- 身の回りのものは、面白いこと、不思議なことでいっぱいです。1/31は満月で皆既月食でしたね。欠けてゆく赤い月を子どもと眺めた方も多いのではないでしょうか?地球の動きと月と太陽との関係も、子どもにどうして?って言われて説明できますか?
いろんな、なぜだろう?どうなってるんだろう?面白いな、不思議だなって思うことは、理科の分野につながっていきます。地球、宇宙、地学、物理、科学、電気工学、生物など。
子ども時代に、そんな面白いこと、不思議なことにたくさん出会わせてあげたいと思っています。科学する心を育てることで、いろんな分野に興味を持つことができるようになるものです。
台所の科学実験
子どもに科学的な視点を持ってもらうために、身近なもので子どもといっしょに実験してみましょう。
【おいしい色変わり実験】
比較的家庭でも手に入りやすい材料で、台所実験をしてみると面白いです。
上の写真はマロウブルー。ハーブティーとして売っています。咳などの呼吸器系や、胃腸の調子を整える効能があります。
お湯を入れると、きれいな青色が出ます。
おもしろいのはここから。レモン汁を入れると、サッときれいなピンク色に変化します。
ここまでは美味しく飲めますが、この先は、飲んでもおいしくないお茶になるので飲むのはお勧めしませんが、重曹をティースプーン一杯入れると、シュワシュワいいながら今度は緑色に変化します。
こんな風に色の変わるのを楽しめるものに、紫キャベツのしぼり汁や、100%ぶどうジュース、紫いもの粉、黒豆のゆで汁などがあります。
色の変わる実験で必要何かというと、紫色の色素でもあるアントシアニンというポリフェノールの一種を含んでいるものなら何でも試薬にすることができます。
小麦粉、砂糖、重曹、豆乳、紫いもの粉を使ってパンケーキを焼くと、最初はほんのり紫色の生地だったのが、
焼くと緑色に変化します。アントシアニンと重曹(アルカリ性)が反応したせいです。緑色のパンケーキにレモン汁(酸性)をちょっぴりたらすと、ピンク色に変化するので、食べてもおいしい、色が変わるパンケーキを作ることができます。
紙にぶどうジュースをしみこませたものに、重曹水を綿棒に浸して絵を描いていくと、重曹のアルカリと反応して紫色の紙が緑色に変化します。
もう一つ、カレー粉を水で溶いたものを浸したものに、石鹸水で絵を描くと、赤く変化します。
これは、ターメリックの中に含まれるクルクミンという色素が、石鹸水のアルカリと反応して赤くなります。カレーをこぼした洋服を石鹸付けて洗おうとして赤く染まったことはありませんか?
色変わりマジックは、子ども達も喜ぶので、ぜひ、親子で一緒にクッキングしながら、楽しんでみてください。
【ミカンの缶詰を作る】
ミカンの缶詰は、ミカンの小袋の房をアルカリで溶かして、最後酸で中和させています。
おうちでも、ミカンの缶詰のような、房を溶かしたものを作るものができます。
使うものは重曹。
必要なのは
・みかん 5~6個
・水 800ml
・重層 小さじ1
沸騰したお湯に重曹を入れて、外皮をむいたみかんを房をばらばらにして入れます。
沸騰させて2分ほど。薄皮が溶けてきたら、ざるにあげて軽く水洗いし、残った薄皮を取り除きます。シロップに漬けたら出来上がり。
シロップは、以下の通り。
水・・・100ml、
レモン汁・・・小さじ2、
砂糖 ・・・大さじ5~6
アルカリはペクチンを溶かすので、おうちでも簡単に溶かすことができます。お湯は沸騰させておくのがポイント。
電気を作ろう
身近なもので電気を作るのも楽しいものです。
【11円発電】
簡単なところでは、1円玉と10円玉を使って発電することができます。
使うのは、11円と濃い目の食塩水に浸したティッシュ。
10円と1円の間に食塩水を浸したティッシュを挟むと・・・
電気がおきます。1vないくらいの弱い電気です。
乾電池で1.5vなので、LED光らせたりするには電圧が足りません。
銅とアルミと食塩水で電気が起こせるということで・・・
55円発電!ミノムシクリップやLEDはホームセンターで入手。
赤色LEDが比較的低めの電圧で点くらしいのです。
アルミニウムが電解質に溶け出すことで電子が放出されるため、電流が流れる仕組みです。ボルタ電池は、銅板と亜鉛板と、電解質に硫酸をつかったものですが、それを、より手軽に確かめる方法がこれ。
55円と電解質には食塩水を使っています。
この方法だと、1円玉が溶けるので、あまり長くはやらないほうがいいでしょう。
【リアルアップルウォッチ】
11円発電と同じような考えで、レモン電池やリンゴ電池が作れます。
