれば、トビケラの幼虫も、いっぱい見つかります。川は、生き物の宝庫です。

暑い日はスイカ割り!

川遊びしていても、だんだんお腹がすいてきます。「スイカ割りしたい!」という子供たちの声に、川から上がります。

みごと命中!でも、力が足りず、まだ割れません。

最後は、6年生に頑張ってもらいます。

なかなかパッカリ割れなかったので、もう、手でいっっちゃえ!!

最後は、もう、スイカジュースにして飲んでます。

お腹が満足すると、再び遊び始める子ども達。今度は水鉄砲戦争です。水鉄砲じゃ物足りなくなって、ペットボトルのキャップに穴をあけて、ペットボトル水鉄砲戦争に。これが一番いいかもしれません。

川から上がっても、やっぱり水遊びなんですね。

そうこうしてるうちに、もうお昼。あっという間です。

お昼はサンドウィッチ。これで食料は片付きました。

みんなももう着替えてしまって、テンともたたみ、いつでも帰れるように、片付けていると、「また、川行きたい~~!!」と、子ども達。

やっぱり、また行くよね。

と、言うことで、再び川へ。

ものがなければ作ればいい

川へ行くと、今度こそ魚を捕まえたいと男子チームは深みへ向かいます。

女子も深いところで泳ぎたい!でも、魚がいるところでバシャバシャやると「ちょっと、ここやめて!」って、お兄ちゃん。

女子は下流で遊ぶことに。

魚をどうしても捕まえたい2人。網ですくうのが難しいので考えた。

「釣ればいいんだ!」

釣り道具は何もない。そこで考えました。
植物のつるを糸代わりに。針はないので、トビケラの幼虫をエサにしてつるの先端に縛りつけて、石の重りをつけ、木の枝をさお代わりに糸を垂らします。


こんなんで釣れるわけないよなあ、そう思ってはいたけど、2人は真剣。
やりたいことを自ら考えてやっている2人を見守ることに。

そしたらなんと、早速魚が寄ってきて、つるの先端のトビケラに食いついてきた!


歓声をあげながらさおを引き上げるも魚がついてくることはありませんでした。
これには私もびっくり!!
釣れるかも! 2人の笑顔がさらに輝きます。

しかし、これがクライマックスで、その後魚が寄ってくることはありませんでした。
もし、そんなので釣れるわけがないと大人がとざしてしまってたら、この興奮はなかっただろうと思います。

「釣り竿がないから無理」って言わずに、やりたいといったことに、どこまで寄り添えるか。こういうやり方があるよって、アイディアを出して、子どもの発想をどこまで広げられるか。

今回は、はじめは、子ども達が葉っぱを結んでいってひもにしようとしていたけどうまくいかず、そこで主人が「つるを糸代わりにしてみたら?」と提案。「針がないけどどうしよう?」「虫を結んでみる?」そんなやり取りをしながら、実際に川虫をつかまえてきて、つるに結び付け、木の枝を探してきて、釣り糸を垂らす。結果、釣れなかったけど、物がなければ、自分で創意工夫してやってみればいい。なにもないところから物を作りだす経験は、子ども達にとってもいい経験だったんじゃないかと思います。

満足いくまで遊びこむ

男子が釣りに熱中してる中、女の子たちは泳ぎに夢中。まだ上手に泳げないけど、泳ぎたい。だから、大人の手が必要で、ちょっと離れたところから泳いできて、手につかまる、っていうのを、何度も何度も繰り返します。最初は、私は見守るだけで、水に入るつもりはなかったけれど、もう濡れてもいいや。この子達に付き合おう。そう思いました。

そのうち、もっと奥に行きたいというので、女子だけ昨日行った探検コースの深みへ移動。そこでももう、寒くなってブルブルするまで泳ぎ続けました。最後は私も一緒に泳ぎました。

そして、さあ、もうそろそろ、終わりの時間。でも、「まだ遊ぶ!」という子ども達。

でに、さすがに寒くもなってきたので、水から上がることに。今回のキャンプはこれで終了。みんなが作ったダムも、上から見ると、すごいです。

「みんなで作ったダム、すごいよね!」って、男の子。

満足いくまで遊びこんだ子供たちです。

息子も、帰りの車では、速攻で眠りにつきました。

こんな楽しい子供時代を、いろんな子に経験させてあげたいな。

改めて思ったキャンプです。

 

 

 

 

 

 

2017年ホタルキャンプと川遊び~一日目


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今年もホタルの季節がやってきました。毎年恒例ホタルキャンプと川遊びの楽しさを、ブログで紹介していきます。今回参加してくれたのは赤ちゃんを含めて子ども5名大人3名。30度を超す暑さの中、川遊びにはもってこいのお天気でした。夜は、月明かりがまぶしいほどでしたが、川面をふわりふわりと舞うゲンジボタルと、林の中をピッカリ光るヒメボタルを見ることができました。

生き物探しに川遊び!

