子どもとの関わり方~言葉

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4人の子育てを21年間してきた中で、たくさんの子どもたちと接し、たくさんの親御さんと出会い、親子のいろんな関わり方を目にしてきました。

今も、日々、接する子供たちの会話から、いろんな家庭環境が垣間見えます。

その中で、気になっているのが『言葉』です。子どもが発する言葉もそうですが、大人が子供にかけている『言葉』です。

子どもの関わり方、特に言葉の関わり方を考えてみたいと思います。

操作する言葉

大人の使う言葉で、気になるのは、『操作する言葉』です。

でも、操作する言葉は、使うほどに、子どもも、大人もイライラとストレスのたまる言葉です。

大人の「こうしてほしい」「こうなってほしい」「これはしてほしくない」という意図があって、「~しなさい」「~したの?」「~しないの!」と子どもをコントロールしようとする言葉です。

そこには、子どもに対する信頼はありません。あるのは、大人の都合。

「何時までに〇〇しなきゃ。」

大人の都合はもちろんあります。それをすべて投げ出せと言っているわけではありません。限られた時間の中、何時までにこれをさせなきゃ、今これをやられるのは困る、という場面は、日々の生活のシーンでたくさんあります。

家庭の中では、子供とのコミュニケーションの中で、子どもを信頼する言葉よりも、圧倒的に多いのがこの、「子どもを操作する言葉」だという家庭も多いのかもしれません。

「いくら言っても宿題やらなくて困ってる」「ゲームやめさせたいけど、なかなか時間守ってくれなくて・・・」「早く寝なさいって言ってるのに・・・」

小さな子なら、「なかなか着替えてくれない」「ご飯をだらだら遊び食べして、なかなか終わらない」そんな場面ばかりだと思います。

親は、どうしても忙しく、日々のことに追われ、時間に追われ、今これをしてくれないと困る、と思うから、コントロールする言葉がけが多くなりがちなの本当によくわかります。私もそうでしたから。

でも、子供は思うように言うこと聞いてくれないことの方がはるかに多くて、コントロールできなければできないほど、イライラが募り、怒ったり、脅したり、ご褒美で釣ってみたり、あの手この手を使います。

一番いいのは、子どもを信じてみることなんですが、そうしようと思うと、これが、わかってはいるけど、何の修行だろうかと思うほど、こちらの忍耐が試されます。

子供を信じるためには、まず、親の方に余裕がないとできないものです。

今、本当にそれをしなくてはいけないのか?ちょっと待ってあげることはできないか?そのためには、親の方も、「これくらい、ま、いっか」って思えるくらいの余裕がなくてはいけません。

本当に、今すぐこれをしてくれないと困る!という場面をできるだけ最小限にして、多少時間がかかってもいいいかな?どうしても今これをやらなきゃいけないわけじゃない、という場面では、極力コントロールする言葉を使わないようにできないでしょうか?

家に遊びに来る子ども達の中でも、「新藤さんちはいいな~。新藤さん、怒らないでしょ?うちなんか、すぐ怒るからさ~」っていうような子は少なくないです。

人に迷惑かけないように、厳しくしつけなければとがんばっているお母さんの姿も目に浮かびます。

でも、まずは、子どもの心が元気であることを一番に考えるのであれば、子どもがリラックスできる環境が大切です。大人が常に監視しているような態度であれば、子どもは緊張し、委縮してしまいます。

リラックスすると、子供はよく笑います。そして、素直になります。わがまま言ったり、泣いたり怒ったり、感情表現が豊かになるかもしれません。

でも、それは悪いことではありません(ちょっと困るときもありますが)。

おうちがリラックスできる場であるということです。

ありのままの自分を表現できるということです。

それともう一つ、小さな子の場合。

よく、小さなお友達同士、おもちゃの取り合いがあったりとか、相手の親御さんが、「〇〇ちゃん、貸してあげなさい。どうぞでしょ?」なんて言って、貸してもらった時とか、「ごめんねは?」「ありがとうは?」って言ってしまいがちです。

他の親御さんの手前、「かして」「どうぞ」「ありがとう」ができるようにと、親御さんは結構神経を使います。私もかつてそうでしたから、よくわかります。

でも、これも、コントロールする言葉です。

小さな子の場合は、親御さん同士、「どうぞ」「ありがとうございます」を言う姿をお子さんに見せるだけでいいと思っています。無理に、こどもに「ありがとうは?!」なんて、迫る必要はないのです。

日頃、家の中で、子どもとのやり取りの中で、「これ、ちょうだい」「ありがとう」「はいどうぞ」って、子どもから受け取ったり、あげたりということを繰り返していると、貸してあげても、またかえってくる経験をする。そういう繰り返しの中で、貸し借りがだんだんできるようになってくるものです。

基本的に小さな子は、今目の前にあることしか見えていないので、今楽しいから貸せない、やめられないっていうのは当たり前のことです。

先を見通す力は、遊びの経験の中でしか育っていきません。

 

信じる言葉に

では、操作する言葉を使わないで、どうしたらいいのでしょうか?

