ペイフォワードで今日から世界を変えてみよう!

ペイフォワードという映画はご存知ですか?

ある学校の先生が、子供達に、「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題を出します。11歳の少年トレバーが考えたアイディアは、奇想天外なものでした。

人に親切を受けたら、恩を返す『恩返し』(ペイバック)は、日本の昔話でもなじみのある考え方ですが、トレバーが考え出したのは、『恩送り』(ペイフォワード)という方法。一日3人の人に親切にし、その3人は、違う3人に親切にする。それを繰り返していったら・・・。果たして、ペイフォワードで世界を変えられるのでしょうか?

『1つぶのおこめ』~さんすうのむかしばなし

今朝は、小学校での朝の読み聞かせがありました。6年生に読んだのは『1つぶのおこめ』という絵本。インドの昔話です。

あらすじはこうです。

むかし、インドのある地方に、一人の王様がいました。王様は、稲が実るころになると、「いつか飢饉になったときのために、わしがしまっておいてやる」。そう言って、お米を召し上げてしまいます。ある年、飢饉が来たけれど、王様はお米を人々に分け与えるどころか、宴会をひらいて、自分が楽しむばかり。賢い村娘ラーニはある計画を立てるのです。
王が運ばせる米のかごからお米がこぼれているのを見つけたラーニは、それを拾い一度王様に返すことで、褒美として1粒のお米と、それから30日間、翌日には前の日の倍のお米をもらうこととを王に約束させます。村娘相手に威厳を保とうとする王でしたが、一日目は1粒。2日目は2粒。3日目は4粒。4日目は8粒。5日目は16粒・・・。倍々に増えていくお米。30日目には、それはそれは考えられないほどの米粒をとりもどすことに成功したラーニ。

なんと、30日目に手にしたお米は、4つの米蔵いっぱいのお米。5億36870912粒。最初の日から合わせると、10億粒ものお米を手にしたことになるのです。

 

子どもたちも、最初は算数のお話か~ぐらいな感じで聞いていましたが、倍々でお米が増え続け、米蔵2つ分になったあたりの見開きの絵を見て、「やばっ!」って、ざわめきが。そう、あるところから、ものすごい勢いで増えていくんですね。

新聞紙を27回折ったら、富士山よりも高くなる、っていう話もありますから、倍々に増えていく数の面白さは、私たちの予想を超えていきます。

世界を変えるには何日かかる?

「1つぶのおこめ」では、倍々に増えていったら30日で合計10億粒以上になりました。世界の人口73億人として、全員に1粒お米がいきわたる量になるには、実は32日で行きわたるのです。

では、冒頭のペイフォワードに戻りましょう。トレバーは、一日3人に親切にする。その3人は、別の3人に親切にします。それを繰り返していくと・・・。「1粒のお米」のように、今度は3の累乗で増えていきます。そうすると、73億人が全員親切にされるためには、何日かかると思いますか?

 

実は、たったの21日です。

 

親切にされると、うれしくなりますよね。ありがとうの気持ちが湧いてきます。自分が親切にしてもらったように、他人に親切にしていけばいいのです。それも、たった3人に。それだけで、世界中がありがとうの気持ちで埋め尽くされる。そう思うと、なんかすごいですよね?

実際に、恩を送ってくれない人がいるかもしれないけれど、計算上はそうなるんです。世界にありがとうを広げていくには、21日あればいい。2人に親切にしたって、32日。

日々、楽しいことばっかりでもないでしょう。生きている限り、辛いこともあるし、憎らしい気持ち、悲しい気持ち、嫉妬する気持ち、怒り、いろんな気持ちが沸き上がります。でも、そんな気持ちがとげとげしている時でも、ほんのちょっと、ありがとうに変えていけるとしたら、世界はより良い方向に行くのかもしれないですよね?

この映画の結末は、ちょっとショッキングな結末だけれども、そうだとしても、恩は送られ続けるのです。次の人へと。

 

息子のペイフォワードと感謝の循環

去年の夏、長男が自転車旅行に出かけました。大阪から宮崎まで。その旅の途中でたくさんの親切を受けてきた長男。

ツイッターのフォロワーさんの家に泊めてもらったり、ドイツエコツアーでつながった友達の勧める宿を紹介してもらったりしていたようです。

息子のFBの投稿には、こんな記事が。

『電車で輪行してる時に向かいの席に同じく輪行してる40代くらいの男の人がいて気になってたんですが、その人も僕の行き先と一緒だったらしくフェリーターミナルでもまた会ったんです。それで自分から話しかけたら仲良くなって飯行こうと言われ、なんと腹一杯奢ってくれました!!
その人は、自分も若い頃は旅しながら散々いろんな人に奢ってもらったから、今度は自分がお返ししなきゃって言ってました。
僕もそういう大人になりたいです。』