ここは、山あいのダムの下、比較的浅い川が続くところです。きれいな川に住むゲンジボタルと、林床に住むヒメボタルが見ることができるキャンプ場です。

この日は30度を超す真夏日。川遊びにはもってこいのお天気です。

早速川に入ると、生き物探しが始まります。水がたまったところには、オタマジャクシやカエルがいっぱい。

石をめくると、いろんな生き物がいます。これは、おそらくカゲロウの幼虫。

あちこちの石の上に、抜け殻があります。

ちょっとわかりにくいけど、カゲロウの成虫です。

カエルも捕まえました。

両手にカエルをつかんで、うれしそうです。

上流のダムの直下に行ってみると、カワニナがたくさんいます。

カワニナ探しに夢中になります。

ペットボトルにたくさんカワニナをつかまえたところで、少し下流に行ってみます。浅いところにも、魚の稚魚がたくさんいたけど、深みに行けばもっといるだろうと、深みの方を覗いてみると、大きい魚がいました!!

大きい魚を捕まえようと、網をもって追い込んでいきます。

一匹ゲット!!

稚魚と比べると、こんなに違います。稚魚は、メダカくらいの大きさです。

ところがこの後ハプニングが!せっかく苦労してとった魚でしたが、うっかりケースをひっくり返してしまって、みんな逃がしてしまいました・・・。残念。

魚を追う男子チームのそばでは、女子チームは楽しそうにバチャバチャやってはしゃいでいます。

逃がした魚があきらめきれず、ゴーグルつけて水の中を覗いてみますが、その後はゲットできず。

もうちょっと奥へ探検しに行こうと、下流に向かってみます。

川底がすべって歩きづらいのと、深さがわからないので、木の棒を杖代わりに進んでいく女子。

一枚岩の場所は比較的歩きやすい。

途中、こんな深いところも。

あともうちょっとで、小さな滝があります。

探検コースはここまで。ちょっと小さな滝ですが、ゴールまでたどりつけました。

川から上がると、桑の実が食べごろです。みんな手をどどめ色にしながら、桑の実をほおばります。

小学生チームが探検コースに行ってる間、ちょっぴり遅れてやってきた小さいお友達。赤ちゃん連れて、初めての川へ。

川底が滑るので、戸惑いながら、パパと手をつないで歩いてみます。

川の石を積み上げて、ダムを作ってみます。

だんだん長くなってきましたよ。大きい石を運んできては、よいしょと置いていきます。

石を積むのに飽きてきたら、桑の実食べに行って、笹の葉とってきて、笹船作って流してみたり。

だんだんお腹もすいてきたので、川から上がることにします。橋の上から見ると、ダムも川の半分ぐらいまで、ちゃんとできてますね。

上に上がると日差しが熱いので、フキの葉っぱを傘代わりに、キャンプ場へと戻ります。

暗くなるのが待ち遠しい

キャンプ場に戻って、着替えたら、ブランコしたり、ハンモックで遊んだり。水分とって、おやつを食べて、腹ごしらえしたら、それぞれのんびり遊びながら過ごします。

小学生チームの子供たちには、晩御飯のカレーの具材を切ってもらいます。「やりたい?」って聞くと、「やるやる!!」って、張り切る子供たち。

まな板と包丁は2セットしかないので、代わりばんこで。

みんな、おうちでもお手伝いしているようで、手つきが慣れています。

川の方でとってきたフキを茹でてあく抜きしたものを、みんなで皮をむいて、醤油で炒めます。炒め物は女の子が担当。

いい手つきです。お醤油を入れるといい香りが漂ってきます。

小学生チームがお料理している間、お父さんはホオの葉っぱの風車を制作中。

うまくできたようです。

風を受けるだけでも、クルクルよく回ります。

走る!

走る!

カレーは煮込みにはいると、やることがないので、今度は焚き火です。焚き火といえば、やっぱりマシュマロ!