本当は亜鉛板の方がいいのですが、亜鉛板は手に入りにくいので、銅板とアルミ板を使いました。
レモンやリンゴの他、じゃがいもやキウイでもできます。
クエン酸、リンゴ酸やリン酸などの電解質が多く含まれていると電気がよく通ります。
銅板とアルミニウム板を交互に刺してミノムシクリップでつなぎ、時計(写真はストップウォッチ)のボタン電池を外し、プラスの電極とマイナスの電極をつなぐと・・・リアルアップルウォッチです。銅板とアルミニウム板5枚ほどで時計をつけることができました。
もちろん、10円と1円玉を使ってもできます。時計は、100均にあるボタン電池一個で動く奴なら動きます。
電極を刺したリンゴは、アルミニウムが溶けだしているので、絶対食べないでくださいね。
【活性炭電池】
アルミホイルと活性炭、食塩水を浸したティッシュを使っても電気を作ることができます。
備長炭電池なんかは、備長炭に食塩水浸したキッチンペーパーを巻き付け、さらにアルミホイルで覆うと電気が起こるものですが、除湿剤に使われる活性炭や、水槽の水をきれいにする活性炭を使っても電気を作ることができます。
アルミホイルを敷いて、その上にキッチンペパーに食塩水をかけ、活性炭を載せ、アルミホイルで挟みます。ギュッと押してあげると、電気がおきます。
1.2v位の電圧です。でも、これだとLEDはまだつきません。
そこで、同じものを3セット重ねると・・・
点きました!電圧は2.2vくらい。
AMラジオの端子にプラスマイナスをつなぐと、ラジオも聞くことができます。
ギュッと抑えなきゃならないのと、アルミ同士がくっつかないように注意が必要ですが、結構大きな電気を作ることができます。
【鉛筆蓄電池】
鉛筆の芯に5分ほど電気を通します。コップの中には食塩水。
電池を外して、鉛筆の芯にたまった電気を調べてみると・・・
1vぐらいたまっていました。すぐなくなっていきますが、炭素棒に電気をためることができます。
その他にも、風力発電や、ソーラー発電、ペルチェ素子を使った熱による発電など、小さな電力で動くソーラー用のモーターがあれば、いろいろ試してみることができます。
電気を作るのは楽しいものです。
木を燃やす
ミニウッドガスストーブを100均素材で作ったものがあります。
しくみはこんな感じ。
二重の大きさの違う缶にきりで穴をあけて、空気の通り道を作ります。
使ったのはオイルポットと貯金箱。
作り方はこちらのブログを参考にしてください↓
周りにレンガなど置けば、やかんを置いてお湯を沸かすことができます。
割りばしを燃やしたり、非常用に一つあると便利です。
科学する心を育てよう
外でたくさん遊べる季節なら、植物や、虫など、不思議だな、面白いな、っていうものに出会う機会は多くなります。
田んぼをのぞけば、そこには微生物や水生昆虫、オタマジャクシなどの生き物の世界が広がっているし、木や、土の上には昆虫の世界が広がっています。
川遊びで川の流れの働きを体感し、川の中には魚が。川底の石をひっくり返せば、そこにも水生昆虫の世界があります。
今は冬。
生き物たちに出会う機会がぐっと減る今、家の中でもできる、科学する心を育む実験をしてみたらいいんじゃないかと思いますが、火を使うものだけは、外でやってくださいね。
例えば、この前月食がありましたが、どうしてだろう?って思ったら、図書館で本を借りてきて調べてみてもいいですね。なんでだろう?って思ったタイミングで絵本や図鑑に触れると、子ども達はスポンジで水を吸収するように、そのことに関連したことまで興味を持ったりするものです。
タイミングを大事にしてみてくださいね。
また、台所実験は、冬でもできる、楽しい実験なので、外遊びできないようなときにお勧めです。
【バスボムを作ろう】
酸とアルカリの実験では、重曹とクエン酸でバスボムも作れるので、親子で作ってみてもいいですね。
重曹大さじ2
クエン酸大さじ1
お好みでバスソルトやコーンスターチを大さじ1
お好みのアロマオイルス2~3滴
材料を混ぜたら、スプレーボトルに水を入れ、少しづつ水を吹きかけて、にぎって固まるぐらいの湿り気をつけます。水を入れすぎると反応が始まってしまうので注意です。
ラップに包んできゅっと口を縛り、一日寝かせておきます。
お風呂に入れると、重曹とクエン酸が反応してシュワシュワと泡が出ます。二酸化炭素の泡が発生し、炭酸風呂でよくあったまります。
バスボムの中に小さなおもちゃを入れてギュッと固めると、シュワシュワ溶けたときにおもちゃが出てくるので楽しいですよ♪