操作する言葉をできるだけ言わないように、信じる言葉に変換していってみたらいいのではないでしょうか。

我が家では、3年生の息子に宿題しなさいと言うことはありません。放課後は友達と遊んで、帰ってきてからおやつ食べたり本読んだり、テレビ見たり、だらだらする時間を過ごしてから、6:30には宿題するって、子どもが自分で決めました。だから、私は、声掛けするとしたら「もう6:30だけど?」って、事実を言うだけ。

それでも、夜、だらだらして、なかなか歯磨きしたり、寝る準備をしないこともあります。そんな時、「ほら!早くしなさい!もう9時でしょ!」って、やっぱり言ってしまいます。でも、いくら言っても全然ダメなんだけど、「じゃあ、もうお母さん疲れたから先寝てるから、歯磨き終わったらおいで。」って、こっちがさっさと布団に入っちゃえば、あわてて歯磨きしてトイレ行って、布団に駆け込んできます。

 

例えば、小さな子を連れて病院に行ったとき。子どもが騒がないようにしてほしいっていう時に、あらかじめ、子どもに話しておきます。

「病院の中では、具合の悪い人いっぱいいるから、小さな声でお話ししようね。」とか、「これからちょっとチクって注射するけど、すぐ終わるからね。○○ちゃんが元気になる注射からね。」って伝えておきます。

待合室では、小さな声で絵本読んであげるとか、静かに手遊びしてみるとか、座って静かにできるような働きかけも必要ですが、そういうやり取りの中で、静かにしていなきゃいけない場所なんだな、っていうのは、子どももわかるようです。

お母さんも、病院の中では、小さな声でお話ししていると、子どもは案外小さな声でお話ししてくれるものです。静かにしていてくれたり、注射で泣かなかったりしたら、「小さな声でお話しできて偉かったね」「注射、ちょっとチクってしたけど、我慢できてすごいね」って、いっぱい褒めてあげます。

基本的に、『あなたはきっとできるはず』と、信じている関わりです。

なかなか、そううまくいくことばかりでもありませんが、操作する言葉をできるだけ減らして、信じる言葉に変えていこうと意識するだけでも、だいぶ変わります。

忘れてならないのは、ちゃんとできたね、って褒めてあげること。認めてあげること。これ、忘れがちなので、心にとめておいてくださいね。

自分で決めて、自分でできたという経験を、ちょっとづつ積み重ねていくことです。

3000万語の格差

『3000万語の格差』という本を読みました。

人工内耳移植で、音のない世界の赤ちゃんに、音をプレゼントした外科医である著者のお話しでした。ある同じくらいの月齢の二組の赤ちゃん(生後八か月と生後7か月)に、人工内耳移植をしました。

八か月の男の子ザックは、初めて聞くお母さんの声に笑い、時には泣き、感動的な聞く誕生日を迎えました。ザックの家庭は、話す声、歌う声、読む声であふれていました。小学三年生になった時、他の子と何ら変わりなく読み書き計算もでき、友達と遊び、兄弟げんかしたり、知性とやる気に満ちた9歳の男の子に成長しました。

もう一人の七か月の女の子ミシェルもまた、聴覚を持たずに生まれてきて、補聴器を付けましたが、効果は感じられず、二歳になって人工内耳移植を受けました。ミシェルの家庭は、父親も聴覚障害があり、補聴器をつけていました。母親は、ミシェルを愛していましたが、仕事がなく、お金がないという大変さに加え、障がいを持つ子どもが生まれたことは大きな負担になっていました。

ミシェルは人工内耳のスイッチをオンにしたとき、音には反応しましたが、目の前のカップケーキを食べ続け、音のある世界に感動した様子は見られませんでした。その後も小学三年生になったミシェルは、手話を主体としたクラスにいました。読字レベルは幼稚園レベルギリギリで、目の輝きはなく、お昼ご飯も持たず、汚い衣服のままで、音声言語でも、手話言語でも、コミュニケーションをうまく取れない状態でした。