そして、焚き火を始めると、「捕まえてきたカエル、焼いて食べたい!」

という6年生のT君。「どうやって焼いたらいい?」

というので、

「まずは、やっぱり、足を持って気絶させた方がいいのかな~・・・」と、いうことで、気絶させて、割りばしに挟んで焚き火へ走っていくT君。

いや、確かに、カエルは鶏肉みたいだと聞いたことはあるけど・・・。あえて、私たちは止めませんでした。

「やめて~!!」と、泣き叫ぶ女の子。今まで、「焼いて食べれる?」と、聞いてきた子はいたけれど、本当に焼いて食べたのはこの子が初めて。鶏肉みたいな味だそうです。

ショックを受けてた女の子たちも、「ちゃんと食べなきゃ、死んだカエルかわいそうなんだからね!!」と、言いつつ、おそるおそるカエルを食べるT君を見ていました。

 

そんなショッキングな焚き火も、カレーができたので、いったん離れて晩御飯です。

高橋さんご夫妻。アイスとパイナップルの差し入れをもってやってきてくれました。

カレーとキュウリとわかめの酢の物と、フキのしょうゆ炒め、サラダに、デザートはパイナップル。お腹いっぱいになった子供たちは、暗くなるのを待てずに花火を始めます。

花火で盛り上がってるうちに、ようやくあたりは暗くなり、ホタルの舞う時間です。

ホタルの舞う夜

この日は、翌日が満月という、月明かりのまぶしいくらいの夜。川面に映る月もまた幻想的です。そんな川面を、ふわりふわりとゲンジボタルが舞っています。

とても幻想的で美しい夜です。

林の方に目をやると、ふわりふわりと飛ぶゲンジボタルとは違う、フラッシュのような光が。

ヒメボタルです。

ゲンジボタルはきれいな川に住んでいますが、ヒメボタルは一生を林の中で終えます。森のホタルです。パッパッと、小さなフラッシュが林の中に見え隠れしています。

大きさはゲンジの半分くらいの小さなホタルなのに、光は強いのです。

こんなに小さい。

こちらは、わかりづらいですが、ゲンジボタル。

夜は更けて、子ども達も、一日中遊び疲れてへとへとです。「眠い~」と、テントに潜り込み、あっという間に眠りにつく子供たち。

大人は子供たちを寝かしつけて、テントを抜け出し、アルコール片手に夜のたき火を楽しみます。

ヨタカの声が響く夜です。

 

遊び疲れるほどに

一日いっぱい、川で遊び、遊び疲れるほどにめいいっぱい遊んだ子供たち。カエルを食べるという、かなりショッキングな出来事もありました。自分で捕まえたものを食べる。男の子の本能なのかもしれません。

後で差し入れを持ってきてくれた高橋さんご夫妻。東京の韓国料理のお店?で、カエルのから揚げを食べたことがあると話してくれました。ところ違えば、それが当たり前ということもありますものね。

でも、川に住む生き物たちを目の当たりにして来た子供たち。そばで魚が泳ぐ川で、一緒に泳いだ子ども達。

どの子にも、遊び疲れてバタンキューで眠るくらい、たくさん遊びこむ経験をしてほしいものです。

 

 

 

マタギ舎ガイドでゆく白神山地~その2(生き物たちの物語)

前回に引き続き、マタギ舎のガイドであり、探検部の長年の友人でもある小池夫妻に案内を頼み、二日目は白神の巨木をめぐるコースを歩きました。推定樹齢500年を超えるであろう桂の巨木の他、ブナの巨木、ミズナラの巨木と、どれも樹齢300年ほどもありそうな巨木の森。それほども長い間生きてきた森は、豊富な水をたたえ、生き物たちのすみかとなっています。今回は、白神に生きる、植物を含めた生き物たちを紹介していきます。

白神の生き物たち

<ヤマカガシ>

白神で、まず最初に出会ったのはヤマカガシ。オレンジ色で猛毒を持っています。ヤマカガシの毒牙は奥の方にあるため、軽くかまれたくらいでは何ともないことが多く、毒がないと思われてきましたが、1972年中学生がかまれて死亡した事故から、毒があることが知られることになりました。その毒性はマムシの3倍にもなるそうです。