 

その投稿に、旦那と私がコメントして、息子が返信します。

父『よかったね。大切なこと教えていただいて、ありがたい。』

息子『お父さんも同じようなこと言ってたよね。旅人っていいね。』

母『うんうん。そうやって感謝は巡るね。』

息子『俺も大人になったら巡らせたい』

そして、こんなことも。

『昨日の夜からずっと携帯の電源が切れて、今日は地図も何も無い状態での出発でした。熊本市内から、通行人や郵便局や村役場などで道を尋ねながら100km以上離れた街灯もほとんどない山奥の民宿になんとかたどり着いて寝床を確保しました…。

途中何度も何度も道を間違えてぐるっと一周したり同じ道を引き返したり大変でした…。

五木村に着いて安心したのも束の間、近くにいた人に携帯をお借りして2日前に予約した民宿に電話するも、予約は入ってないと言われて頭真っ白になりました。
けど幸い宿泊者がいなかったので急遽泊めてもらえる事に。
しかし役場の人に場所を聞いてみると五木村役場から民宿までかなり離れているらしく、辺りは真っ暗で車も歩行者もゼロ。
頂いた簡素な観光マップを頼りに真っ暗土砂降りの中走る事30分。
民宿の近くに着くと、暗闇の道端で傘をさして立っているおばあさんが。
そのおばあさんが民宿の管理人で、なんとさっきの役場から電話が来てずっと外で待っていてくれてたそう。
もう安堵と感謝と申し訳無さで泣きそうになりました。
本来その民宿は自炊なんですが、お腹も空いてるでしょうと言ってカレーを作ってくれました。感謝してもしきれません。

スマホが無いだけでこんなにも大変なのかと思うとスマホに頼りっきりな自分が恥ずかしくなりました。けどそのお陰で人の優しさに触れられました。
辛かったけど良い体験になりました。』

たくさんの人に助けられ、親切にしてもらったことで、自分も、今度は逆の立場になったとき、旅人に親切にしてあげたい。自然にそう思えたようです。

恩を送る。ペイフォワード。直訳すると、「次の人のために支払う」というのだけれど、実際に、そういうやり方のお店をやってるところもあります。アメリカにあるカルマキッチンというお店。

・あなたの飲食代はすでに清算済み
お店に入ると、「今日のお食事は、以前カルマキッチンに来た方からのギフトです」と言われるのです。つまり、飲食代はすでに前のお客さんによって清算済み

・次のお客さんの飲食代を払ってあげても、お花を贈ってあげても何してもいい
前のお客さんからの親切を受けたお客さんは、次のお客さんの分の支払いすることでペイ・フォワードをしても良いし、まったく別の形でペイ・フォワードをしても良いのです。多くの人は次のお客さんの分を支払いますが、過去には歌手の方がカルマキッチンの他のお客様に歌を披露することでペイ・フォワードをしたり、家に帰ってから奥さんに花を贈ることでペイ・フォワードをしたりする人もいたんだとか。

実際体験した人は、「カルマキッチン帰りだと、電車の中ではもう積極的に席を譲りたくなっちゃうし、困っている人がいたら助けたくなっちゃうんです。優しくされたのに、それを忘れて電車で『私が席に座るのよー!!』というワガママむき出しな行動はとりにくいのが普通の感覚ですよね。」と感想を述べています。

 

感謝の循環は、確かにありそうです。

まとめ

ぜひ、皆さんも、ペイフォワードを初めて見てください。今日より明日、より優しい社会になるように。まずは、お子さんに、「1つぶのおこめ」を読み聞かせ、ペイフォワードの話をしてみてもいい。もしかしたら、それがいつか何倍にもなっていくかもしれませんよ。誰かに親切にしてあげてもいい。誰かを笑わせてあげるだけでもいい。

子どもたちが、誰しも笑顔でいられる世界を作りたい。だから、今日も、読み聞かせの後に、ペイフォワードの話をしてきました。みんなにも世界を変える力はあるんだよと。

“ペイフォワードで今日から世界を変えてみよう!” への2件の返信


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    たぬき より:

    はじめまして。確かに親切にすることは大事ですね。色々と勉強になりました。それでは、がんばってブログ更新してください。

    1. たぬきさん、コメントありがとうございます。かつて、私が困っている時に、力になってくれた友達がいました。その方に、「自分に返さなくてもいいよ。誰かほかの人に返してあげて」と、言われ、そんなこと言われても・・・と、その時は思っていました。でも、その方の言うように、その後、私は、自分と同じように悩んでいる方がいたときに、友人がしてくれたように、その方の力になることができました。私の心には、友人の言葉がいつも残っています。自分が受けた親切を、他の人に対して、何倍にも返すことができるのだと思いました。

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