それは、聴覚障害の悲劇なのか、貧困の悲劇なのか分かりませんでした。

著者は、言語を司る脳神経が発達する時期に聴覚を取り戻したら、その子の人生を変えることができると信じていました。脳神経の85%は3歳の終わりまでに完成すると言われているからです。でも、この二人の赤ちゃんの大きな違いによって、聴覚を取り戻すことだけでは解決できないと気づいたのです。

その後、貧困家庭や、豊かな環境に生まれた子ども達など、様々な階層の子ども達を長期間調査することで、脳の発達には、「どんな言葉」が話され、「どのように」子どもに向かって発せられているかが大きく関係することがわかってきました。社会的経済的状態そのものというより、言葉を、どれだけ聞いているかによって、成績が大きく左右されるということがわかってきました。

傾向として、確かに貧困家庭の方が家庭の中で話されている言葉の数は少ない傾向がありました。それは、おそらく、親の忙しさや、生活の余裕のなさで、親の方にも余裕がなかったり、貧困の連鎖によって、そもそも、貧困家庭の親が、たくさん言葉をかけられて育ってこなかったのではないかというような、背景もあるのかもしれません。

とりわけ大きな要因とされたのは、初期の言葉環境でした。

家庭の中で話し言葉が少なく、子どもの反応を引き出す働きかけも少なく、語彙も乏しい家庭環境に育った子供は、脳が十分に発達しないのだと。

音が聞こえていたとしても、豊かな言語環境がなければ、子どもは本来の力を発揮できないのです。

豊かな言語環境で育った子供と、そうでない子供の差は、3000万語もあるということです。

英単語もそれほどわからず、英語をあまり話せない人が、英語の授業を受けたとして、一つわからない言葉があると、そこでつまづき、そのあとどんな話になったかついていけないように、言語の処理能力が遅いことで、その後に続く言葉の理解がかなり難しくなってくるのです。

豊かな言葉環境のために

豊の言葉環境を幼いうちから与えてあげるには、温かい言葉で、プラスの言葉であることが基本的には大切です。そのうえで、子どもが興味を示したものに寄り添い、共感し、言葉で補ってあげたり、そこから言葉のやり取りをすることが、その後、自分で自己制御する力を養っていくということです。

絵本を読んだり、歌ったり、音楽を楽しんだり、自然で遊んだり、そういう関わりの中で、言葉のキャッチボールをしていくのです。

散歩の途中でアリを見つけてしゃがみ込んで、アリをつまもうとする子供のそばに、一緒にしゃがんで、「アリさんいっぱいいるね」「どこにいくのかな?」「アリさんのおうちどこだろう?」なんて、会話してみたり、アリをつぶしてしまったら、「あ~あ、アリさん、死んじゃったね。もう動かないね。」と、事実を伝える。

例えば、子どもが皿の中のレーズンをカーペットにぶちまけ、その上を行ったり来たりしているとき。

そんな時「レーズンの上を歩かないで。カーペットが汚れてしまうよ。レーズンは汚れてしまって、もうおいしくないよ。拾って捨てよう。一緒に捨てて、タオルで拭こう。」

「お掃除するのうまいね。靴下は脱ごうか?くさい足跡がつかないようにね。よし。手を洗ってこよう。そしたら、別のおやつをあげるよ」

というように、具体的に話すこと。何が困ることで、どうすればいいかを話すこと。

こういうやり取りをしようと思うと、親はものすごくエネルギーを使います。けれど、こういう関わり方によって、子どもは自己制御を学んでいくのです。

でも、こういったことは、しつけのテレビを見させたとしても、身につかないのだと言います。そこには、会話のキャッチボールが必要なのです。

〇〇しなさい。まだ○○してないの?またそんなことして!子どもの結果ばかりを見て怒ってばかりいると、子どもはストレスを感じます。ストレスを感じている状況にあるとき、子どもの中におこる反応は、「闘争か、逃走か」です。反抗するか、逃げ出すか。その間、自分を守ることに脳は必死で、自分を制御する力は、発達しません。

自分で、これはいけないことなんだな。やめなくては。と、行動に移せるようになるためには、言葉の力が必要です。

そういう意味で、今の子ども達を見ていると、とても心配になります。スーパーのカートの中で、病院の待合室で、スマホの画面に夢中になっている小さな子をよく見かけるようになったからです。スマホに集中している間、そこには会話のキャッチボールは生まれません。言葉をかけても、子どもは上の空です。