むやみに捕まえて遊んだりしない限りは、臆病なヘビなので、危険度は少ないのですが、出会ったときは、そっと見守ってくださいね。

<マムシ>

実は、うちの次男、白神ではありませんが、キャンプに行って夜の草むらで指をマムシに咬まれたことがありました。

その時は、ヘビの姿を誰もちゃんと見なかったので、何にかまれたかわからなかったけれど、指にくっきり2つの牙の咬み跡があり、みるみる腫れてきたことから、毒蛇と判断して、すぐに救急車を呼びました。到着するまで、患部より心臓側をギュッと縛り、患部を水で洗い流して様子をみましたが、ほんとうにみるみる毒が回っていくのがわかりました。手はグローブのように腫れあがり、腫れはだんだん肘の方まで上がっていきました。

救急車に乗って近くの病院に到着したものの、血清をそこで打つことができず、そこからさらに1時間半の大きな病院に再搬送。そこで初めて血清を注射することになりましたが、そこで、「血清は馬の血からできているので、馬の血が体に合わないと、アナフィラキシーショックで命に危険が及ぶ場合がある」と説明を受けました。でも、治療方法がそれしかないということで、血清を打つことを承諾しました。

幸い、ショックは起こらず、次男は一週間の入院で無事退院することができました。最終的に、血清が効いてくるまで腫れは上に上がり続け、肩まで腫れあがっていったので、毒が心臓まで行かないかとハラハラしました。

今回出会ったのはヤマカガシですが、そんなマムシも、この白神にはいます。マタギは、マムシも焼いて食べます。先が二股になった枝先でマムシの頭を押さえ、頭さえ落としてしまえば、あとはもう、皮をはいで焼いて食べるのだと言います。また、一般に、マムシは精が出るといわれていますが、串に刺して干物にして、よく庭先に干してあったそうです。

<バンドリ(ムササビ)>

山を登っていくと、大きなトチの木が。トチの木の巨木には、洞(穴)がありました。この洞に、以前バンドリとマタギが呼ぶムササビが巣を作っていたこともあるようです。晩に空を飛ぶからバンドリだそうです。ムササビはテンに襲われることも多く、マタギたちは、ときにいたずらして、カリカリと木肌を爪でやってみると、テンが来たかと思ってバンドリがひょっこり顔を出して下を覗くんだそうです。今回もカリカリしてみたけれど、残念ながらバンドリはいませんでした。

<二ホンカモシカ>

途中、変わった樹形のトチの木がありました。

これは、カモシカがトチの木の冬芽を食害することから、わきから新しく萌芽していってこんな姿になったようです。冬、雪深い中、木の上の方にある冬芽は、カモシカや、サルにとって最高の餌になるようです。トチの木の冬芽は他の木の冬芽より大きく、食べごたえがありそうです。雪解けとともに、下の方の冬芽も食べることができて、カモシカに一度目をつけられたトチの木は、ず~っと食べられ続けるそうです。ニホンザルなんかもこの冬芽が大好きで、バナナのようにむいて食べているんだそうです。ちなみにニホンカモシカは国の特別天然記念物に指定されています。

今回は、沢の砂地にカモシカの足跡を見つけました。

<ニホンザル>

今回、カモシカの足跡と同じ場所に、サルの足跡も発見しました。近くには、イタドリの芽の食痕がありました。

学生時代、林道を歩いていて、サルに囲まれた、なんてこともよくあったものです。

<ブナの巨木>

こちらは、大人が3人は入れるような大きな樹洞のブナの巨木。木は、中心が腐っても、樹皮に近い水や栄養が通るところがつながっていれば生きていられるんですね。逆に、樹皮を一回り全部はいでしまうと、木は立ち枯れてしまいます。

<イワナ>

沢では、深みがあちこちにあります。こういった深みに、イワナがいたりします。小池さん夫妻も、数人で追い込んで手づかみでイワナを捕ったりするそうです。ヤスでついたりもしますが、マタギ舎の工藤茂樹さんは、俊敏で、クマが魚を捕まえるように、片手でさっと水の中からイワナを捕まえることができるそうです。

今回は、なかなかイワナを見つけることができず、かろうじて一匹、魚影をみかけたぐらいでした。

イワナは山では大事な食糧です。たくさんとれたら串刺しにして陰干しにして、必要な時にたき火で焼いて食べます。

かぶりつくイワナの美味しいこと!頭と骨はとっておいて、集めてだしをとると、これまたおいしいのでした。

<サンショウウオ>

今回は沢を歩いていたら、ハコネサンショウウオに出会いました。白神には、このほか、トウホクサンショウウオ、クロサンショウウオもいるそうです。トウホクサンショウウオと黒サンショウウオは準絶滅危惧種になっています。

ハコネサンショウウオは、流れのあるところにいるので、簡単に流されてしまわないように、何かにしがみつくための爪がついているのが特徴です。渓流に住むハコネサンショウウオには肺がありません。また、前足は4本、後足は5本の指を持っています。

<オオミズアオ(大水青)>

沢に、羽がボロボロになったオオミズアオがいました。羽がうすい青色で、とてもきれいなガです。夜、たき火をしていると、たき火の中に飛び込んで焼け死んでしまいます。飛んで火にいるなんとやらです。

旧学名がActias artemisといって、ギリシャ神話の月の女神「アルテミス」からきているようです。写真ではわかりにくいですが、それくらい美しい羽根でした。

<ショウキラン>

葉緑体を持たず、菌類に寄生して栄養をとりこんでいる腐生植物で、ランの仲間です。菌根を作り、菌根菌から養分を略奪して生きています。一週間ほどで黒くしおれてしまいます。今回はジャストタイミングで見ることができました。

<ギンリョウソウ(銀竜草)>

こちらも腐生植物の植物です。幽霊の様にまっしろなことから、別名ユウレイタケとも呼ばれます。ショウキランの様に、菌類から栄養を得ているため、葉緑素を持っていません。

周囲の樹木と共生するベニタケ属の菌類に寄生し、養分を奪い取ることで生きています。やや湿り気のある腐葉土壌に咲いています。

<ササバギンラン(笹葉銀蘭)>

笹の葉のような葉っぱのランです。白神には、こんな野生のランが所々に見られます。

<サルメンエビネ(猿面海老根)>

唇弁が赤みを帯びてしわが寄っているのをサルの顔に見立ててこんな名前になったそうです。残念ながら、今年は花が終わった後でしたので、サルの顔に似ているというお花は、見られませんでした。どんなお花かは、サルメンエビネで画像検索してみてくださいね。

こちらも、白神で見られるランの仲間です。

<その他の生き物たち>

トカゲ

クワガタ

ゾウムシ

ヤゴの抜け殻

尺をとってるシャクトリムシ

コブヤハズカミキリ

ツガルミセバヤ

ウリノキ

フタリシズカ

サワグルミ

写真には取れなかったけど、ミヤマカラスアゲハに、カジカガエルもいて、

アカゲラ、オオルリ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、アオバト、キビタキ、カケスの鳴き声が聞こえていました。

他にも天然記念物のイヌワシや、クマゲラも住んでいる森です。

様々な動植物を生かしている森です。

森が命を育んでいる

二日目は、たくさんの巨木に会ってきました。200~400年も生きてきた巨木。

その周りには、朽ちて倒れている倒木もあります。木がたくさんの種を落とし、次の世代へと命をつないでいきますが、落ちた種が全部生き残るわけではありません。動物に食害されるもの、ほかの植物たちの陰となり、成長できなかったものなど、様々です。

それでも大きく育っていくには、寿命で倒れた木があると、そこに新たに光が入り、小さかった幼木が大きく育っていくことができるのです。朽ちては菌類が共生し、多くの虫たちのすみかとなり、最後は土へとかえって次の世代への養分となっていきます。

森の中の土はふかふかで、落ちた葉っぱが堆積し、厚い腐葉土の層をつくります。

命を育む森が、そこにありました。

 

命を感じる体験を

今回、白神山地に子どもたちを連れていき、たくさんの命をそこに見てきました。実際に見て、触って、感じ、においをかぎ、山の恵みをいただき、楽しく、とても幸せな時間を過ごしました。

命を育む森や、森のたたえる水の清らかさを体感してきました。

今回、20代の若者たちがたくさん参加してくれました。水に飛び込み、語り合い、笑いあいました。彼らはどんなことを感じ、どんなことを次に引き継いでいくんだろうか?

バトンは渡せただろうか?

私たち夫婦も、小池夫妻も、探検部時代、多くの時間をこの白神山地で過ごしました。ここで過ごした楽しすぎる時間は、のちの私たちの生き方のベースになっていきました。そして今、私たちが受け取ったバトンを、若い世代へとつないでいく年齢になってきたのかと思っています。

命を育む森の様に、若い人たちの知識となり、生きる力となる、その種を蒔くことができたのではないかな、と思っています。