3000万語の格差は、必ずしも貧富の格差ではありません。

今の時代、どこの家庭にも起こりえる格差です。

大人は、子どもの前にいるとき、今この瞬間も、目の前の子どもの脳を育てているのだと意識してみる必要があるのではないでしょうか。

3歳までの言葉が大切だから、早期教育しなさいと言っているわけではありません。3歳までがとりわけ大切な時期ですが、例えその時期を過ぎてしまったとしても、今からでも、言葉の関わり方を変えることはできます。

私たち大人は、子どもの脳を育てる関わり方ができるのだと思っています。

今後のプレーパーク

我が家のおうちプレーパークは、水曜以外の放課後は、だいたいいつでもあいています。週末も、予定のないときは、子ども達を受け入れています。

小学生だけじゃなく、だれでも、来てみたいと思ったら来れる場所です。中学生でも、何もないのに来にくければ、勉強を教えることもできます(社会だけは苦手なのですが…)。

ちょっと来てみたいと思った方は、まずはお問い合わせくださいね。

その他、プレーパークは誰でも来ていい場所です。

 

★ちとせ小学校放課後プレーパーク・・・毎週水曜(10月末まで)

だいたい15:00~17:30まで(暗くなるのが早くなってきているので、暗くなる前に帰れるように片付けています)。雨天中止

★10/19(土)十和田市若葉公園プレーパーク・雨天中止

10:00~15:00

★10/27(日)21:00~zoomでのイベントがあります。  
 
 
 
皆さんが、子ども達の未来に残したいこと、伝えたいことは何でしょう?
自然環境、平和、豊かな食卓、文化の伝承…それぞれ大事にしたいことも違えば、伝えたいことも違うと思います。
子ども達の未来に、それぞれ、何が残せるかを考え、そのために一人一人に何が出来るかを考えていきましょう。

zoom を使って、自分の家にいながら参加できるオンライン講演とワークです。
インターネット環境があれば、PCだけでなく、スマホからでも参加できます。

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SDGsの掲げる【誰一人取り残さない地球】という言葉に共感し、インスピレーションを受けたメンバーが立ち上げたE-Projectのイベントです。

SDGs(持続可能な開発目標)の17ゴールのうち、
1~17に対応しています。

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参加料金:1000円(税込)

※講座料金は、Happy Childrenの活動費として使わせていただきます。子ども達の放課後の居場所、放課後のプレーパークの時の子ども達のおやつや、材料費に当てさせていただきます。
また、講座料金の一部を、グッドネーバーズ・ジャパンに寄付させていただきます。

<講座料金の支払いについて>

下記にお振込みください。

【ゆうちょ銀行】

シンドウサチコ
記号 18420
番号 7138981

【他行から】
店番 848(ハチヨンハチ)
番号 0713898

※PayPalでお支払い希望の方はメッセージ下さい。改めてこちらからメッセージします。

※zoomのURL は、参加申し込みしてくれた方に後日お知らせいたします。

事前にzoomアプリを入れて、登録が必要です(無料)。
 
参加申し込みは、FBイベントページから。又は、ブログのお問い合わせフォームよりお願いします。
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【寄付のお願い】

はぴちるは、皆様からの寄付によりプレーパークの材料費や交通費をあて、活動しております。子ども達へのおやつは、ほぼ自腹で賄っております。(ときおり、みんなで食べてねと、差し入れ下さる方もいて、とてもありがたいです)

活動費のお振込みも随時受け付けております。

今後もこのような活動を続けていくために、どうぞ、ご協力をお願いいたします。

今年買ったばかりのハンモックも、子ども達の激しい使い方に、早くもやぶれてしまいました。何とか縫って、補修しながら使っています。

皆様からのご寄付をお待ちしております。

【ゆうちょ銀行】

記号18420 番号7138981

シンドウサチコ

【他行より】

店番848  番号07138981

 

Amazon欲しい物リストから購入して下さり、配送先をHappy Childrenに変更して応援いただく方法もあります。

昨年11月に出版した私たちの本もよろしくお願いいたします。Amazonでも購入もできます。どうぞ、手に取ってごらんください。

ある日突然やってきた、悪ガキたちとのやり取りを綴った『悪ガキたちの秘密基地』。後半は、子どもたちに伝えていきたいこと、私たち夫婦の子育て、大事にしてきたこと、これからの時代を生きる子どもたちへ。そんなことが書いてあります。

アマゾンで購入された方、よろしければ、読んだらレビューを書いていただけるとうれしいです。

皆様のお声が、励みになります(*^-^*)。よろしくお願いいたします。

『悪ガキたちの秘密基地』

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